浪速少年探偵団
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事情を知ったしのぶはひったくりを捕まえようと2人を連れて被害に遭った駅前の商店街で張り込みをし、ひったくりを見つけるが、予想外の俊足により取り逃がしてしまう。一方、商店街の近くの長屋で住人の男性が刺殺された事件が発生。その男性は一人息子と暮らしていたが、その息子は行方不明となっていた。だが、その行方不明の息子こそ、しのぶたちが追っていたひったくり犯だった。

ひったくり犯の少年…荒川の息子。事件発覚より前に父親の元から失踪している。口が達者で、土地勘も手伝ったとはいえしのぶから逃げ切れるほどの俊足の持ち主。

千枝子…35歳。利夫の前妻。失業後も働かない利夫に愛想を尽かして離婚、現在は保険の外交員をしている。

梶野 真知子…中学生。2年前まで大路小学校の生徒で、担任ではないしのぶとも親しかった。

荒川 利夫…殺された男性。半年前に現在の住所に引っ越してきたが区役所に転居届を出していない。以前はトラックの運転手だったが、飲酒運転で事故を起こしてクビになり、現在は無職。

梶野 政司…真知子の父親で長屋の主人。50歳過ぎの腹がでっぷり出ている。娘には血を見ただけで気を失うと言われるほど気の弱い人間と評される。

しのぶセンセのお見合い
初出:『小説現代臨時増刊』1987年7月中田の強引な進めで、「K工業」のエリート・本間義彦とお見合いをすることになったしのぶ。しのぶに想いを寄せる新藤は鉄平と原田からそのことを聞きつけ、鉄平たちと共に見合いの場を見張ることに。お見合いは問題なく進む中、仲人となった「K工業」社長・元山が、本社工場内で殺害された事件が発生する。社長はお見合いが始まる一時間前の三時以降に殺害されたことが判明、容疑者たちには動機はあれどアリバイがあり、そして本間も容疑者の一人として連ねていた。

元山 政夫…「K工業」社長。中田と共に本間のお見合いに熱心だった模様だが、事件当日には工場での用を済ませようとしていた。

元山 武夫…「K工業」専務で社長の息子。態度は相当に横柄で、社長を殺す動機のある者として本間や下請けの関係者を疑いきっている。

田辺…「K工業」の工場長。専務の参謀役で腹心の部下でもある。

戸村…「K工業」の下請け工場の社長。本間には世話になったこともあり、親交がある。

大原 ゆり子…「K工業」経理部職員。武夫の経費の使い込みを手伝い自身も5%の分け前をもらっていた。千里ニュータウンの高層マンションに住んでおり、プレイヤーという煙草を吸っている。

しのぶセンセとクリスマス
初出:『小説現代』1987年12月クリスマスイブ、女性が浴槽で手首を切って死亡した事件が発生。事件は自殺に見せかけた他殺と断定され、浴槽には「ケーキ」というダイイング・メッセージが残されていた。一方、しのぶと新藤は鉄平と原田と本間の自宅でクリスマスパーティーを催すことに。だがパーティー用にしのぶが調達したクリスマスケーキの中から、女性殺害事件に使用された血の付いたナイフが現れてきた。例によってしのぶが首を突っ込む一方、彼女の周辺ではUFOが飛んでいたという噂が広まっていた。

藤川 朋子…殺害された女性。千賀子とは高校時代からの親友で、以前は千賀子と同じ英会話スクールで事務をしていた。

高野 千賀子…24歳、遺体の第一発見者。淀屋橋の英会話スクールで事務員として勤務する。

松本 悟郎…29歳、千賀子の恋人。千賀子と同じ英会話スクールで講師をしている。外大卒で、アルバイトをしながら通訳の勉強をし、約1年ほど渡米経験がある。長身、浅黒い肌とモデルのような容姿の持ち主。

酒井 直行…明子の恋人。日本橋の五階建てビルの三階にある電気店勤務。痩せて顔色の悪く気の弱そうな男性。松本とは高校からの友人。朋子とは半年前に松元と千賀子からの紹介で交際して婚約していた。

しのぶセンセを仰げば尊し
初出:『小説現代』1988年3月大路小学校が1週間後に卒業式を控えていたころ、ラブホテル裏の草むらで女性の遺体が発見された。一方、熱で学校を欠席した鉄平は同じマンションに住む下級生の奈々の母親・町子が3階のベランダから転落して倒れている場面に遭遇。幸い命に別状はなかったものの、奈々から聞いた町子の様子を聞いた鉄平は、何者かが突き落としたのではと思い、しのぶに相談する。やがて卒業式当日、二つの事件の真相が明らかになったとき、思いがけない非常事態が発生する。そしてしのぶ自身も旅立ちの決意を秘めていた…。

朝倉 奈々…鉄平と同じ「緑山ハイツ」に住む大路小学校の5年生。鉄平に好意を持ち、もうすぐ卒業する鉄平にマフラーをプレゼントする。ためらいや考える最中に地面をつま先で蹴るのが癖。

朝倉 町子…奈々の母親。布団を干している最中に転落した。その際、落ちるのとは別の言い知れぬ恐怖を感じていたという。

宮本 清子…20歳。遺体の女性。父親は5年前に死去、雑貨屋を経営する母・和美と二人の妹がいる。勉強は振るわなかったが、それでも府立高校に進学し、高校を卒業してから実家を出て守口市の電子部品メーカーに勤めていた。中田のかつての教え子でもあった。

飯塚…清子が配属しているパワー・トランジスタ製造ラインの班長。新藤・漆原の聞き込みに応じる。背は低く、働き者という雰囲気がある。

しのぶセンセにサヨナラ
しのぶセンセは勉強中
初出:『小説現代』1990年2月号別冊鉄平の頼みで商店街の草野球にピンチヒッターとして参加したしのぶ。その後、鉄平と共に相手側の「西丸商店」会長・西丸仙兵衛宅の豪邸に招かれたしのぶは、その勝気さを仙兵衛に買われ、社長秘書にスカウトされる。しのぶがすぐさま席を立とうとしたその時、販売部長の米岡が豪邸近くの会社から転落死した。しかし米岡の死は自殺か他殺、どちらかの見解に疑問をつけるように不可解だった。一度は新藤・漆原との関わりを避けようとしたしのぶも事件に関わり、やがて「西丸商店」の社員たちが抱えていた事情にも光を当てていく。

西丸 仙兵衛…制服や作業着を製造直売している「西丸商店」会長。社長の座を息子に譲り、大友福子という女性をお手伝いにし、隠居生活を送っている。安物をさも高級品のよう着飾る筋金入りのドケチで押しの強い性格。

西丸 昭一…仙兵衛の息子で「西丸商店」社長。標準語。仙兵衛とは異なり、ドライな性格で会社を合理的な方針で経営している。

米岡 伸治…「西丸商店」販売部長。目立たない、気の弱いと評され、人の恨みを買うような人物ではないことが窺える。高所恐怖症。

富井…「西丸商店」社員。仙兵衛の腹心の部下で、よく彼の周りに付き従っている。

しのぶセンセは暴走族
初出:『小説現代』1990年11月号自分が車を知って交通事故から子供たちを守ると高い決意を持って車の免許を取得するため自動車学校に通うしのぶ。そんな中、しのぶは原田の母・日出子の誘いで、教官の若本と共に交通量の少ない早朝の秘密特訓に参加する。だが特訓が終わって帰ると、部屋の前に犬の糞が放置された日が続き、しのぶが犯人を捕まえようと特訓を休んだその日、日出子が事故に遭い、若本が意識不明の重体に陥ってしまう。日出子の乗る車に衝突した車が逃げ出し、日出子の過失が大きくなる可能性が強める中、話を聞いた新藤の一言から犬の糞の件を含め事故が仕組まれたものだという疑惑が浮上する。事件の真相に近づいた時、仮免中のしのぶの嵐のドライビングテクが炸裂する。

原田 日出子…原田の母親。しのぶと同じく免許取得のため「大阪グリーン自動車教習所」に通っている。二つのことを同時に出来ないほど不器用で、より多く時間外講習を受けている。

若本…「大阪グリーン自動車教習所」教官。担当の車番号は32番。三十代半ばの男前。元レーサー志望で、身寄りが無い。日出子が配車手続きの係と親交を持ったため、3回も日出子の講習を担当している。

しのぶセンセの上京
初出:『小説現代』1991年5月号東京に引っ越したかつての教え子・中西からの手紙で彼の境遇を案じ、友人の結婚式に出席する機会を使って鉄平と原田と共に上京したしのぶ。中西家に来訪したしのぶたちだが、両親の様子は険悪で、さらに3人は中西夫人の頼みで中西氏が利用するホテルに宿泊することに。3人がホテルまでの道に迷って東京にいる本間に助けてもらうまでの間に、中西家に電話を掛けたしのぶは電話口の様子から中西家で誘拐事件が起きていることを知る。犯人は身代金に5千万円を要求、受け渡し場所に
東京ディズニーランドホーンテッドマンションを指定していた。

中西 雄太…元大路小学校6年5組の生徒。卒業後、父親の仕事の関係で東京に引っ越す。周囲を柵で覆った、庭付きの洋風の自宅に住む。

中西 景子…雄太の姉。高校生で、振る舞いはしっかりとしている。

中西夫人…雄太の母親。いかにも上流階級の雰囲気で礼を尽くすタイプ。家庭に目を向けない夫に不満を抱く。

中西氏…雄太の父親。典型的な仕事人間といった人物で、忙しさから雄太と言葉を交わす機会が少ない。
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