死後硬直
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有名な例において、弁慶衣川の戦いにおける戦いで奮戦し疲労していたため、死の直後に硬直した(弁慶の立ち往生)と考えられている[2][3]
緩解

死後30時間から40時間程度で徐々に硬直は解け始め、死後90時間後には完全に解ける。緩解時期は、夏は死後2日ほど、冬は4日ほどである。犯罪捜査上、死後硬直の進展状況から死亡推定時刻を割り出す場合があり、法医学的に重要である。硬直は人為的に緩解させることが可能であるが、死後非常に早い時期(4 - 5時間以内)であれば再硬直が起こりうる。

死後硬直が解ける事を解硬というが、これは筋肉細胞に残存するタンパク質分解酵素プロテアーゼにより筋源繊維が切断されて小片化するためであると考えられている(その他にも筋肉中のCa2+(カルシウムイオン)が関与しているとする説もある)。つまり死後の筋肉の硬直と解硬は単に硬くなったものが元に戻るわけではなく、それぞれ別の原理によって行われている。緩解は、言うなれば筋肉組織が崩壊していく事により起こる現象(食肉ではこれを"熟成"と呼ぶ)なので、一度解硬した筋肉が再び「死後硬直で」硬くなる事はない。

このプロセスにより筋源繊維が至るところで切断されるため、構造的な意味で筋肉が動くことは全く不可能となる。

ごく稀に、不均一な硬直による筋肉の収縮などで遺体が動き、生き返ったように見えて周囲の人を驚かすこともある。
納棺時の対処

死後半日 - 1日余りの間はちょうど死後硬直のピークに当たるため、死亡時に手足が曲がっていたり目や口が開いたりしたままの状態で長時間寝かせていた場合、通夜葬儀に際して姿勢を整えようとしても硬くて動かせない事態がしばしば起こる。死後時間が経ってから手指を胸元で組ませようとする場合も同様である。

また、かつて土葬型の座棺が主流だった時代は、布団に安置した状態から体育座りのように膝を折って納めるため(屈葬)、死後硬直による不都合が発生する頻度も高かった。このような場合、昔は遺族らで強引に関節を折り曲げて納棺するケースも多かったが、近年の葬祭業者は、湯灌や部分加熱で温めながら、筋肉の硬直を解して整える方法をとっている。
脚注^ 人間の場合の死体現象。死後経過時間(PMI:Post-mortem Interval)も参照。この他、脳死とされた患者に見られるラザロ徴候(英語版)、通常は極端な状況や感情の元で死亡した場合に現われる死体硬直(英語版) などの現象がある。
^ 弁慶の立ち往生
^ 「弁慶の立ち往生」を医学的に解説してみた!

関連項目

死後変化











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