水素自動車
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BMWハイドロジェン7(英語版)

BMWは7シリーズをベースとして、水素とガソリンの双方を燃料に使用できるV型12気筒レシプロエンジンを搭載した750hLを開発した。燃料として液体水素を使用したときの走行距離は約350kmである。

BMW H2RBMW760iのガソリンエンジンを原型としたバルブトロニックとDouble-VANOS(英語版)技術を取り入れた排気量6.0リットルのV型12気筒エンジンを搭載している。この水素動力の高性能エンジンの出力は232馬力 (173 kW)で187.62 mph (301.95 km/h)以上に到達する。[6]

ハイドロジェン7(英語版)は上述の2車の成果を取り入れて開発された。
フォード

2001年、試験車両を発表した。
マツダRX-8水素ロータリー車(2004年5月3日)

他社の水素自動車がレシプロエンジンであるのに対し、マツダロータリーエンジンを採用している。

2003年、東京モーターショーにおいて、マツダはRX-8を改良し、水素ロータリーエンジンを搭載したモデルを出品した。水素のみによる走行距離は約150km。

2004年11月、試験車両がナンバーを取得。公道上での試験走行が可能となった。燃料は水素ガスとガソリンの2種類を切り換えて使用可能となっている。両燃料を合わせて約630kmまで走行距離を伸ばしている。

2009年、プレマシーをベースに水素ロータリーエンジンで発電して電動機で走行するシリーズ式ハイブリッド車、プレマシーハイドロジェンREハイブリッドを発表。水素での航続距離は200kmで、ガソリンと切り替えて走行可能。
水素エネルギー開発研究所

2006年7月28日、国土交通省大臣認定を受け公道上での試験走行を開始した。試験車両は日産の市販車を改造したものである。このエンジンの特徴は、水素を直接燃焼させ、燃焼熱で水を蒸気にし(水蒸気爆発を起こさせ)運動エネルギーにするという点である。走行距離は約150km、最高時速は180kmである。
フレイン・エナジー

2008年2月、ガソリンと水素を混焼させる有機ハイドライド水素自動車を発表した。「有機ハイドライド水素」とは水素を結合した有機化合物で、常温・常圧でも保存できる特徴がある。
Ronn Motor

2008年11月4日、米テキサス州のRonn Motor社は「H2GO」というリアルタイム水素供給システムを搭載した車両を発表した。水を電気分解して気体の水素を取り出し、ガソリンと混燃させることで燃費が向上し、エンジンからの排出物が減少するとしている。水素供給の為の貯蔵タンクなど特別なインフラを必要としない。Scorpionというスポーツカータイプで少量販売を行った[7]
トヨタカローラクロスH2コンセプトGRカローラH2コンセプト

2021年にスーパー耐久に参戦するORC ROOKIE Racingは、カローラスポーツをベースに水素自動車に改修したレーシングカーの「カローラH2コンセプト」を第3戦富士24時間レースに投入し、豊田章男社長(モリゾウ)も含めたドライバーたちで完走を果たした[8]。エンジンはGRヤリスのG16E-GTSをベースとしており[9]、「G16-GTS Hydrogen」と命名されている。このマシンはスーパー耐久に通年で参戦し、ラップタイム向上や補給時間短縮などの改良を重ねている。

2022年にはカローラH2コンセプトのエンジンをカローラクロスに移植した「カローラクロスH2コンセプト」が、トヨタがハイブリッド車両で10年に渡り参戦を続けているWEC(世界耐久選手権ル・マン24時間レースを包括する)の富士ラウンドにて公開され、WEC運営の幹部たちが体験試乗を行った[10]。また同じくトヨタが参戦するWRC(世界ラリー選手権)のベルギー戦イープル・ラリーでは、往年の王者ユハ・カンクネンとモリゾウによって水素エンジン仕様のGRヤリスのデモ走行が行われた。
課題

この節は言葉を濁した曖昧な記述になっています。Wikipedia:言葉を濁さないおよびWikipedia:避けたい言葉を参考に修正してください。(2020年5月)

水素ガスの取り扱いに関する安全性について、水素は燃焼時の爆発濃度域(燃焼範囲/爆発限界)が非常に広く、ガソリンの燃焼範囲が1.4?7.6vol%であるのに対し、水素は4.1?71.5vol%であることから、引火の危険性は非常に高い。しかし、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}ガスタンクに亀裂が入った瞬間、水素は非常に軽い気体という特性から急速に大気中に放出・拡散され、一部は大気中の酸素とすぐに結合して水になるため、ガソリンの危険性と大差が無いのではないかという説もある[要出典]。

また水素の物性として分子が極小のため、シリンダーブロックなどを構成する金属中に拡散・浸透し、脆くしてしまう現象(水素脆化)、および、温度変化、衝撃、衝突時の車体変形などにも考慮した水素の車両への搭載方法に関する問題が挙げられる。また、水素レシプロエンジンでは、水素の燃焼速度が高いため吸気-圧縮過程で混合気が高温の点火プラグや排気バルブに接触した際に爆発が起こりやすく、ノッキングバックファイアーなどが起こりやすい(ロータリーエンジンは構造上、バックファイアーが起こりにくい)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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