江原正士
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出演メンバーの想いや演技的熱量がさらにドラマをあぶり出して、感動しました」と感想を述べた[12]。『ハドソン川の奇跡』では、公開時に作られた映像ソフト用の吹替版ではハンクスを立川三貴が演じたが、「トム・ハンクスである以上は、どうしてもいつもの江原さんの声でも聞いてみたい」とのファンの声に応えてザ・シネマでは江原がハンクスを吹替た新録版が製作されることとなり、公開当時話が来ずに諦めていた江原自身も本作のオファーを受けて喜びを感じたという[50][51][52]。2020年4月27日に放送されたTBSの『グッとラック!』では「コロナ」という名前を理由に「コロナウイルス」と呼ばれていじめられたとハンクス宛に手紙を送ってきた少年に、手紙の返事とともにスミス・コロナ社製のタイプライターをハンクスが贈ったというニュースが報じられた際には、江原がハンクスに扮しながら手紙の返事の内容を朗読する一幕もあった。
ロビン・ウィリアムズ
ロビン・ウィリアムズに関しては、彼はストレスの強いしゃべり方をするため、そのアクセントを日本語に合わせるため仕込みに相当時間をかけると語った[27]。そして日本人にはわかりにくい、人物のモノマネやギャグをよく披露するウィリアムズに対して、彼自身によるモノマネもあまり似ておらず、彼に似せようと思うのではなく彼がやろうとしているキャラクターをつかむようにして演じているという[9][27]。ウィリアムズを初めて吹き替えた『グッドモーニング, ベトナム』で「アメリカ側の勝手な正義感」をアドリブにより表現し、制作局から賞が贈られた[9]。『ミセス・ダウト』のフジテレビ版では、普通なら原語を流用するオリジナルのスクリプトにも記載されていなかった冒頭の早口気味なイタリア語の歌も、翻訳を担当した松崎広幸[注 4]が昔から江原と親しく[40]、松崎が「速く喋れる江原さんだから歌ってもらおう」と耳から起こす形で歌詞を採って、吹き替えで歌うことになった[9][40]。その歌を吹き替える際に、ウィリアムズは独特のタメが入るため、尺どおりに歌うとうまく合わないといい、ウィリアムズのタメをつかむために、電車に乗っているときにも歌を聴いたりするなど、歌を合わせるのに苦労したと語った[9][27]。『アンドリューNDR114』では、ウィリアムズが演じるロボットのアンドリューを、吹き替えでロボットであることをどのように表現するかが大きなポイントで[32]、その役作りとして最初はぎこちない話し方で喋り、アンドリューがバージョンアップしてだんだんと人間味を帯びてきたとき、人間的な表現で自然な台詞になるようにしたと語った[32]。2023年には作品名は不明であるものの、ウィリアムズの旧作を一つ、新たに録音したと話している[22]
ウェズリー・スナイプス
ウェズリー・スナイプスについては、『デモリションマン』のサイモン・フェニックス役で初担当。よく喋るが首や目の動きにアクセントがあり、それに合わせるように喋るとうまく合うと語った[9]。2021年のインタビューでは「目がクリックリッっと動いてセリフと連動するところがあるので、その動きをセリフにも入れるにはどうしようかって、一時期悩んだときもありましたね」と苦労したことを明かしており、その辺の事情を考慮したことで同作では多量のアドリブを入れたと述懐し、「格闘技をやっていた彼の不思議な縦割りのような?キレが、うまくセリフに持ち込めたらいいなと思いながらやっているところはあります」と吹き替える上でのポイントについて述べた[54]。2000年代以降を境に大塚明夫菅原正志など他の声優の担当が増えたことで長らく江原はスナイプスを担当する機会は少なくなっていたものの[55]、2015年の『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』では、ささきいさおシルヴェスター・スタローンをはじめスターたちの吹き替えがファンに馴染み深いフィックス(専属)声優陣でキャスティングされた中で、江原もスナイプスの声を約10年ぶりに担当した[56][57]。ささきとは『デモリションマン』(テレビ朝日版)以来18年ぶりのスタローン(ささき)、スナイプス(江原)役での再共演となった。江原自身も「本作では、久しぶりのウェズリー・スナイプスだったので、合わせるのに苦労しました」と語り、それ以上に(苦労より)「男ばかり集まってやる仕事も楽しいので、まさに“男祭り”に参加できてよかったことの方が印象に残っています」と話し、本作の参加への喜びを語った[58]。本作への登板以降、再び起用される機会が増え、『ルディ・レイ・ムーア』と『星の王子 ニューヨークへ行く2』でもスナイプスを担当し、両作品では山寺宏一のエディ・マーフィと共演した。『星の王子2』のスナイプス演ずるイジー将軍については、“かっとび系”の役であると感じ、ファンの中では「スナイプスと言えば江原」というイメージがある中で、同作で特別に意識したことについて問われた際には「掛け合いという意味でもほんとは山寺さんと一緒に演じたかったですね」と合同ではなく個別の収録となったことを惜しみつつ、今作のイジー将軍役については先述の『デモリションマン』のサイモン・フェニックスに近いキャラクターであると感じ、同作で吹き替えた当時を思い出して演じたことから、役作りが難しいという意識は無かったという。また、スナイプスはコメディ調の演技も得意としていると述べており、「(スナイプスの)イメージに近いキャラで、それにコメディ映画ですから、彼の演技にも遊びがある。そうした面白さを生かしつつ、イジー将軍は物語の敵役として登場するので、後半シーンでのアキーム王子(エディ・マーフィ)との親密感を対立しながらもしっかりとうまく表現できたらいいなと、出していくことを意識しましたね」と分析しながら演じたという。また同作のインタビューでは初期の作品から長く演じているスナイプスについて「『エクスペンダブルズ3』の時はちょっと、アクションシーンで彼の存在感が薄いなと感じたんですね。また、『ルディ・レイ・ムーア』でも映画監督役ということで少しおとなしくて。それが今回は将軍役でしたし、彼がかつてアクションをバンバンやっていたころの切れ味を思い出させてくれましたね。しかも、コメディ要素も同時に表現していて。彼のリラックスした遊び心というものがちょっとのぞけたような気がしました」と述べた[55][54]
ビル・マーレイ
ビル・マーレイは、台詞が言いっ放しでオフビートのように演技のテンポがバラバラなためあわせるのが難しく、コツを掴むまで時間がかかったという。マーレイのキャラクターとしてはアメリカ版寅さんだと感じ、吹き替える際は、日本語版制作スタッフから要求がある場合を除き、いつもの演技のときは寅さん風「おとぼけオジさん」のニュアンスで演じていると語った[12][59][60]
エディ・マーフィ
エディ・マーフィ(かつては山寺宏一・下條アトムに次いで多く担当していた)は台詞を言うテンポがあるため演じやすく、イメージでいうとダフィー・ダックのような感じであると語り、前述のロビン・ウィリアムズはその中間であるとも述べた[9]。『ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合』の日本版パンフレットでは先述の下條、山寺と並んで江原もマーフィ声優として紹介されている。
ウィル・スミス
ウィル・スミスは、『メン・イン・ブラック』で初めて吹き替えを担当することになり、ラッパー出身で当時俳優としては新人だったため日本ではあまり知られていなかったウィルの「独特なノリとキレのいい若々しいキャラクター」に魅力を感じたという[28]。そこで、映画の設定の新人エージェントである点を意識して「人のいいノリのいい若者」という役作りを行い、表情豊かなウィルの台詞あわせについてかなり努力したと語った[28]。他作品と比べて、同作のウィルについては「控えめで、いまひとつ乗り切れていない」印象を受けたといい、相手役のトミー・リー・ジョーンズとのバランスも考慮しつつ小はしゃぎといった具合にブーストをかけ、同時に「若い頃のエディ・マーフィ」をイメージした演技を行なっていたとも明かした。また、本作は色々なアドリブは出来たものの、これまでのキャリアの中でも異色の現場だったとも話し、別室でアメリカのスタッフと翻訳家が直前まで原語と吹き替え版の台詞の比較検討と推敲をする非常に珍しい状況であったという[61]
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