言語の変化の要因としては、一般に次のようなものが挙げられる:
内的要因:個々の誤用が蓄積されて定着することで、言語体系に変化が生ずる。
"経済性":話者にとって「不要」「エネルギーを要する」と感じられる要素は退化し、逆に必要性が感じられれば新たな弁別が生じる。たとえば日本語の唇音退化は、日本語では唇で調音することがエネルギーを要すると感じられたため、と説明される。
類推:類似した言語的過程が複数ある場合、他の過程への類推によって変化が起こる。たとえば英語で動詞・名詞が不規則変化から規則的変化(過去形・過去分詞-ed、複数形-s)へ変化することなど。
社会的変化はこれらを通じて変化を促進しうる。また個別の言語が長期間にわたって方向性をもって変化していく現象も見られ、エドワード・サピアはこれをdrift(駆流、偏流などと訳される)と呼んでいる。
外的要因:言語接触による。基層言語によって、発音や文法、語彙に変化が生じることがある(基層理論、substratum theory)[1]。
脚注^ 田口善久「基層」斎藤純男・田口善久・西村義樹編『明解言語学辞典』三省堂、2015年、43頁
関連項目
波紋説
共時態と通時態
文献学
表
話
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