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村上は、「脳死」という概念が作られたのは、医学が人間をパーツの集まりとしか見なくなったからであり、そこには一人一人の人間としての患者への視点が欠如していると主張した[11]。一方で、臓器提供によって救命出来る患者も存在しており、脳死という概念及び臓器移植への評価は分かれている[12]。「脳死」も参照

臓器移植と脳死を巡って議論が活発だった時に、死(脳死)を「これから先は死に向かって、不可逆的に進行する過程になる状態である」とした人もいる[13]。法医学の教員でも、「人の死は、心臓、それら全ての不可逆的な機能停止」という人がいる。「生命活動が不可逆的に止まる事」などとも言われた[14][注 8][注 9]。法律上、何をもって人の死とするかという問題については「人の終期」も参照

以上のように、立場によって見解は異なるため、21世紀現在でも「死」の判定や定義については議論がある。
法制度の要請による医師の判断

前述のように実際には生と死の境目は明確にある訳ではない。ただ、言葉として「生死」という言葉があり用いられている以上、「間に切れ目がある」という前提が置かれており[15]、また社会制度としては、どういう形にせよ、生死を明確にする事は求められる。そうした背景から死を規定する必要があるため、医師は死亡診断書の「死亡時刻」欄に死亡したと判断される時刻を書くことで対象がいつ死亡したかを一応明確にしている[15][15]。それによって、「死の瞬間」が形式的にではあるが決定される[15]。しかし、これはあくまで文書の上で決めたにすぎず、実体としての「死の瞬間」は前述のように見解が様々に存在する[15]
死亡判定関連の書類と法的な手続き「死亡」も参照

多くのでは人の死は医師による死亡診断書、場合によっては死体検案書によって法的な死とする。なお、日本では死亡診断書は医師だけでなく歯科医師も作成できるが、死体検案書については医師のみである。
死の誤診「早すぎた埋葬」も参照

医師に死亡を宣告された後、生き返ったとされる事例が存在する[16]

イギリスビクトリア時代のそのような逸話では、あるものは防腐処理を始めた時に、あるものは死の数日後に棺の中で意識を回復するなどして動き回ったりする[要出典]。当時のイギリスでは、このような早すぎた埋葬を、強迫観念的に恐れるようになる人がいた。同時代以前には、ペストなどの伝染病流行時に、感染を恐れて杜撰な検死がしばしばあったとされ、これが死者復活(→吸血鬼ゾンビグールなど)の伝承となったと考える者もいる[要出典]。

これらは、その当時の検死技術が完全ではなく、ショック状態における体温の急激な低下や、呼吸量の著しい減少、あるいは血圧低下による脈の微弱な状態を死亡と誤って判定したケースや、一時的な心肺停止後に偶発的に心臓の鼓動が正常に戻るなどして「生き返った」とみなされたとされる[要出典]。このため近代的な検死では、最初のチェックから一定時間後に生命の兆候がないかを再確認するようになっている。

検死技術の発達以前における土葬では、このように生きているにもかかわらず埋葬される可能性があった。そのため発明家たちは被埋葬者の状態を棺外に伝える方法を発明した。地表にはベルと旗があり、それが棺内に紐で繋がっていた。には金槌滑車装置で壊せるガラスの仕切りがあった。しかしこれは気休めでしかなく、この滑車装置が棺にかけられた土のため機能し得ず、棺を破壊したところで割れたガラスと土が被埋葬者の顔を覆う事になる。(安全な棺も参照)
統計と原因WHOによる人口百万当たり死者数(2012年).mw-parser-output .refbegin{margin-bottom:0.5em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul{margin-left:0}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{margin-left:0;padding-left:3.2em;text-indent:-3.2em}.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul,.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents ul li{list-style:none}@media(max-width:720px){.mw-parser-output .refbegin-hanging-indents>ul>li{padding-left:1.6em;text-indent:-1.6em}}.mw-parser-output .refbegin-100{font-size:100%}.mw-parser-output .refbegin-columns{margin-top:0.3em}.mw-parser-output .refbegin-columns ul{margin-top:0}.mw-parser-output .refbegin-columns li{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  1,054?4,598  4,599?5,516  5,517?6,289  6,290?6,835  6,836?7,916  7,917?8,728  8,729?9,404  9,405?10,433  10,434?12,233  12,234?17,141

世界においては1日あたり、おおよそ15万人が死を迎えるが、そのうち2/3は高齢による加齢関連が死因である[17]先進国になるとその割合は高く、90%ほどが加齢関連である[17]。また日本では、およそ23秒に1人が死亡しており、悪性新生物(腫瘍)が死因の最多を占める[18]。「防ぎうる死」も参照日本における月別死亡数の割合[19][20]日本では、近年では、に死亡する例が多く、それ以外の時期の死亡数は比較的少ない。暖房冷房が普及していなかった明治時代には冬と夏に2つの死亡のピークが認められる。

人が死に至る原因を死因と言う。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}直接的に死亡に繋がった原因の事を「直接死因(direct cause of death)」と言い、直接死因を招いた原因を「原死因(underlying cause of death)」と言う。[要出典]喫煙するアメリカ人の少年1910年タバコの喫煙は、20世紀に推定1億人の死亡を引き起こした。

(一般的な死因の分類と必ずしも一致するわけではないが参考までに)死亡診断書での「死因」の分類では次のようになっている[21]

病死および自然死[21][22]

「不慮の外因死」(Accident)[21]

交通事故」、「転倒・転落」、「溺死」、「火災および火焔(かえん)による障害(火災による死)」、「窒息」、「中毒[21]


「その他の外因死、不詳の外因死」[21]

自殺」「他殺[21]「その他の外因死、不詳の外因(戦争による死、による死[21][23]

子宮内の胎児が死亡した状態で産まれる事を、死胎検案書では「自然死産」や「人工死産」と分類する[24]。厳密には胎児そのものの死因を表すものではないが、胎児が死亡した際に用いられる。

なお病死に関しては、近年の日本では心疾患肺炎が3大要因となっている[25]。「日本の健康」も参照

2018年平成30年)では癌・心疾患・老衰が上位3つを占めており、以後脳血管障害、肺炎、不慮の事故と続く[26]
生物学的な死の説明.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}


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