江戸時代
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被差別階級とされる長吏、穢多、非人などは皮革の製造加工、死刑執行人・牛馬の死体の掃除など人の嫌がる仕事を割り当てられ、ほかの階級から差別されたが、それらの職種を独占したために経済的にはある程度安定していた[46]。のちに明治維新で行われた四民平等政策により、制度的差別は廃止され彼らは平民となるが、それにより死牛馬取得権などの特権を失いかえって困窮する者が多く出た。民間では社会的な差別は依然として残り[47]、近現代の部落解放運動につながった(部落問題)。
災害

江戸時代もまた数々の大災害に見舞われた時代であった。幕府による災害復旧の御普請はほぼ天領に限られ、各大名領に対する救恤は多くが貸付金という形であった[48]

中でも18世紀初頭の元禄から宝永期は巨大災害が立て続けに起こり[48]、富士山の宝永噴火後の1708年には高100石に付金2両を徴収する「諸国高役金令」を出し、幕府始まって以来の全国的課税となった[49]。領地からの収入増を目的として元禄ごろまで盛んに行われてきた新田開発は、宝永津波をきっかけに転換を迫られることとなり、以後の開発面積は激減することになる[50]。慶長期から増加し続けてきた人口はその後停滞期に入り、享保の大飢饉および天明の大飢饉ごろは減少局面も見られ、幕末までほとんど人口は増加しなかった[50]
大飢饉 死者1万人以上


寛永の大飢饉享保の大飢饉天明の大飢饉天保の大飢饉

大火 死者1万人以上


明暦の大火水戸様火事明和の大火

大地震 Mw8.5以上、かつ死者1万人程度以上


慶長の大地震元禄の大地震宝永の大地震八重山の大津波安政の大地震

大噴火、および火山災害 火山爆発指数VEI4以上レベル、あるいは死者1万人以上


宝永大噴火天明大噴火安永大噴火島原大変肥後迷惑

経済

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江戸時代は経済的には目まぐるしい発展を遂げ、その資本の蓄積は、明治維新以降の経済発展の原動力となる。

各地の諸大名は、江戸藩邸や参勤交代の費用を捻出するために自藩産出の米や魚農産物を大阪で売ったため、大阪は諸大名の蔵屋敷が置かれ、全国の特産品が並び、活況を呈した。また、参勤交代やお手伝い普請で多くの諸大名が街道筋の宿屋・旅籠に泊まったため、経済の流通が活発化したのである。江戸幕府は株仲間を結成させて特定商人の独占を認めることで商業統制を行おうとした。しかし、実際には江戸時代も後期に入ると、都市・地方ともに新興商人の台頭が始まり、活発な展開を見せるようになる。幕府はこうした経済発展の動きに十分な対応が取れず、物価変動による社会的混乱を鎮められずに幕府が動揺する一因となった。

アンガス・マディソンによれば、1820年享保年間)時点のGDPは、アメリカを1とした場合、日本はその1.75倍、オランダは0.3倍、イギリスは2.8倍であり、1850年になり、アメリカが日本の2倍近くに達する[51]。江戸期における1人あたりの生産量は、アメリカの0.15%である[52]

対外政策としては幕府は海禁(いわゆる鎖国)政策を布いていた。しかし、将軍代替りの際に来府した朝鮮通信使によって清国の動向を、またやはりたびたび来府したオランダ商館長によって欧州の動向を、ある程度においては把握していたといわれている(オランダ風説書)。たとえば天保の改革を行った老中・水野忠邦は、清国でアヘン戦争が起こると、ただちに異国船打払令を撤回させているが、これも英国をはじめとした西洋列強の清国に対する外交姿勢を把握していたからこその対処だった。なお、長崎鳴滝に西洋医術の塾(鳴滝塾)を開いたシーボルトのもとには多数の日本人が修学しており、限られた範囲で西洋人と日本人との交流は行われていた。
農業・林業
農業技術:農業器具の進歩、千歯扱き備中鍬金肥料(干鰯油粕)、勤勉革命農学:二宮尊徳
水産業
俵物:煎海鼠、(干鮑フカヒレ…いずれも中華料理の高級食材)
鉱業
佐渡金山生野銀山石見銀山別子銅山
手工業
商品作物マニュファクチュア
交通


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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