氷見線
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^ 金沢総合車両所
富山支所高岡運転派出


高岡駅を出ると北東方向に向けてカーブをして住宅街の合間を抜ける。この付近の西側には、前田利長によって築かれた高岡城の城跡を公園として整備し、日本さくら名所100選にも選ばれた高岡古城公園があり[10]越中中川駅が最寄り駅の一つになっている[11]。駅周辺にはこのほかにも、高岡市役所高岡市美術館富山県高岡文化ホールなど高岡市の主要施設が集まるエリアであるとともに、高等学校も集中している。

越中中川駅を発車して右手にある富山県立高岡高等学校を過ぎると直線が続き、国道8号富山高岡バイパス)の高架橋をくぐって住宅街の中を進み、能町駅に到着する。能町駅はかつての貨物輸送の拠点駅となっており、日本曹達日本ゼオン専用鉄道が能町駅手前の左手後方から、中越パルプ工業の専用鉄道が駅の右手前方へ分岐していたが、現在はJR貨物の新湊線が駅の右手前方へ分岐しているのみになっている

能町駅の先で万葉線高岡軌道線と交差して中越パルプ工業の脇を進むと小矢部川を渡って工業地帯に入り、東亞合成高岡工場と、日本総合リサイクル(以前は日本車両リサイクルという社名だった。旧日本製紙伏木工場)を右手に見ながら進む。この先、直進方向には貨物ヤードが設けられているが、氷見線は貨物ヤードの方向から左へ分かれ、カーブを進んだところに伏木駅がある。

伏木駅周辺は、大伴家持国司として赴任したこともある越中国国府が置かれ[12]、氷見線はその古い町並みの中を進む。越中国分駅を発車すると雨晴トンネルを抜けて富山湾に沿って走行し始める。男岩女岩を見ながら、源義経武蔵坊弁慶奥州に下った際に雨宿りをしたといわれている義経岩のそばを通過し[13]、富山湾越しに立山連峰を眺めることができる氷見線では最高の絶景の区間を走行する。雨晴駅 - 島尾駅間の右手には雨晴海岸と呼ばれる海岸があり、海水浴場や海浜公園となっている。田園地帯を進み、中村川を渡ったのちにやがて終点の氷見駅に到着する。
運行形態
旅客列車

定期列車は普通列車のみで、ほぼ1時間間隔で運転されている。途中駅で折り返す区間運転および、後述の観光列車以外は他線との直通運転は実施されていない。かつては月に一度、水曜日に昼間時間帯の列車が運休となる月もあったが、現在は行われていない。原則としてワンマン運転が実施されているが、長編成となる場合はこの限りではない。氷見駅での車両の夜間停泊は行われておらず、朝に下り1本、夜に上り1本の回送列車が設定されている。

2015年10月10日より観光列車として、臨時快速「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称:べるもんた)が運行されている[14]。当初は、城端線新高岡駅・高岡駅 - 氷見駅間で毎週土曜日に運行[15]していたが、2017年3月4日以降は毎週日曜日の運行となっている[16]

高岡市では各種団体などからの提案を受けて、城端線と氷見線の直通化を検証したことがあり[17]、臨時列車のみながらこの観光列車で実現した。城端線とは線路は繋がっているものの直通するためには高岡駅構内であいの風とやま鉄道の線路を利用した複雑なスイッチバックが必要となる。「ベル・モンターニュ・エ・メール」(2016年5月29日)
貨物列車

貨物列車は当線の高岡駅 - 能町駅を経由して新湊線直通で運行されている。2019年3月改正時点では、新湊線高岡貨物駅発鹿児島本線福岡貨物ターミナル駅行き、あいの風とやま鉄道線富山貨物駅発新湊線高岡貨物駅行きの高速貨物列車1日1往復である[18]

日本製紙の工場閉鎖前は高岡駅 - 伏木駅間にも貨物列車があった。伏木駅貨物線は現在も残されているが休止状態にある。2012年、二度にわたりワム80000が伏木駅貨物線に運ばれたが、これは一度高岡貨物駅に専用貨物扱いで輸送し、トラックで1両ずつ移設されたものである。
使用車両

旅客列車は、金沢総合車両所富山支所[注釈 1][注釈 2]所属のキハ40形・キハ47形気動車で運転されている[19]。原則としてキハ40形の単行(1両編成)で運転されるが、ラッシュ時やイベント時には2 - 4両編成で運転される。

客用ドアの開閉は年間を通じて押しボタンによる半自動ドア扱いとなっている。

また、貨物列車については、JR貨物愛知機関区DD200形ディーゼル機関車で運転されている。この車両は2020年3月のダイヤ改正以降、高山本線の貨物列車と共通運用で、富山貨物ターミナルと高岡貨物駅の間の全区間で牽引を担当する。
忍者ハットリくん列車

2004年3月27日より氷見線と城端線でキハ40形気動車3両に氷見市出身の漫画家藤子不二雄Ⓐの漫画『忍者ハットリくん』のキャラクターが描かれたラッピングを施した「忍者ハットリくん列車」が運行されている[20]

2008年4月1日からは主人公のハットリくんの声で沿線の案内放送が行われている[21]。ハットリくん音声放送は当初運用列車で終日行われていたが、現在は土休日の日中のみ流されている[22][要検証ノート]。城端線で運用される場合はハットリくんの音声放送はない。

2011年に「忍者ハットリくん列車」のラッピングがリニューアルされ、2011年5月13日に高岡駅氷見線ホームにて「忍者ハットリくん列車」リニューアル出発式が開催された[23][24]

2021年4月11日から、前のラッピング車両の契約終了を迎えるにあたって外観をリニューアルした「忍者ハットリくん列車」が運転されている[25]

「忍者ハットリくん列車」(2014年2月10日)

ラッピング列車「NANTO君列車」(2014年2月10日)

2012年よりキハ47形気道車4両に氷見・城端線の沿線4市のラッピング列車を施した列車を運転している。高岡編成「あみたん列車」、砺波編成「チューリップ列車」、南砺編成「NANTO君列車」、氷見編成「キット君列車」という名称で、沿線地区に関係なく氷見・城端線と朝夕の城端線富山直通列車で共通運用されている[26]
歴史

中越鉄道により高岡駅 - 城端駅間に続いて開業した。国有化後は伏木駅 - 城端駅間が中越線を名乗ったが、のちに高岡駅 - 氷見駅間が氷見線となった。氷見駅から先は改正鉄道敷設法別表第66号により能登半島を横断して石川県羽咋駅までの延伸が計画されていたが実現しないまま、いわゆる『盲腸線』となった。

1900年明治33年)12月29日:中越鉄道 伏木駅 - 高岡駅間(4M45C≒7.34km)が延伸開業。伏木駅・能町駅が開業。

1912年(明治45年)4月4日:島尾駅 - 伏木駅間(3.9M≒6.28km)が延伸開業。島尾駅・雨晴駅が開業。

1912年(大正元年)9月19日:氷見駅 - 島尾駅間(1.9M≒3.06km)が延伸開業、氷見駅 - 高岡駅 - 城端駅間が全通。


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