死刑(しけい、英語: capital punishment)は、対象者(死刑囚)の生命を奪い去る刑罰である。暴力的な表現を比較的控えられるよう、「極刑(きょっけい)」あるいは「処刑(しょけい)」とも表現される。処刑とは「刑」に「処」すことなので必ずしも死刑とは限らないが、一般的に「処刑」の単語は死刑のみで使われる。なお、刑罰の分類上は生命刑に分類される。 日本では現在、絞首刑で行われている。現在の多くの死刑存置国ではおおむね人命を奪った犯罪や国家反逆罪、未遂罪に対しても死刑が適用されている。一部の犯罪に対する刑罰を厳罰化している国々では、生命・身体の脅威になる犯罪(麻薬・覚醒剤などの使用、製造、人身売買など)や、生命を奪わない犯罪(汚職、通貨の偽造、密輸など)などにも死刑が適用される場合がある。その一方、死刑廃止を推進するため1989年12月15日に自由権規約第2選択議定書(死刑廃止議定書)が国際連合総会で採択された。2022年時点で、ヨーロッパ、南米、カナダやオーストラリアなどの112カ国で全ての犯罪に対して死刑は廃止されている。また一般犯罪においては死刑を廃止しているが、戦時犯罪行為にのみ死刑を定めている国が9カ国あり、ブラジルやイスラエルがそれに当たり、内5カ国がラテンアメリカ諸国である。 一方で、日本を含むアジア諸国(死刑を廃止している中央アジアやブータン、ネパール、カンボジア、モンゴルは除く)や宗教的に応報が原則とされる中東およびアフリカ大陸諸国[注釈 1]、そして欧米文化圏では例外となるアメリカ合衆国の連邦政府及び軍隊と27州(州数は2021年4月時点[1][2]。ネブラスカ州議会は2015年に死刑を廃止したが、2016年に死刑制度が復活させた[3])など78カ国で死刑制度が存置されている。
概要