油圧ショベル
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

陸上自衛隊の油圧ショベルについては「油圧ショベル (陸上自衛隊)」をご覧ください。
.mw-parser-output .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .trow>.thumbcaption{text-align:center}}一般的な油圧ショベル(前側、ボルボ・EC290B)一般的な油圧ショベル(側面)ミニショベル(日立・EX30)

油圧ショベル(ゆあつショベル、: hydraulic excavator あるいは digger)とは、掘削・整地等のための状の構造およびバケット等が油圧により作動し、自走する機械のことである。いわゆる掘削機の一種で、建設機械の一種。
概要ケーブル式ローディングショベルの一例ケーブル式ドラグショベル(ドラグライン)の一例

土砂地山などの掘削・整地などに用いる。一般に、腕状の構造は、左右に旋回するプラットフォームの上に据えられており、その下には走行装置を備え、自走することができる。腕状の(もう少し詳細に喩えると、腕状と言うより、人間のからあたりのような)構造は、一般に複数の部分からなり、機体の基部から順に「ブーム」「アーム」と呼び分けられる。

アーム先端に取り付ける作業装置は土砂等の掘削に適したバケットが標準であるが、バケット以外の各種アタッチメントに付け替えて様々な用途に使用でき、下部走行フレームにブレード(排土板)を装備して、ブルドーザーのような押土整地作業も行える機種もある。

いくつか分類法があり、大きく「バックホー(ドラグショベル)」「ローディングショベル」「解体機」に分類することができる。また重量で分類する方法もある。→#分類・種類
歴史

油圧式ショベルが登場する以前に鉱山や河川工事で用いられていた、ウインチでケーブル(ワイヤーロープ)を巻き上げ、巻き下げてブームとアームを動かしてバケットを前方に押し出して掘削するケーブル式ローディングショベルや、幅広バケットをウインチで引き寄せながら掘削するケーブル式ドラグショベルが原型である。ケーブル式ショベルは構造上、ケーブルを引く方向にしか掘削力をかけられないので、狭い範囲を深く掘削したり、掘削面を平らに切り取るような作業は困難であったが、1947年イタリアで世界初の複動式油圧シリンダーでブーム、アーム、バケットを動かす小型油圧式ローディングショベルが開発されて、従前のケーブル式では構造上困難だった精密掘削や整地作業も容易になり、かつ、1970年頃以降 油圧ポンプやバルブシステムが改良されて運転操縦法も極めて簡単になり、小型軽量な機種も製造可能になったため土木建設などの中-小規模な用途では急速に油圧式ショベルが普及した。

しかし、複動式油圧シリンダーはあまり長い物は製造が難しく、リンク倍率を高くするとブームやアームの太さや重量が大きくなり過ぎてしまうため油圧式ショベルの大型化には限界がある。2016年時点で、重掘削・積込用としては作業半径20メートル程度、バケット容量40立方メートル程度が世界最大級であり、これよりも大規模な掘削機械では、ケーブル式ショベルやバケットホイールエクスカベーター等が多用されている。
おもな用途、および使用法に関する規制

下(後ろ)向きにバケットを取り付けてバックホーとして使うのがもっとも一般的だが、その他に、機体より上方の土砂を掘削して運搬車に積み込む作業に適した前向きローディングバケットや、圧砕機、鉄骨切断機を取り付けてビルの解体、コンクリートや道路のアスファルト、自然石を打撃により破砕するブレーカー等の多種多様なアタッチメントに交換でき非常に幅広い用途に使われる。

こうした動力シャベルはケーブル式時代のころは巻きあげロープが元々あったので、アタッチメント交換でここの先端にフックを付ければクレーンとしてそのまま使用できた[1]ため、日本でも過去の労働安全衛生法および関連省令規則では、「(油圧を含め)動力ショベルで貨物を吊上げ運搬する行為に関する規定」が設けられてなく、クレーン設置が困難な狭隘な作業場所において地中埋設物の引き抜きや土留め支保工材を扱う場合に限り油圧ショベルを吊上げ作業に用いてもよいと指導されていたが、油圧ショベルにはウィンチがないためバケット等のアタッチメントに直接ワイヤーを掛け付けた吊り上げ作業を行った結果、ワイヤーが切断したり外れて吊り上げた貨物が落下して死亡事故が多発した為、現在は関連省令規則が改定されて、省令規則の規定に合致する構造と安全装置を具備した「クレーン機能付油圧ショベル」でしか吊り上げ作業を認められていない。吊り上げられる重量は油圧ショベルの大きさで異なる[2]
呼称

英語では「hydraulic excavator ハイドローリックエキスカベーター、油圧式発掘機」がかしこまった呼び方で、少しくだけた呼び方では単に「excavator エキスカベーター、発掘機」と呼び、現場の人は日常的にはしばしば短く「digger ディガー、掘るヤツ」と呼ぶ。日本では油圧ショベルには、製造メーカーにより油圧式ショベル、ユンボ、バックホー、パワーショベル、ドラグショベル等の商品名がつけられている。

日本で広く使われている同義語・類義語には次のようなものがある。
油圧ショベル
1990年代に入ってから、社団法人日本建設機械工業会により新たに制定された統一名称である。「油圧」なので前述のケーブル式ドラグショベルは含めない。
パワーショベル
小松製作所が商品名として用いた言葉が一般に広く普及したものだが、厳密には「長い柄のついた大きなシャベルを動力によって動かし、土を削り取る土木機械。動力ショベル。[3]」であり、車両そのものではなく動力装置のついたショベル部分を指す。
ショベルカー
「土木工事に使う掘削用の動力シャベルを備えた車両全般」をさす和製英語[3]
ユンボ
もとはフランスの建設機械メーカーであるシカム社 (SICAM) の商標[4]。新三菱重工業(現:三菱重工業)が技術導入して日本で生産・販売した結果、日本ではこの名前が広く普及した。現在では油圧ショベルを指す代名詞として現場などで使われている[5][6]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:66 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef