浅見光彦
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父親である秀一の死は光彦が13歳の時だったが、多忙な官僚と言う事もあって家族的な接触が少なく、あまり親近感を抱いていなかった光彦は「どこか他人の様な感じ」と思っていた。ただ、死去した際はその事実を受け入れられず家から飛び出してしまい、お寺の境内の下に隠れていた。成人後、ある事件の際に、その寺の住職から父親の秀一の評価を聞き、ようやくその時になって父親を自分の中で受け入れる事が出来た。

先述の通り彼自身のルックスは悪くなく、家柄の点についても申し分は無いが、光彦自身は様々な事件で女性と知り合う機会があっても、最終的には本格的な恋仲になることはなく別れに至ってしまうため、母親の雪江からは残念がられることが多い。しかしこれは光彦が知り合う女性がいわゆる「ワケあり」ばかりであるが故に、光彦との恋愛どころではないのが実情である。実際、女性の身内や知人が殺人事件の被害者となるのはまだいい方で(「化生の海」など)、その女性と縁のある男性がいて光彦が身を引く決断をするに至る(「崇徳伝説殺人事件」など)といったことが起こっている。この点で光彦は、「ワケありな女性との出会いが多いが、ワケあり故に共に結ばれず、女性との幸せと縁遠い弟」であり、兄の陽一郎は「普通の女性の和子と結ばれ、2人の子宝に恵まれ、夫としても父親としても普通の幸せを手にした兄」という、実に正反対な兄弟となっている。

名家の次男坊という恵まれた経歴であるため、苦難の人生を歩んだ人間に対し「甘ったれた人生を歩んだ自分が」と考えることがあり、(事件解決のためでも)その心情に深く入り込めないこともある。
浅見光彦シリーズの登場人物

演はドラマでの俳優で日本テレビ版、TBS版、フジテレビ版、テレビ東京版、舞台版の順。声はゲーム及びドラマCDでの声優
浅見家の人々

家族構成は、光彦から見た場合「母、兄、兄嫁、姪、甥、自分、妹」となる。
浅見 雪江
演 -
乙羽信子寿美花代/加藤治子佐久間良子竹下景子/野際陽子/丘みつ子/池上季実子 声 - 谷育子72歳。陽一郎・光彦の兄弟にとっては、母・雪江は逆らえない存在。高級官僚で家庭持ちの兄と、無職に近いルポライターで独身の弟を何かにつけて比較して光彦を急かす。浅見家ではこれを「賢兄愚弟の法則」と言い、絶対真理の如き常識となっている。雪江は光彦の探偵ぶりを快く思っていない。賢兄の足を引っ張る行為であり、高級官僚を輩出し続けてきた浅見家にとって恥であると考えているからである。が、他者が光彦の探偵としての才能を評価する事に対しては、謙遜してみせるが満更でもないらしい。何らかのやむをえない事情がある場合は、逆に光彦に事件を解決させようとする事もある。ただし、その際にも「陽一郎さんの迷惑にだけはならないように」と釘を刺すのを忘れない。浅見が現場で頑なに自らを「ルポライター」だと主張するのは、この母の影響である。好物は、平塚亭の団子である。一方で熱しやすいところがあり、光彦を伴って旅行に出かけることもしばしば。行き先では必ずと言っていいほど殺人事件が起こり、光彦が解決に乗り出すことがある。日本泳法練士の資格を保有しており、水府流太田派の研究サークルの名誉会長を務めている。叔父に大隅五郎陸軍少将がいる。
浅見 陽一郎
演 -
高橋悦史高嶋政宏/村井國夫風間杜夫石丸幹二/西岡徳馬榎木孝明/高橋克典/野村宏伸 声 - 大塚明夫警察庁の刑事局長を務める光彦の兄。47歳。階級は警視監。光彦に引けを取らない推理力を持つ。兄弟仲は良好。父親が早くに死去した事もあり、光彦にとっては父親代わりでもある。幼少期から神童と呼ばれており、東大を首席で卒業。父親が死去した時すでに警察庁に入庁しており、優秀な官僚として陽一郎の同期内では既に出世頭であったらしい。警察庁に入庁したのは、父・秀一の「官僚なら大蔵か内務」という持論による(敗戦時、内務省の解体により創立された庁の一つが警察庁)。同期との仲も良好でそのほとんど多くが警察本部の本部長職に就いており、光彦が訪ねると「奴さんは元気か!」と歓迎されており、時折持たされる陽一郎のお土産、その同期への心配りは、光彦によると「敵はない」との事。光彦は出世頭の兄を素直に尊敬し、陽一郎もまた自分に無い才能を持ち、自分にできない生き方をする弟を認めており、密かに「天才」と評している。基本的に二人は互いの職域を越えないように気を配っているが、どうしても自らの手に余ると判断した場合は協力しあう事もある。妻は一歳年下の和子、子に「高校一年生」の智美、中学生の雅人がいる。
浅見 祐子
演 - -/
林美穂秋月三佳小出早織(連続ドラマ版)/山口まゆみ、石井香帆(幼少)/- /妃乃ゆりあ惣田紗莉渚光彦の妹で長女。大学生の時、事故に巻き込まれて死亡。とりもなおさず、この事故にまつわる謎こそが「名探偵・浅見光彦」を生み出すきっかけとなった。浅見が初めて探偵となった背景には、悲しくも強い家族の絆があったのである。
浅見 佐和子
光彦の妹で次女。留学のためにニューヨークに在住。陽一郎を「大きいお兄さん」・光彦を「小さいお兄さん」と呼んでいる。彼女の帰国(結局帰国しなかったが)で一時期、浅見家でひと悶着が起きた。
浅見 和子
演 -
泉晶子秋篠美帆/山本郁子鳥居かほり魏涼子/五十嵐めぐみ/-/麻乃佳世陽一郎の妻。46歳。光彦にとって「義姉さん」に当たる。温和な性格。
その他の家族
甥の浅見雅人は14歳の中学生で、光彦に「おじさん、イソーローって何?」と尋ねたことがある。姪の浅見智美は16歳の高校1年生で、ミッション系の女子高に通っていると『崇徳伝説殺人事件』で書かれている。
交友関係
吉田 須美子
演 - -/
井上彩名八木田麻衣→武重祐子→白石マミ→梶原麻莉子田村愛→三橋愛永→浦まゆ原沙知絵(連続ドラマ)/西尾まり藤田瞳子/吉田美佳子/野中ぴよこ、塩崎沙織 声 - 小清水亜美浅見家で雇われているお手伝い。27歳。愛称は「須美ちゃん」。須美子は以前浅見家に仕えていた先代の「お手伝いのばあや」の同郷者であり、その後継として浅見家にやって来た。須美子の「坊ちゃま」はそのばあやから受け継がれた筋金入りの呼称である。光彦に女性からの電話がかかってくると即座に「美人」と見破り、不機嫌になる。媒体によって「不機嫌」の描写は異なり、悲しそうにしたり恨みがましい感じとなっている。また警察からの電話に対しては露骨に冷たくなる。
お手伝いのばあや
須美子の前任のお手伝い。本名は不明。幼少期から光彦を溺愛しており、何かと陽一郎側に立つ光彦の唯一の理解者であった。
新潟県長岡市(やまあいの村)の出身。
藤田 克夫
演 - -/
大和田伸也(連続ドラマ)/小倉久寛/- 声 - 一馬芳和雑誌「旅と歴史」の編集長。お調子者で、何かと安い経費で浅見に仕事を依頼する。「竹人形殺人事件」では彼の父親が登場した。
宿敵

前述のとおり浅見シリーズは数多く、中には宿敵とも言える存在も何度か出てくる。
保全投資協会
漂泊の楽人」で初登場した、金の現物まがい商法を持ちかけて多くの資産家・企業だけでなく高齢者をも騙して金銭を巻き上げていた詐欺集団。浅見の大学時代の友人が巻き込まれて命を奪われた。浅見は彼の敵を討つため、この団体を追い詰め、崩壊させた。その後、日本中に隠されたとされるこの詐欺集団の「隠し財産」をめぐり、浅見は様々な事件に関わり、時に隠し財産の奪還すら行うことになる。また、それ故に、この団体の残党とその家族・縁者にとって、浅見は「愛する家族とそれが遺してくれた財産を無慈悲に奪い去った仇敵」であり、憎んでも(時には殺しても)飽き足らぬ相手である。後に発表された「浅見光彦殺人事件」にも、この協会の影がちらつき、そのために浅見を「親の仇」として憎悪の念を燃やし続ける、ある人物の存在が明かされる。
官僚・議員団体
主には兄・陽一郎の政敵や地方開発で利権をむさぼる政治家とそれを取りまとめている団体。浅見は時折、そうした連中の企みを潰して殺人事件の犯人を挙げている。
演じた役者

俳優

TBS

国広富之

ザ・サスペンス』「後鳥羽伝説殺人事件」(1982年8月21日)


辰巳琢郎

月曜ドラマスペシャル』「浅見光彦シリーズ」・初代(1994年4月25日 - 2000年3月27日)全13作


沢村一樹

『月曜ドラマスペシャル』⇒『月曜ミステリー劇場』⇒『月曜ゴールデン』「浅見光彦シリーズ」・2代目(2000年9月4日 - 2012年9月3日)全18作

水曜劇場』「浅見光彦?最終章?」(2009年10月21日 - 2009年12月16日)全9回。合計全27作


速水もこみち

『月曜ゴールデン』「浅見光彦シリーズ」・3代目(2013年2月25日 - 2016年3月28日)全4作


平岡祐太

月曜名作劇場』「新・浅見光彦シリーズ」・4代目(2017年10月30日 - )2019年1月までに5作。



テレビ朝日

篠田三郎

土曜ワイド劇場』「小樽殺人事件」(1986年10月11日)



日本テレビ

水谷豊

火曜サスペンス劇場』「浅見光彦ミステリー」(1987年9月8日 - 1990年7月3日)全8作


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