沢木耕太郎
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大学時代のゼミの指導教官は、後に神奈川県知事となる長洲一二だった[1]

大学卒業後は富士銀行(当時)に入行するも、初出社の日に退社した。出社途中に信号待ちをしているときに退社を決めたという[2]。その後、ゼミの指導教官だった長洲から「何か書いてみないか」と誘われたのをきっかけに文筆活動を始める[1]

ルポライターとして1970年昭和45年)、『防人のブルース』[3]でデビューし、1979年(昭和54年)には演説中に刺殺された日本社会党委員長の浅沼稲次郎と、その犯人である少年の交錯を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。以後、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説、エッセーなどを発表している。
名前

「沢木耕太郎」はペンネームである[4]。雑誌の取材を受け、「あなたの本名はあらゆる文献を見てもどこにも掲載されていない。なぜなのか」と問われた沢木は、「ペンネームを使う以上、わざわざ本名を名乗るのなら使う必要がない」と答えている[4]。実父の没後にその句集を出版した際にも、苗字をつけず「二郎」とファーストネームだけの名義を用いた。
エピソード

沢木はアメリカで起こった「
ニュー・ジャーナリズム」の影響を受けているが、小説『一瞬の夏[5]1981年)では、プロボクサーカシアス内藤が2度目の東洋チャンピオンに挑戦する姿を、取材者であり同行者である「私」を絡めて克明に描き、自ら「私ノンフィクション」と呼ぶ方法論に挑んだ。

テレビ番組『NHKスペシャル』には、自ら取材・構成を担当したうえで出演したことがある。

毎年12月24日の深夜に、FMラジオ局J-WAVEの番組『MIDNIGHT EXPRESS?天涯へ』にDJとして出演している。

乗っていたセスナ機ブラジルジャングルで墜落し、九死に一生を得た体験をもつ[6]

ノンフィクション作品集 『人の砂漠』では、所収作品のうち「鏡の調書」がドラマ化(NHK、1995年)されたほか、短編4編が学生らによって映画化された[7]

受賞歴

1979年 『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞

1982年一瞬の夏』で第1回新田次郎文学賞を受賞

1985年 『バーボン・ストリート』で第1回講談社エッセイ賞を受賞

1993年 『深夜特急 第三便』で第2回JTB紀行文学賞を受賞

2003年 これまでの作家活動で第51回菊池寛賞を受賞

2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞を受賞

2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞を受賞

2022年 『天路の旅人』で第74回読売文学賞を受賞[8]

作品

『若き実力者たち 現代を疾走する12人』
文藝春秋(1973年)のち文庫・改版

『敗れざる者たち』文藝春秋(1976年)のち文庫・改版

人の砂漠新潮社(1977年)のち文庫。テレビドラマ化・映画化作品

『テロルの決算』文藝春秋(1978年)のち文庫・改版

『地の漂流者たち』文春文庫(1979年)

一瞬の夏』新潮社(1981年)のち文庫

『路上の視野』文藝春秋(1982年)

「紙のライオン」「ペーパーナイフ」「地図を燃やす」文庫(3分冊)1987年


『バーボン・ストリート』新潮社(1984年)のち文庫

深夜特急 第一便 黄金宮殿』新潮社(1986年)のち文庫(全6分冊)。テレビドラマ化作品

『深夜特急 第二便 ペルシャの風』新潮社(1986年)のち文庫

『深夜特急 第三便 飛光よ、飛光よ』新潮社(1992年)のち文庫、各・改版2020年


『馬車は走る』文藝春秋(1986年)のち文庫

『王の闇』文藝春秋(1989年)のち文庫

『チェーン・スモーキング』新潮社(1990年)のち文庫

『彼らの流儀』朝日新聞社(1991年)のち新潮文庫

『象が空を 1982-1992』文藝春秋(1993年)

「夕陽が眼にしみる」「不思議の果実」「勉強はそれからだ」文庫(3分冊)2000年


』新潮社(1995年)のち文庫

オリンピア?ナチスの森で集英社(1998年)のち文庫、新潮文庫

『血の味』新潮社 純文学書き下ろし特別作品(2000年、初の長編小説)のち文庫

『世界は「使われなかった人生」であふれてる』暮しの手帖社(2001年)のち幻冬舎文庫

『イルカと墜落』文藝春秋(2002年)のち文庫

『シネマと書店とスタジアム』新潮社(2002年)のち文庫

『沢木耕太郎ノンフィクション』文藝春秋(全9巻、2002年?2004年)

激しく倒れよ

有名であれ無名であれ

時の廃墟

オン・ザ・ボーダー

かつて白い海で戦った

男と女

1960

ミッドナイト・エクスプレス

酒杯を乾して


一号線を北上せよ』講談社(2003年)のち文庫

『無名』幻冬舎(2003年)のち文庫

杯 WORLD CUP』朝日新聞社(2004年)のち新潮文庫

冠 OLYMPIC GAMES』朝日新聞社(2004年)のち文庫

『冠(コロナ)〈廃墟の光〉 オリンピア1996』新潮文庫(2021年)


』新潮社(2005年)のち文庫

危機の宰相』魁星出版(2006年) のち文春文庫

『「愛」という言葉を口にできなかった二人のために』幻冬舎(2007年)のち文庫

246スイッチ・パブリッシング(2007年)のち新潮文庫 

『旅する力──深夜特急ノート』新潮社(2008年)のち文庫 

『あなたがいる場所』新潮社(2011年)のち文庫

『ポーカー・フェース』新潮社(2011年)のち文庫 

『キャパの十字架』文藝春秋(2013年)のち文庫 

流星ひとつ』新潮社(2013年)のち文庫 - 藤圭子を描く

『旅の窓』幻冬舎(2013年)のち文庫

『波の音が消えるまで』新潮社(上下、2014年)のち文庫 全3冊、小説

『キャパへの追走』文藝春秋(2015年)のち文庫

『銀の街から』朝日新聞出版(2015年)のち文庫

『銀の森へ』朝日新聞出版(2015年)のち文庫

春に散る』朝日新聞出版(小説、上・下、 2017年)のち文庫。映画化作品

『銀河を渡る 全エッセイ』新潮社(2018年)

『作家との遭遇 全作家論』新潮社(2018年)のち文庫 - 19名の作家論

『旅のつばくろ』新潮社(2020年) - 国内旅エッセイ、JR東日本の車内誌「トランヴェール」に連載

『飛び立つ季節―旅のつばくろ』新潮社(2022年6月)- 続編

『天路の旅人』新潮社(2022年10月)- 西川一三の評伝

『夢ノ町本通り』新潮社(2023年9月)

朝日新聞の土曜別刷にて自身初の時代小説「暦のしずく」連載開始(2022年10月1日?)


編集・共著

目撃者──
近藤紘一全軌跡1971?1981(文藝春秋、1981年、文春文庫、1991年)

右か、左か 心に残る物語?日本文学秀作選(文春文庫、2010年)

山本周五郎名品館(全4巻 文春文庫、2018年)

『貧乏だけど贅沢』(文藝春秋、1999年、文春文庫、2012年)、10名と対談集

『月の少年』浅野隆広絵 講談社(2012年)

『わるいことがしたい!』ミスミヨシコ絵 講談社(2012年)

『いろはいろいろ』和田誠絵 講談社(2013年)

『ホーキのララ』貴納大輔絵 講談社(2013年)、各・児童出版

『沢木耕太郎 セッションズ』(全4巻 岩波書店、2020年)

翻訳

キャパ その青春(リチャード・ウィーラン) 文藝春秋(1988年)

キャパ その死(リチャード・ウィーラン) 文藝春秋(1988年)

「キャパ その青春」、「─その戦い」、「─その死」文春文庫(2004年)


ロバート・キャパ写真集 フォトグラフス 文藝春秋(1988年)訳・解説


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