殺し屋の「業務」たる殺人は一部を除いて時代と場所を問わず犯罪である。
殺し屋が「稼業」としてでも成り立つかどうかは、その国の治安状況と、警察の捜査能力に依拠している。すなわち法治国家においては、実行後に逮捕された場合、営利目的の殺人は極めて厳しい刑罰が科せられることになる。従ってこのリスクが高い日本や先進諸国においては、1回仕事をしただけでも懲役数十年 - 死刑の実刑を覚悟しなければならず、ビジネスとしては基本的に成り立たないことになる。 また、殺し屋を雇う者(依頼者、殺し屋から見た「クライアント」)は殺人教唆で常に同様(場合によってはそれ以上)の重罪と判断される。日本では殺し屋に殺人を依頼し、殺し屋が殺人の実行行為に着手すれば、依頼主は殺人の教唆犯として扱われ(共犯従属性説)、刑法に基づいて処罰される。 また、雇った殺し屋が、別件であれ何らかのことで逮捕・尋問された場合には、その自白により依頼者も逮捕される危険性を常に抱えることになる。 2019年、中国の南寧市で、依頼者が200万元で依頼した殺人の依頼を次々と下請けに丸投げし、10万元で依頼を受けた5次下請けの男が割に合わないと標的の男に死んだふりをさせ逮捕され、依頼者と、下請けを含め依頼を受けた者の6人全員が実刑判決を受けた[2]。 1970年代に実在したとされるマフィアの殺し屋の自叙伝「KILLER」には、以下のような説明がある。 「殺し屋はフリーランサーと特定の組織にフルタイムで雇われている場合に分けられる。フリーの場合、すべて契約から始まり、報酬は前金で支払われる。プランは三つの方法が選択される。 計画が完璧であるとはっきりすると仕事が実施される。凶器の用意以外に必要な準備はほとんどないが、目撃されて逃走する可能性がある場合は盗難車を用意しておく。運転手や見張りがつく場合もあるが大抵は一人で行う。ただし、人混みのなかで仕事をする場合は、盗難車と追ってくる車に偶然を装ってぶつかり、足止めするための「衝突車」が使われる。仕事の後にすべき処理は凶器の片付けであり、その後は記憶はしているが仕事を忘れて日常生活に戻ることで終わる。もし目撃者がいた場合も、それぞれが巻き添えを恐れ、裁判で証人になろうというほど意識の高いケースはほとんどない。 次に警察だが、警察は殺人事件の犯人を知っていても組織暴力のケースでは証人が得られないとあまり努力はしないが、第三者を巻き込んだ場合はその限りではない。そのため仕事では相手を一人にさせることが重要となる。最後に死体の処理だが、契約において「現場に残す」場合と「死体をなくす」場合が指定される。なくす場合は農園、建築現場が使われる」とこの殺し屋は示唆している。 政府が政治的目的で秘密警察や情報機関を用いて殺人者を養成する場合もあると考えられる[注釈 1]。フィクションにおいてはCIAの殺し屋は隠語で「ウェットボーイ」と言うとされるがその実態は不明である[3]。マルコ・ポーロは『東方見聞録』において、暗殺者教団について記述しているがその真偽は不明である。詳細は暗殺教団を参照。 殺し屋を主題とした作品、主役または重要人物に殺し屋が登場する作品を記述する。
殺人依頼に対する違法性・危険性
殺し屋の一例
相手の決まった行動を知らされる。
殺し屋が相手を研究して決まった行動を自分で見つける。
あらかじめ決められた場所に関係者が相手を連れてくる。
公務員の殺し屋
題材とした作品
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池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』
新堂冬樹『アサシン』
深見真『ヤングガン・カルナバル』
伊坂幸太郎『グラスホッパー』、『ラッシュライフ』
山田正紀『殺人契約 殺し屋・貴志』
西尾維新『戯言シリーズ』
野沢尚『殺し屋シュウ』
大石圭『人を殺す、という仕事』
小竹清彦
ヒキタクニオ『凶気の桜』、『消し屋A』、『遠くて浅い海』 - 「消し屋」と称する殺し屋が登場。
フレデリック・フォーサイス『ジャッカルの日』
逢坂剛『百舌シリーズ』
木内一裕『神様の贈り物』
矢月秀作『D1 警視庁暗殺部』
司馬遼太郎『十一番目の志士』
七尾与史『死亡フラグが立ちました』
赤川次郎『寝台車の悪魔』
平山夢明 『DINER』
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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