死霊のはらわた_(1981年の映画)
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大規模な映画製作の過程の後、ライミには編集しなければならない「多量のフィルム映像」があった[17][18]。ライミはデトロイト編集協会を編集場所に選び、そこでエドナ・ポールに会った。ポールのアシスタントをしていたのはコーエン兄弟のジョエル・コーエンであり、彼は映像編集を手伝った[18][19]。 ポールは映画の大半を編集し、ジョエルは特に小屋での場面を編集した。ライミが制作した「ウィズイン・ザ・ウッズ」に触発されたジョエルは、投資者の関心を集めるための試作映画を制作する考えを気に入った[19][20]。ジョエルは弟のイーサンと協力して『ブラッド・シンプル』の制作を促進するためにこのコンセプトを利用した。そしてこの編集過程を通じてライミとジョエルは友人となった[10][20]

最初の編集で117分に達するほどになったが、キャンベルはシナリオでは65分しかなかったことを考えると素晴らしい仕上がりだと思った。その後、より市場向きの85分に至るまで編集を進めた[18]。 ライミはブライアン・デ・パルマが映画『ミッドナイトクロス』の編集をジョン・トラボルタと共同で同じ音響施設で行っていることに触発された[18]。編集期間の中で最も複雑だった状況のひとつに、「死体が溶けていく」場面のストップモーションがあった。その編集には何時間もかかった[18]。映画にはスタッフによる広範囲にわたる録音を必要とする独特な音があった[18][21]。いくつかの音は制作期間中に正確に記録されず、編集室で再び録音しなければならなかった。死んだ鳥の肉を突き刺して切断された肉の音を再現し、またキャンベルは録音のためにマイクに向かって何時間も叫び続けた[18]

『死霊のはらわた』は16mmで撮影した為、映画館で上映されるために当時基準であった35mmまで引き延ばす必要があった[18]。しかし「ウィズイン・ザ・ウッズ」に比べて大きな費用があったため、その作業は比較的簡単なものだった[18]
その後

『死霊のはらわた』およびそのシリーズは映画史上最高のカルト映画三部作と呼ばれるようになった[22][23][24]。小説『The Essential Cult TV Reader 』を記したデイヴィッド・レイヴリーは「キャンベルのキャリアはカルトのアイドルになるための指針」と語った[24]。この映画以降、ライミとキャンベルはよくコラボレイトするようになった[25]。ライミは事実上全ての映画にキャンベルを起用し、キャンベルは映画史上最高の興行収入を得たライミのスパイダーマンの映画作品3作全てにカメオ出演した[25][25][26]。暴力的ホラー映画監督として知られるライミが家族向け映画の監督をすることに難色を示されることも多かったが、ライミにとって監督する映画作品を選ぶのは子供が漫画本を選ぶようなものだと語った[25][27]。2009年、ライミは『スペル』でホラー・コメディ界に戻ってきた[28]

批評家は、キャンベルの当たり役とされるアッシュ役の演技とその後の演技をしばしば比較する[29][30]。キャンベルの演技は映画『プレスリーVSミイラ男』(2002年)のエルヴィス・プレスリー役からテレビドラマ『X-ファイル』のエピソード『愛児(Terms of Endearment)』(1999年)の悪役まで幅広い[31][32]。キャンベルのファンは『死霊のはらわたII』および短期間で終了した『The Adventures of Brisco County, Jr.』以降拡大した[33]。彼はファン・ミーティングによく登場し、その入場券は完売する[34]。『死霊のはらわた』は後のカルト映画に影響を与え、カルト・クラシックとして決定的になった[22][33]

『死霊のはらわた』は様々な派生作品を生み出した。ゲームソフトでは、1984年、コモドール64の『The Evil Dead』、1990年代、PlayStationおよびPlayStation 2の三部作『Evil Dead: Hail to the King』、『Evil Dead: A Fistful of Boomstick』、『Evil Dead: Regeneration』が発売された[35]。ライミの弟テッド・ライミが三部作に声で出演し、キャンベルはアッシュ役の声を担当した。アッシュ役が主役となるコミック『Army of Darkness』が出版された[36]。コミック『Freddy vs. Jason vs. Ash 』シリーズでアッシュはフレディ・クルーガージェイソン・ボーヒーズの双方、『Army of Darkness vs. Re-Animator』のハーバート・ウェストマーベルコミックスのスーパーヒーロー・チーム『アベンジャーズ』のゾンビ版『Marvel Zombies vs. The Army of Darkness』、バラク・オバマを守るフィクション『Army of Darkness: Ash Saves Obama』で戦った[37][38]。2008年1月、ダークホースコミックスは『死霊のはらわた』を題材にしたマーク・ヴァーヘイデン作、ジョン・ボルトン画による月刊コミックを出版した[39]

また2003年、映画に着想を得てライミとキャンベルの許可を得て製作されたミュージカル『EVIL DEAD THE MUSICAL?死霊のはらわた?』が開幕し[40]、2009年、日本人キャストによる日本公演が行われた[41]


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