歯周炎
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Aggregatibacter actinomycetemcomitans (旧 Actinobacillus actinomycetemcomitans)[16] - 若年性歯周炎[10]侵襲性歯周炎(特に若年者の限局型)細胞のアポトーシスを誘導する[15]

Tannerella forsythensis[15] - 難治性歯周炎の病巣から、P.gingivalis やスピロヘータとともに検出されることが多い[15]

Treponema denticola - スピロヘータ、組織間隙に入り込み歯周組織破壊に関与する[15]

高濃度の酪酸によりB細胞T細胞の増殖が抑制とT細胞アポトーシス誘導がされるとする報告がある[10]、一方、硫化水素メチルメルカプタンは組織為害作用はあるものの細胞障害作用には関与していないと報告されている[10]。例えば、P.gingivalis の代謝物質には、コラゲナーゼ、トリプシン酵素ヒアルロニダーゼなどがあり歯根膜、周囲の線維芽細胞骨芽細胞などを直接破壊すると報告されている[10]
病態

歯肉肥大

歯肉退縮

歯肉クレーター

歯肉クレフト

フェストゥーン

歯肉溝の炎症性バイオマーカーとして、アンチトリプシンラクトフェリンも高値になることが知られ[17]日本歯周病学会では判定指標と重症度別分類のための層別化を行おうとしている[18]

歯肉溝の炎症性バイオマーカーと、糖尿病ヘモグロビンA1c)および腎機能(クレアチニン、eGFR)には、有意な関連性があると報告されている[17]
疾患

以下の疾患が知られるが、研究の進歩を反映し歯周病にはいくつもの分類法がある。
歯肉炎

栄養障害、アレルギーウイルス感染、歯磨剤への反応、外傷などさまざまな要因で歯肉炎は生じる[19][20]、歯垢が原因となる場合、歯磨きによる歯垢の除去が不十分な状態が継続し歯垢が 7日程度滞留すると歯肉炎が生じる[9]

病態から下記に分類される。

プラーク性歯肉炎

非プラーク性歯肉病変

歯肉増殖症

薬物性歯肉増殖

フェニトイン歯肉増殖

ニフェジピン歯肉増殖

シクロスポリン歯肉増殖


遺伝性歯肉線維腫


歯肉炎の特徴

主な歯肉炎はプラーク性歯肉炎であり、原因を除去すれば完治可能である。特徴としてプラークを原因とする歯肉に限局した炎症、歯肉ポケットを形成するがアタッチメントロスは存在しない、局所の修飾因子により増悪する、外傷性因子によって増悪しない、プラークコントロールにより改善する。このX線フィルムは、左下第一小臼歯と犬歯の2つの孤独な下顎歯を示しており、30%から50%の重度の骨量減少を示している。小臼歯を取り巻く歯根膜の拡張は、二次的な咬合性外傷によるもの。このような修復された歯の自然な輪郭を超える過剰な修復材料は「オーバーハング」と呼ばれ、微生物の歯垢を捕捉するのに役立ち、局所的な歯周炎を引き起こす可能性がある。
歯周炎

慢性歯周炎


侵襲性歯周炎[21]

急性壊死性潰瘍性歯肉炎

急性壊死性潰瘍性歯周炎

歯肉膿瘍

歯周膿瘍

咬合性外傷

一次性咬合性外傷

二次性咬合性外傷


歯肉退縮

急性ヘルペス性歯肉炎

歯肉繊維腫症

慢性剥離性歯肉炎

パピヨン・ルフェーブル症候群

歯冠周囲炎

智歯周囲炎

歯周炎の特徴1. アタッチメントレベル(セメント?エナメル境からプローブ先端までの距離)2.歯茎の後退3.プロービングポケットデプス値

主な歯周炎は慢性歯周炎であり、原因を除去しても破壊された組織は自己再生しない。特徴として歯肉炎が歯周炎に進行し、セメント質、歯根膜および歯槽骨が破壊されることが挙げられる。

また、アタッチメントロスが生じポケットが形成されること、歯周ポケットの深化に伴い、歯周病原細菌が増殖し炎症を持続し進行させる。局所の修飾因子によって増悪し、外傷性咬合が併発すると急速に増悪する。全身的因子はリスクファクターとして働き、部位特異性がある。休止期と活動期がある。歯周炎が重度になると悪循環が生じ、さらに急速に進行しやすい。

原因の除去により、歯周炎は改善・進行停止する。歯周治療の一環として、サポーティブペリオドンタルセラピー(supportive periodontal therapy, 略: SPT)あるいはメンテナンスが重要であることも特徴として挙げられる。破壊された組織は、再生療法によって回復可能な場合もある。
指数

歯周疾患を評価する指数は多い。主な指標は、

歯周組織破壊の指標

アタッチメントレベル(CEJ:セメント
エナメル境?ポケット底)


プラークや歯面着色物を表す指標

プラークコントロールレコード (PCR)、プラークインデックス (PLI)、OHI、OHI-S、歯垢指数

のほか、 歯石指数、PHP、PSS、PMA指数、Gingival Index、Gingival Bleeding Index、PI、PDI、GB count、地域歯周疾患指数 (CPI) などがある[22][23]
治療における専門医制度

歯周疾患は歯科医療の領域であり、歯科医師が治療を担当する。また歯周病を専門とする専門医制度が厚生労働省より認可されており、日本歯周病学会の行う試験に合格すると日本歯周病学会認定歯周病専門医を名乗ることができる。また、同学会では日本歯周病学会認定歯科衛生士の認定も行っており、歯周疾患の専門性を高める施策を講じている。
全身疾患との関係

歯周病は以下の因子と相互関係があるとされている。
遺伝的因子

環境因子および全身的因子

年齢、性別

メタボリックシンドローム

歯周病箇所から口内細菌が血流に乗り菌血症が生じ[9]、全身の健康状態に影響を与え基礎疾患に関与する[24]、特に心筋梗塞バージャー病肋間神経痛三叉神経痛2型糖尿病関節リウマチと密接な関係にある[14][25][26][27]。妊娠合併症、骨粗鬆症との関与が報告されている[15]
影響を及ぼす疾患

歯周病が直接影響を及ぼす疾患の例[15][28]


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