2011年12月、スコセッシは『沈黙』が次回作になると述べた。デイ=ルイス、デル・トロ、ベルナルが出演するか否かについては明言しなかった[11]。しかし2012年3月、スコセッシはかつて棚上げになっていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の製作に着手した[12]。2012年5月にはチェッキ・ゴーリ・ピクチャーズのCEOが『沈黙』が同社の製作予定作品の筆頭だと語った[13]。
2012年12月、チェッキ・ゴーリ・ピクチャーズは本作に関わる同社との契約を反故にしたとしてスコセッシを提訴した。同社によれば、スコセッシは1990年に『クンドゥン』の製作完了後『沈黙』を製作することに同意したが、『ディパーテッド』、『シャッター アイランド』、『ヒューゴの不思議な発明』を監督するために、2004年と2011年に本作の製作を延期する代わりに「相当量の補償とその他の有益な援助」を支払う契約を交わしたとされた。これらの額は「映画1本あたり100万?150万ドル、プラス最大20%のスコセッシのバックエンド補償」といわれた。訴状の主な争点は、スコセッシが『ヒューゴの不思議な発明』に関する違約金の支払いを怠り、また『沈黙』に先立って『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を製作したのは契約違反だという主張だった。スコセッシの代理人は「これらの主張は、昨年双方の合意で明示された条件と完全に矛盾し、食い違い、相反するものだ」と述べた。スコセッシはまた訴訟を「マスコミを使った売名行為」「無益な行動」と一蹴した[14]。
2013年4月、『沈黙』の撮影が2014年7月から台湾で開始されると発表された[8]。2014年1月までにスコセッシは台湾でロケハンを始めており、撮影は同年夏開始予定とされていた[15]。プロデューサーのアーウィン・ウィンクラーによると、製作が長く難航したのは17世紀の日本という舞台を再現するのが非常に高くつくためで、台湾は予算が抑えられるために撮影地に選ばれたという[16]。 2013年5月、イエズス会司祭セバスチャン・ロドリゴ役にアンドリュー・ガーフィールドが、通詞役に渡辺謙が配役された[17]。2014年1月には司祭フランシス・ガルペにアダム・ドライバーが、教父クリストヴァン・フェレイラ役にリーアム・ニーソンが配役された[18][19]。2015年1月、スケジュールの都合から渡辺が降板し、浅野忠信が代役に起用された[20]。 主要撮影は2015年1月30日から5月15日まで台湾で行われた[21][22]。 2015年1月28日、本作の野外セットにおいて、危険性が指摘されていた構造物の補強中に天井が落下し、作業員1人が死亡、2人が怪我を負った[23]。 2014年7月にパラマウント映画が米配給権を獲得した。同社は当時2015年末の公開を見込んでいた[24]。
配役
撮影
公開
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