活字離れ
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また書籍への関心の経路を増やすため、コミカライズによって漫画読者層にアピールしたり、書籍の映像化や映像作品の小説化など、様々なメディアミックス展開が行われている。こうした大きな需要を掘り起こす試みに加え、小さな需要に応えていく試みとしてオンデマンド出版電子書籍などITを活用したインターネット経由の通信販売が普及しつつある。現在、電子書籍の大半は漫画作品だが、活字の書籍も着実に増えている。

その他、読書を支援する環境が充実しつつある例として、絶版問題に対応して、世界最大の古書店街としても知られる神田神保町が共同で運営する古書専門販売サイト、復刊を推進するサイトの登場などが挙げられる。
新聞離れ

新聞の発行部数は1997年(平成9年)にピークアウトした後、減少している。新聞購読者の高齢化が進展しつつあり[13][14]、新聞社にとって将来が危ぶまれるようになった。若者層の新聞を読まないとした理由として、料金がかかるから(62.6%)、読むのに時間がかかるから(37.9%)、他のメディアからの情報で足りるから(24.5%)となっている。

ただし、インターネットにおける文字情報主体のニュース記事読者数は紙媒体の新聞購読者の減少数を大きく上回っているため、活字離れという文脈で話題になることは少ない。また、日本新聞協会の調査によると、新聞を「大いに信頼できる」「だいたい信頼できる」と答えたのは、50歳代で92%、20歳代で83%[15]である。また、こたつ記事の乱立により、インターネット上のニュースでは本来知りたい情報やニュースが入手できないことを理由として、敢えて新聞を購読する者もいる[16]。インターネットは書籍と同等の長文記事を読むには不適な媒体とみなされているが、新聞記事のような短文ならばむしろ情報消費者の利便性を増進すると考えられており、紙媒体の凋落は新聞社の経営問題に過ぎず、社会的な影響は大きくないという見方が強い。
新聞業界の対応

有料記事の需要落ち込みに対応し、広告モデルを全面的に採用したフリーペーパーや無料ウェブサイトによる生き残りを模索する一方、解説の充実などコンテンツの充実による有料紙媒体存続や有料会員制サイトの方向性も目指している。
中国

中国の識字率は1980年代には8割未満だったが、2000年代に入って90%を突破した[17]。しかし中国出版科学研究所の調査によれば、逆に識字者の読書離れが進み、1999年調査では60.4%だった読書率が、2006年の調査では48.7%へ低下した。

同研究所は、生活の変化に伴って読書をする時間が減ったことや、新しいメディアの普及に伴い、そちらに人が流れている他、旧来の学術書や教養を扱った書籍よりも、実用書や功利的なハウツー本の需要が増える傾向を指摘している。
脚注^Uncovers Who’s Tuning In, Logging On and Hitting the Books,GfK NOP,New York,June 15, 2005.
^ 「 ⇒新聞の発行部数と世帯数の推移」 日本新聞協会。
^「若者の活字離れ」は正しくない、との調査結果出る
^ 「読書週間 本社世論調査 本離れ懸念 世代で差」 読売新聞、2004年(平成16年)10月28日。
^ 「 ⇒読書週間 “本離れ”傾向変わらず…本社世論調査」 読売新聞、2005年(平成17年)10月28日。
^ 『「1か月読書せず」49%、若者の本離れ進む』 読売新聞、2006年(平成18年)10月29日。
^ 「 ⇒書籍 ・ 雑誌読書率(16歳以上)は過去最高、小、中、高校生の雑誌読書率は過去最低 ― 2002年版“読書世論調査”(毎日新聞社)の概要―」『出版教育研究所通信』No.2、日本エディタースクール、2002年(平成14年)6月13日。
^ 鈴木道弘、中本輝雄、大漉実知朗、滑志田隆 「 ⇒第56回読書世論調査」 毎日新聞、2002年(平成14年)10月27日。
^ 「親と子の読書活動等に関する調査」文部科学省
^ 「 ⇒社会生活基本調査」国立国会図書館
^ 「インターネット白書2006」インプレス
^ 「 ⇒クロス・メディア・リサーチ」日経リサーチ
^ 「NHK国民生活時間調査」NHK放送文化研究所
^ 「 ⇒図録▽新聞を読まなくなった日本人」国民生活時間調査のデータを集計
^ 読売新聞2006年(平成18年)10月20日記事
^ “「あやなんって誰やねん!」新聞を購読する若者が急増中、背景に“タイパ”重視のスタンスと「YouTuberの話は知りたくもない」ネットニュース離れで紙に回帰”. 週刊女性PRIME. 主婦と?活社 (2023年11月21日). 2023年11月21日閲覧。
^ 「 ⇒Education - Global Monitoring Report 2006 - Full Report」ユネスコ

関連項目

3S政策

出版不況

文字・活字文化振興法

NIE










リテラシー
リテラシー教育

読書教育

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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