水泳
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2018年まではシンクロナイズドスイミング(略称:シンクロ)と呼ばれていた[36]。音楽なしで基礎技術のみを行うフィギュア(通常はテレビ放送されることはない)、音楽に合わせて規定の技術を盛り込んで短時間で演技するテクニカルルーティン、それより長時間で音楽に合わせて技術と芸術性を競うフリールーティンがある。競技会はこの3種目の組合せで行われるが、オリンピックや日本選手権はテクニカルルーティンとフリールーティンで行われる。8?10名の競技者がルーティンを組み合わせて構成するフリーコンビネーションやハイライトルーティンが行われる競技会もある。女子のスポーツとされていたが、国内では2001年公開の映画『ウォーターボーイズ』のヒットにより「男のシンクロ」も知られるようになった。国際的には男子1名・女子1名のミックスデュエット種目のテクニカルルーティン、フリールーティンが行われている。アーティスティックスイミング
オープンウォータースイミング
海・川・湖など自然環境で行われる競泳である。日本泳法の訓練あるいは行事として行われる「遠泳」と似ているように思われるが、遠泳が団体での協調性や泳ぎ切るための精神的側面を重視するのに対し、OWSはいかに早くゴールするかという競技であり、まったく異なる。泳法に制限がないのでクロール泳法が主体だが、泳ぐ方向や風向・潮流の方向などを判断しながらの競技であるため、その局面に合わせた技術が必要である。天候や潮汐など外部からのさまざまな影響を受けやすいため、危機管理も含めて自然の中で泳ぐための知識や経験も必要とされるのは遠泳とも共通する。世界オープンウォータースイミング選手権では、男女ともに5km、10km、25kmで競技が行われている。1.25km×4名のリレー競技が行われることもある。また、10kmの競技を特にマラソンスイミングと称しオリンピック種目になっている[37]。また、オープンウォータースイミングを含むスポーツとして、トライアスロンがある。
ハイダイビング
人工環境(プール)で行われる競泳に対して、自然環境で行われるオープンウォータースイミングがあるように、飛込プールで行われる飛込に対して、自然環境からの飛び込みを競技化したものがハイダイビングである。競技会では港湾など十分な水深が確保できる場所に、男子27m、女子20mの飛び込み台を設置して行われ、個人種目が行われる。足からの入水に限定されており、安全のため着水点の周囲にダイバーが配置されている。
日本泳法
日本泳法は、主に江戸時代に日本各地で武術として発祥・伝承された技術である。自己鍛錬、自己訓練として行われ遠泳、寒中水泳等の行事を伝統とする団体も多い。他方、競技としても行われる。競技会では、泳法技術の完成度を競う採点競技である泳法競技、おもりを持って立ち泳ぎをして耐久時間を競う支重競技、横泳ぎによる競泳が行われる。毎年開かれる日本泳法大会は、日本水泳連盟公認13流派が集う全国大会である[2]
水泳選手
詳細は「Category:水泳選手」および「Category:競泳選手」を参照
衣類・道具類

水泳を行う際、通常は水着を着用する[38]インナーウェア下着)として水着インナーを着用する場合もある。プールを使う水泳の場合、学校であれ公営プールであれ、水質悪化を防いだり感染症を防ぐためにスイムキャップゴーグルの着用が義務付けられていることも多い。水着は19世紀頃の通常の衣服とそれほどの違いのないものから、体に密着して動きやすく、肌の露出が多い方向へと変化してきた。通常の水着のほか、水中での体温低下を抑えるウェットスーツや、イスラム教の戒律の関係で肌の露出を極力抑えた水着であるブルキニなどさまざまな特殊用途の水着が開発され、水泳で使用されている[39]。これに対し水難事故防止の目的で訓練される着衣泳においては、落水時を想定してあえて普段の服を着て泳ぐ[40]

初心者が水泳技術を習得したり、トレーニングのために使用する用具として、抵抗を増し推進力をつけるためのパドルフィン、浮力を得るためのビート板プルブイなどが使われることもある。

競泳では通常、水着を着用しスイムキャップゴーグルも使用する。タイムを競う競技では水着の抵抗が影響し、素材・裁断・縫製などでタイムが変わるので、スポーツ用品メーカー各社が激しい開発競争を行ってきた。2008年の北京オリンピックの競泳ではSPEEDO社の開発したレーザー・レーサーという競泳用水着が大会を席巻し、世界新記録が相次いで樹立されたものの、特殊な水着を入手できる一部の競技者だけが有利になってしまったことから2009年に規定が大幅に改訂され、素材・形状などに関して細かいルールが設定された[41]。アーティスティックスイミングのルーティン競技ではある演目のためだけに特注デザインの水着を用意することもある。水球では、相手選手に引っ張られたりしにくい特殊な生地の水着を着用する。競技によってはインナーウェアの着用が禁止されている場合がある。

スイムキャップ。眼につけているのはゴーグル

水泳用の水着、男性用の例。

水泳用の水着、女性用の例。

ブルキニイスラームの女性用の水着。

ビート板

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 逆に、発展途上国の多くではプールを建造する経済的な余裕が無く、競技の環境が整わず、競技の水泳を行う人数は増えにくい。

出典^ 広辞苑【水泳】
^ a b https://www.gov-online.go.jp/eng/publicity/book/hlj/html/202108/202108_05_jp.html 「日本の伝統的な泳法」Public Relations Office of the Government of Japan 2021年8月 2022年3月22日閲覧
^ 「健康・スポーツ科学における運動処方としての水泳・水中運動」p69-76 出村愼一編著 杏林書院 2016年9月20日第1版第1刷
^水泳の水分補給「熱中症、熱射病、日射病のHP」
^ a b 「スポーツの世界地図」p82 Alan Tomlinson著 阿部生雄・寺島善一・森川貞夫監訳 丸善出版 平成24年5月30日
^ 「健康・スポーツ科学における運動処方としての水泳・水中運動」p20 出村愼一編著 杏林書院 2016年9月20日第1版第1刷
^ a b水泳の歴史[リンク切れ]
^ 「なぜ人間は泳ぐのか? 水泳を巡る歴史、現在、未来」p45-47 リン・シェール 高月園子訳 太田出版 2013年4月30日第1版第1刷発行
^ a b 「泳ぐことの科学」p49 吉村豊・小菅達男 NHKブックス 2008年1月30日第1刷発行
^ 「なぜ人間は泳ぐのか? 水泳を巡る歴史、現在、未来」p47-48 リン・シェール 高月園子訳 太田出版 2013年4月30日第1版第1刷発行
^ https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/honpen/b1_s00_01.html 「スポーツにおける女性の活躍」男女共同参画白書 平成30年版 日本国内閣府男女共同参画局 2022年3月29日閲覧
^ MD, Claire McCarthy (2018年6月15日). “Swimming lessons save lives: What parents should know” (英語). Harvard Health. 2022年6月10日閲覧。
^ a b 水上安全法
^ 「健康・スポーツ科学における運動処方としての水泳・水中運動」p185 出村愼一編著 杏林書院 2016年9月20日第1版第1刷
^ 三 学校体育施設の充実 学制百二十年史編集委員会、2022年1月23日閲覧
^ 水泳
^ 「健康・スポーツ科学における運動処方としての水泳・水中運動」p21-22 出村愼一編著 杏林書院 2016年9月20日第1版第1刷
^ 「健康・スポーツ科学における運動処方としての水泳・水中運動」p23-28 出村愼一編著 杏林書院 2016年9月20日第1版第1刷
^参考資料@ (17645kbyte) - 富山市
^ 平成 26 年度 七ヶ浜中学校プール改築工事基本設計及び実施設計業務委託 実施設計仕様書
^初の学校プール完成 。大磯・二宮・中井 。タウンニュース
^ 体育・スポーツ施設現況調査の概要 文部科学省
^多摩区で水泳の授業に温水プール利用、天候に左右されず水道代削減も/川崎 神奈川新聞
^ "Drowning Happens Quickly? Learn How to Reduce Your Risk". 疾病予防管理センター。 2014年8月18日閲覧。


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