江原正士
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その後青年座を退団し、1981年から劇団員が吹き替え声優として活躍することが多い劇団昴[24]に所属し[21][19]、昴の公演や商業演劇などの舞台俳優として活動する傍ら[19][25]、俳優として大河ドラマ2時間ドラマなどに出演したり、映画の吹き替えなど声優としても本格的に活動を始める[19][26]。次第に吹き替えの仕事が増え、収録で朝から晩までスタジオに入ることが多くなるなど[12]、声優の仕事の比重が大きくなったため舞台への出演が減少した[19]。1990年に昴を退団し81プロデュース[4]に所属してからは主に声優として活動し[27][注 2]、2017年1月に退所。フジテレビで月曜深夜に放送されていた『二か国語』には顔出しで出演し、毎回1本の海外映画を紹介した後その中の台詞を取り上げ、番組独自の翻訳で解説進行するキャスターを1994年から2002年まで8年間務めた[25]
現在まで

2015年12月に千葉県柏市で行われた数学者 秋山仁と女優 由美かおるのライブ[29]をプロデュース[30]するなど声優とは違った一面も見せている。

2017年5月1日付で、青二プロダクションの所属となった[31]
特色

音域ハイバリトン[7]

役を作り込みシリアスな役からコミカルな役、陽気な役柄から冷酷非道な悪役まで、役柄を問わない多彩な演技力を持つ[32][33][34]。洋画吹き替え、アニメーションなど媒体を問わず幅広く出演する。

数多くの洋画の吹き替え作品に出演しており、専属(フィックス)のトム・ハンクスをはじめ[21][35][36]ロビン・ウィリアムズビル・マーレイウェズリー・スナイプスウィル・スミスヴィンス・ヴォーンブルース・キャンベルなどを担当している[28][37]。過去にはアンディ・ガルシア[38]エディ・マーフィアレック・ボールドウィンニコラス・ケイジビル・パクストンカート・ラッセルなどの吹き替えも担当していた[27][33][39]

一般的な話しのスピードより速く喋ることもできるため[9][40]、普段のスピードを仮定して翻訳されている台本では台詞が足りなくなることが多く[9][40]、そのときは台詞を現場で足してもらったり自分で足したりするという[9]。アドリブも得意であり、数々の作品で披露している[27][41][42][43]。演じる声の高さは仕込みと呼ばれる演じる準備の段階で決め、その後は場面ごとに変えることはないといい[9]、その理由を「声の高さにこだわりすぎ、伝えたいニュアンスが飛んでしまうことを避けるため」であると語った[9]。他に『ターミネーター2』のT-1000など全編を通して台詞が少ない役を担当するときでも、その場の空気を感じるため、朝から晩までスタジオにいて緊張感を保つといい[27]、静かな役の場合は、はじめは静かにしてだんだんと声量を上げていくとも述べた[27]
吹き替えに関して

吹き替えを演じる際は、演じる前に役者の事を十分にリサーチした上で演技を行う[44]。役の入り込み方として、台本が届いてから何度も読み返していくとだんだん演じている俳優になりきっていくことができ、さらにそこからその俳優が演じようとしているキャラクターになることができると語った[9][28]。本番に向けての練習方法として、台本を各シーンごとに集中的に見て、画面を見ながら台詞を言えるようにしているという[27]。また、吹き替えるときはただ俳優の口の動きとリズムを合わせるリップシンクだけ重視するのではなく「ドラマ性も失わないようにすること」、「ドラマを再度作る」意気込みが大切だと語っている[21][15]

収録では、ライブ収録という複数の声優が掛け合いで演じることが好きだという[21][28]。ライブ収録時の感覚がジャズグルーヴ感に近く[45]、自分と映像と相手が三位一体となって呼吸し、それが合った瞬間にグルーヴが生まれるとも語り、演じているその相手に感動するという[21]。1人で収録することが多くなった現在でもライブ収録を意識し、何回も収録することがあるという[21]。吹き替え製作は1本の作品を創作することに等しいかという質問がされたときは、芝居のリアリティを掘り起こすという意味では完全な創作であると語った[27]。さらに、吹き替えはスタッフとキャストのチームとして製作するもので[9][12][27][46]、自分たちは「最初のデータ作り」を担い、その後ミキサーなどスタッフの手によって作品となる相互作業で成り立つと話している[12]。そして、「データがしっかりしていれば、どうにでも料理できる」とした上で、自身のポリシーとして「最初のデータ作りをちゃんとやる」ことを挙げて[12]、キャストだけではなく製作スタッフからも意見を聞いたほうがいいとも述べている[9]

フジテレビで放送されていた『ゴールデン洋画劇場』では様々な役の吹き替えを担当していたが、二枚目の役はもっと若いころにやりたかったと語っている[27]。中でも『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のトム・クルーズを担当することになったときは、普段担当することがないタイプであるため焦ったといい[27]、この役について本人は「(ヴァンパイアという)お化け」として割り切っているという[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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