江島_(宮城県)
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江戸時代には仙台藩に属し、1745年には政治犯が流される流刑地とされた[6][3]。江島自然活動センター裏の東岸の岩場は、「流人ころがし」と言われ、かつては罪人を突き落とす仕置場であった。仙台藩で上流に属していた流刑人も多かったため、風流を愛する気風が残されているという。その一人に豊臣家の家臣筋であった修験者、栄存法印がおり、死後は島民によって手厚く葬られたというが、埋葬場所はその後農地として開墾されてしまったらしく、現在は確認できない。

太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)8月10日、連合軍の激しい空襲に遭い、19人死亡、16人重軽傷、建物の焼失3棟、全壊3棟の大きな被害が出る。

近年まで、頭に大きな荷物を載せた「陸前大原女」が島の狭い坂道を行き交う風景が見られた。

気候

年較差の小さい海洋性気候となっており、冬は温暖、夏は冷涼である。かつては日本では珍しくケッペンの気候区分におけるCfb(西岸海洋性気候)に属していた。冬は2月の最低気温平均がわずかに氷点下になっている程度と東北地方としてはかなり温暖で、太平洋側気候であり雪の少ない宮城県本土沿岸部と比べてもさらに雪は少ない。夏はやませの影響を受けやすく、8月の最高気温平均も夏日になる程度の25.9℃である。真夏日は年間で3日程度と非常に少ない。周囲は、陸地から離れ、海流が強く、外洋に面して水深が深く、本土側も含め人の生活圏からも遠いので水質が良く、良い漁場となっている。気象アメダス観測を行っており、宮城県各放送局気象情報ではおなじみの場所である(特に、宮城県随一の強風地点としてよく紹介される)。
交通

シーパル女川汽船により高速船「しまなぎ」が1日3便運航。女川港から13.8kmで、直行便で約20分。出島経由便の場合約40分。ちなみに船は気象条件により、南西側の埠頭に発着することもある。
生活

公的機関 - 女川町の出先機関として、江島開発総合センターあり

学校 - なし(廃校跡は女川町江島自然活動センターになっている)

郵便局 - 江島簡易郵便局があるが、震災の影響により、現在業務休止中[7]

商店食堂 - なし。自動販売機も存在しない(ただし現在は、震災復旧工事関係者のために工事事務所に設置されている)。島民は、狭い畑を耕して半自給自足の生活を行っており、島で生産されないなどの食料品やその他日用品は、女川町立病院への通院時などに商店で買い込むか、電話で注文して宅配便託送手荷物で運び込まれる。江島では、船の入港30分前になると、毎回、島の防災無線で荷物の受取人と口数が放送される。

ガソリンスタンド - なし。灯油ドラム缶単位で島内に運び込まれており、民家の軒先には、灯油の入ったドラム缶が転がっている光景が見られる。なお、島内を走っている車は、ほぼすべてが軽自動車軽トラックである。

金融機関 - なし

漁協 - 宮城県漁業協同組合女川町支所江島支部事務所がある。

民宿 - なし(ネット上の地図には記載があるが営業してない)

医療機関 - 江ノ島へき地診療所がある。急患は、自然活動センター運動場から宮城県防災航空隊ヘリ、もしくは高速船や漁船で搬送。[8]

放送 - 全島で良好に視聴できる。アンテナは、女川テレビ中継局に向いている家庭が多いが、仙台親局(大年寺山)も良好に受信できる。ラジオ放送は、宮城局のみならず、岩手県大船渡中継局大船渡ラジオ中継局など隣県の電波も良好に入り、AM放送では関東広域局も日中に聴取できる。

電気電話 - 完備している。電気は本土から送電されており、島の最西端で送電線が海中に没している様子が見える。電話は、NTT東日本江島無線中継所まで無線伝送され、そこから島内に電話線が延びている。

携帯電話 - 島内に基地局はなく、パンフレット上はエリア外になっているが、携帯電話会社によっては海上伝播エリアになっており、NTTドコモFOMAプラスエリア対応機種では、実際には島内のほとんどの場所で高品質で通話できる。

水道 - 島内に水源はないため、本土から海底送水している。かつては島内に井戸が一箇所しかなく、しかも湧出量が少なかったため、慢性的な水不足であった。

し尿ごみ - 全て本土に搬出。公衆便所は、江島港に1か所あるのみである。島内のいたるところにごみの小型焼却炉がある。

主な施設、名所

東京大学地震研究所江の島津波観測所 - 外洋での津波観測を行うための施設として、1941年(昭和16年)から観測を開始。1966年(昭和41年)に恒久的な観測施設を設置。江島の気象観測を行うアメダスはここに設置されている。

女川町江島自然活動センター - 廃校になった女川第5小学校及び女川第3中学校を利用した女川町立自然学習施設で、校舎跡(事務所及び宿泊施設)、体育館、グラウンド、キャンプ場がある。釣り体験、魚網曳き体験ができる。

久須師神社 - 前述の日詰五郎を奉った神社。宮城県指定無形民俗文化財の江島法印神楽が伝承されている。


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