民主党_(アメリカ)
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対する中道派の代表的人物としてはジョー・バイデン[101][102]カマラ・ハリス[102]ヒラリー・クリントン[103]ピート・ブティジェッジ[101]エイミー・クロブシャー[104]などがいる。また、元大統領のビル・クリントン[105]バラク・オバマ[106]アル・ゴア[107]元副大統領も中道派とされる。ナンシー・ペロシ下院議長も左派を警戒する立場である[100]

1991年にサンダースが6人で発足させた下院民主党左派議員の集まり「議会進歩派議連(英語版)」は2018年にオカシオ・コルテスら若手の当選により95人に増加し、今や同党下院の4割を占めており、その分中道派は細ってきている[102]。左派台頭の原因は冷戦時代の実感が薄い1980年代以降生まれの「ミレニアル世代」が、自由を抑圧する社会主義の負の側面への抵抗感より、格差の是正への期待を左派に寄せるようになったためだという指摘がある[108]

2016年アメリカ合衆国大統領選挙の民主党の敗因として、当時の候補であったヒラリー・クリントンが左派を軽視しすぎたせいで左派の票が得られなかったという分析があったため、2020年アメリカ合衆国大統領選挙での民主党の大統領候補であるバイデンは、政策をかなり左派に寄せた[102][109]。左派も前回の反省から2020年アメリカ合衆国大統領選挙では全面的にバイデン支援に回った[110]。しかしそのために大統領選挙ではドナルド・トランプから「バイデンは極左に乗っ取られた操り人形」[102]、「社会主義者の『トロイの木馬』」[111] と執拗に攻撃された。共和党の戦略アドバイザーのホイット・エドワーズは「バイデンが左派の政治家になれば、国民全体の過半数をまとめることができるはずの自身の能力を損なうだろう」と分析する[102]

2020年アメリカ合衆国大統領選挙にてバイデンの当選確実が出た後、左派はバイデンに閣僚ポストなどを見返りとして要求していると伝えられるが[110]、閣僚ポスト配分は現在のところ中道派を中心に行われており、左派たちは蚊帳の外に置かれて不満を抱いていると報道されている[112]。また2020年連邦議会選挙の民主党の党勢が振るわなかったことについて、左派と中道派の間で責任の押し付け合いが発生していると伝えられる。大統領選挙戦中は「打倒トランプ」を優先して対立を避けた両派だったが、バイデン当選後は封印してきた対立に再燃の兆しがあると報じられている[100]
党の外交問題に対する立場

民主党は外交については一般に国際機関やグローバル・アジェンダを重んじた国際協調主義の立場を取るとされており[87]、単独行動主義の強い共和党との対比で民主党はハト派とされることが多い。共和党に比べると軍事力行使にもやや消極的である[87]。しかし、第1次第2次世界大戦朝鮮戦争ベトナム戦争などへの参戦は民主党政権によって行われており、必要と判断すれば戦争をためらうような党ではない。またコソボ空爆などの例がある様に先進国各国の協力・支援が取り付けられれば国際連合を無視した武力行使も辞さない。

2020年アメリカ合衆国大統領選挙で当選を確実にしたジョー・バイデンは、「アメリカは戻ってきた。アメリカは世界を率いる用意がある」「アメリカは同盟諸国と組んだ時が最も強力だ」と述べ、ドナルド・トランプ時代のアメリカ第一主義から決別し、「同盟重視」を前面に打ち出していく立場を表明している[113]
対中政策

中国に対しては議会を中心に保護貿易主義の傾向が強いため、対中貿易赤字には敏感である。ナンシー・ペロシ下院議長などを中心とするリベラル派が人権問題チベット問題を非難するなど近年は中国の軍事拡張に批判的な姿勢を取るケースが増えつつある。このことから近年党内では対中強硬派が台頭している。中国が香港の自治を踏みにじる「香港国家安全維持法」を施行したことに対抗して、2020年7月1日に民主党が過半数を占める下院は、中国に制裁を科す「香港自治法案」を全会一致で可決させた。ペロシ下院議長は「国家安全維持法は香港の人々に対する残忍で徹底的な弾圧であり、約束されていた自由を破壊しようしている」と中国を批判した[114]。2020年アメリカ合衆国大統領選挙の時にバイデンは中国の習近平総書記のことを「100万人のウイグル族収容所に入れた悪党」と名指しで非難している[115]

当選後もバイデンは中国の不公正な貿易慣行や人権侵害などについて「中国政府に責任を負わせる」と述べ「中国と競う上で、志を同じくする同盟国やパートナー国と連合することによって我が国の立場は一層強くなる」「我が国だけなら世界経済に占める割合は約25パーセントに過ぎないが、民主的なパートナー国と連合すれば、経済的な影響力は2倍以上になる」と述べ、トランプ政権の同盟国軽視の単独行動主義を批判すると共に同盟国と連携して中国に対抗していく考えを示した[116][117]
台湾政策

2020年アメリカ合衆国大統領選挙の政策綱領において「台湾関係法」の履行を約束し、台湾住民の期待と最良の利益に合致した両岸問題の平和的解決を引き続き支持するという立場を表明した。中華民国台湾)外交部は「これを歓迎し、感謝する」「今後も引き続きアメリカ民主党、共和党の両方と緊密な協力関係を築き、共通の価値観に基づく台米のグローバル・パートナーシップをより深める」とする声明を出した[118]
対ロシア政策

2016年アメリカ合衆国大統領選挙に介入して党の大統領候補であるヒラリー・クリントンの当選を妨害したと言われていることがあって[119]、民主党内は反ロシアの機運が強く、「もっとも主要な敵」と位置付けている[120]
中東政策

中東問題に関しては、共和党ほど親イスラエルではない傾向がある。2016年12月23日には民主党のオバマ政権が、イスラエル政府や親イスラエル派のドナルド・トランプ(当時次期大統領)からの要求を退けて、イスラエル入植活動停止を求める国連安保理決議に拒否権を発動せず、同決議を可決させている。イスラエル政府とトランプはこの対応を激しく批判した[121][122]


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