SLDを追放されたカリシュは、「欧州プラス」に合流する意向を示した[15]。 党勢が低迷し続けてきたSLDは、「みんなの運動」(TR)を含めた幅広い左派勢力と共同を目指すか、SLDの旗を前面に出すか、方針が揺れ続けてきた。こうした方針のブレは2015年5月に行われた大統領選挙で表面化、TR出身のゲイの政治家や女性政治家を推す党外の声を抑えて、党首であるレシェク・ミレルの判断で知名度が低く政治経験が浅い30代の女性歴史家マグダレナ・オグレクを候補に擁立した。しかし、候補者としての見解や消極的な選挙運動の姿勢からSLDは支援を放棄、オグレクの得票は2.4%と前回選挙で元党首のナピエノ・ラルスキが得た13.7%を遥かに下回る物となった[16][17]。同年10月に行われた議会選挙では、TRやポーランド社会党(PPS、戦前に存在した同名の政党とは別個の政党)、労働連合、緑の党(Zieloni)と政党連合「統一左派」(ZL:Zjednoczona Lewica )を結成して選挙に臨んだが、7.55%の得票を得るにとどまり、政党連合が阻止条項である8%(ポーランド議会では政党連合が議席を得るには8%以上の得票が必要。政党単独では5%以上)を上回る事が出来ず、議席を獲得できなかった[18]。この結果、戦後初めて旧共産党系政党が議会から姿を消すことになった。 選挙の翌年2016年1月に行われた党首選挙でヴウォズィミエジュ・チャルザスティを新たな党首に選出した[19]。 2019年議会選挙ではラゼム党 北欧型の社会民主主義である。普通選挙による複数政党制という民主主義の枠組みで、市民の社会や経済における一定の平等化を志向する。ノーラン・チャートでは左上の社会主義にあたる。 過去はリベラルであったが、近年はカトリックの価値観を尊重した保守主義に穏健な形でシフトしている。しかしカトリックの価値観も社会的(特に民族的・文化的)にかなりリベラルでコスモポリタンな要素で構成されていることから、この政党の基本スタンスはやはりリベラルである。グジェゴシュ・ナピェラルスキ党首も自身がカトリックであり、その宗教的道徳観からは逸脱した政策は採用しない。 典型的な社会民主主義であり、市場原理を尊重しながらも、戦略的に重要な企業の国営化を含む一定の計画経済、所得再分配、社会福祉制度の強化を志向する。海外投資の誘致に際しては、価格ではなく質を最優先にすべき考えを示している[20]。 アメリカ合衆国と北大西洋条約機構(NATO)との関係を最重要視し、欧州連合(EU)や旧ソ連諸国とも協調外交を目指す。 セイム(下院)年月日得票数得票率議席備考
2015年大統領選挙と議会選挙での惨敗
2019年議会選挙
理念と政策
理念
社会政策
経済政策
外交
選挙における成績
国会議員選挙
1991年10月27日(詳細)1,344,82011.99%60 / 460
1993年9月19日(詳細)2,185,16920.41%171 / 460
1997年9月27日(詳細)3,551,22427.13%164 / 460
2001年9月23日(詳細)5,342,51941.04%216 / 460UPとの選挙連合(SLD-UP)
2005年9月25日(詳細)1,335,25711.31%55 / 460
2007年10月21日(詳細)2,122,98113.51%53 / 460SLDとUP、PD、SDPLの選挙連合「左翼と民主主義(LiD)」
2011年10月9日(詳細)1,184,3038.24%27 / 460
2015年10月25日(詳細
2019年10月13日(詳細
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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