内径は、主気管支で約10mm、葉気管支・区域気管支で約7?6mm、亜区域気管支で約6?2mmである。 細気管支 (Bronchiole 呼吸細気管支 (Respiratory bronchiole
細気管支
呼吸細気管支
分子解剖葉気管支の横断像。硝子軟骨はC字型ではなくなっているが、依然として両側で構造を維持している。終末細気管支の横断像。硝子軟骨は消失し、上皮も立方上皮となっている。
下気道は、内腔より順に、呼吸粘膜上皮、基底板、粘膜固有層、軟骨、そして脂肪組織による外膜によって構成される。 肺と同様に咽頭の腹壁が陥入して盲管を成したものが起源であるため、呼吸粘膜上皮は、消化管と同様に内胚葉性のものである。 呼吸粘膜上皮は、気管・気管支・細気管支においては偽重層円柱線毛上皮と呼ばれる組織像を示すが、末梢に行くに従って、細胞の高さが低くなっていき、終末細気管支のレベルでは単純な線毛立方上皮となる。さらに呼吸細気管支においては線毛も消失し、扁平なI型肺胞上皮細胞に置き換わる。 偽重層円柱線毛上皮は、下記の4種の細胞が基底板上に配置されることで構成される。 弾性線維に富み、また、断続的に輪走する平滑筋束も見られる。この平滑筋束には、交感神経系のβ2受容体、副交感神経系のムスカリン受容体があり、β2受容体は筋弛緩、ムスカリン受容体は筋収縮作用を持つ。このため、気管支拡張薬として交感神経β2受容体作動薬が使用される。 気管・気管支レベルにおいては、気管支腺も散在する。気管支腺は、組織学的には漿粘液腺の構造を示し、感染やアレルギー反応において湿潤環境を創出する役割がある。 上述のように、気管においては、C字型の硝子軟骨である気管軟骨輪(Tracheal ring 細気管支より末梢においては軟骨片も消失するが、粘膜固有層の豊富な弾性線維によって、形状は維持される。
呼吸粘膜上皮
円柱線毛上皮細胞(Columnar ciliated cells)
細胞の頂部は管腔に達しており、この部分には線毛がある。線毛は、協調運動によって、粘液の連続した流れをつくり出し、気道内に侵入した異物を排除する役割がある。組織の30%を占める。
杯細胞(Goblet cells)
分泌顆粒を有し、エキソサイトーシスによって、内腔に粘液を分泌して、気道内を適切な湿度に保つ役割を有する。気管・気管支においては組織の30%を占めるが、細気管支以降においては見られなくなる。
クララ細胞(Clara cells)
単なる粘液分泌だけでなく、肺サーファクタントや、塩素イオンの代謝をになっている。杯細胞にかわって、細気管支以降において出現する。
基底細胞(Basal cells)
基底膜より発するが、管腔には達しない。組織の30%を占める。
粘膜固有層
軟骨および気管筋
脚注[脚注の使い方]^ a b 坂井建雄、河原克雅『カラー図解 人体の正常構造と機能 第3版』日本医事新報社、2017年、14頁
参考文献
内山安男『組織細胞生物学』南江堂、2006年、339-363頁頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-524-23676-7。
松村讓兒『イラスト解剖学(6版)』中外医学社、2009年。ISBN 978-4-498-00036-0。
本郷利憲, 廣重力, 豊田順一『標準生理学(第6版)』医学書院、2005年。ISBN 978-4-260-10137-0。
関連項目
上気道 - 喉頭よりも中枢の部分のこと。
表
話
編
歴
呼吸器系の正常構造・生理
気道系
気管
気管支
主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
細気管支
小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
生理学・生化学
肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
生化学
PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
血管系
(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
気管支循環系
(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)