歩行
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船乗り歩行 - 腰椎の前弯が強い人などに見られる歩容で左右の足の間隔の広い歩行[19]

前かがみ歩行 - ヒールの高い靴を履いた人などに見られる歩容で腰を過伸展し膝を屈曲した歩幅の短い歩行[19]

など

一方、異常歩行は神経筋疾患、運動器疾患、加齢などが原因で引き起こされる[20]。このほか異常歩行は外傷(ねんざ等)、下肢長差、筋疾患、疼痛などでも引き起こされる[21]

すくみ足(frozen gait) - すくみ足は中枢神経疾患にみられる症状で下肢の屈筋と伸筋が同時収縮する現象をいう[22]

小刻み歩行(brachybasia) - 小刻み歩行は血管障害性対麻痺、脳卒中、パーキンソン患者に見られる歩容で、前屈姿勢で足底をこするような歩行をいう[22]

失調性歩行(gait ataxia)

動揺性歩行(動揺歩行、waddling gait) - 進行性筋ジストロフィーの症状で腰椎の弯曲の増強により下肢の内旋と尖足を伴った左右の揺れの大きい歩行をいう[21]

間欠性跛行(間欠性歩行困難症、Intermittent claudication) - 下肢の動脈の閉塞や狭窄などが原因で見られる歩行[21]

など
歩法

武術などで、疲れない歩き方などが研究された[23]

速歩 - 速さを上げた歩行。

スキップ - 片足で軽く飛ぶような動作を交互の足で連続させる歩行。

摺り足(すりあし)

禹歩(うほ)

ナンバ歩き

足甲歩き

歩行と健康

歩行は重病人や一部の障害者を除き問題なく実践できる行為であり、しかも現代人の多くが増えている病気や不健康状態を予防あるいは改善する効果がある。とくに動脈硬化に関連する病気や死亡に対する効果が期待されている[24]日本での研究では、40-79歳の27738人をプロスペクティブに13年間調査したところ、年齢や疾患などで調整した場合においても、1日に1時間以上歩く群は、1日1時間未満しか歩かない群と比べて長生きであった[25]。40歳以上の男女4,840人を約10年間追跡調査した結果、1日8,000歩以上歩いた人は、1日4,000歩未満の人に比べて、すべての原因による死亡率が51%低いことがわかった[26][27]。4年間続いた女性の健康研究の16,000人以上の高齢のアメリカ人女性(平均年齢72歳)の大規模な研究では、1日あたり4,400ステップを取る人は、1日あたり約2,700ステップを取る人と比較して死亡率が41%低いことが判明した[27][28]。 1日7,500歩までは歩数を増やすことに関連して死亡率が低下し続けたが、それ以上の歩数では追加的な利点は見られなかったとされていた[27]。1日に約9,800歩以上歩く人が最も健康であった[29]。しかし、2023年8月9日に発表された研究によると、日本のような国々では、500歩歩くごとに、さらには20,000歩まで、さらなる健康上の利点が見られたという[30]。また、記憶を司る脳の部分を増やすためにもウォーキングは必要であるし、食後に少し歩くと血糖値が下がる[31]

ウォーキングエキササイズでは通常の歩き方よりもいくらか速く歩く。つまりいわゆる速歩を行うものでありジョギングと比べて膝への負担が少ない。普段の運動が少なすぎる人々にとって運動不足の解消となり生活習慣病の予防に効果があるとされており、具体的には次のような疾患の予防に役立つ。

認知障害[32]

心血管疾患

動脈硬化

高血圧

糖尿病

脂質異常症

肥満

また不眠症便秘の解消に効果があることもある。
歩行と社会階級・収入

ドコモ・ヘルスケア株式会社の活動量計のデータから、年収が高い人の方がせっかちで歩行速度が速いことが示されている[33]。またイギリスのWhitehall Study(英語版)2において、役職が高い方が歩行速度が速い結果となっている[34]。別の研究で、看護師を対象とした統計では最大歩行速度が速いほど作業能力が高い傾向が見られた[35]

また、国ごとの比較で、1人当たりのGDPが高いほど、購買力平価が高いほど、個人主義が認められる豊かな先進国ほど歩行速度が速い傾向が見られた[36]
文化

徒歩旅行

歩行者天国歩行者専用道路、歩きやすさ(英語版)、歩行者空間

遊歩百選

ムーンウォーク - ダンスの歩き。

行脚 - 仏教において、徒歩で各地を巡る修行。

徒歩暴走族

歩きスマホ

競歩強歩大会 - ゴールすることを完歩という。

行進

ガチョウ足行進


ロボットの歩行
ロボットによる二足歩行
二足歩行ロボット」も参照二足歩行ロボットの研究では、ホンダASIMOでは動歩行のみならず走行まで出来るようになっている。
ロボットによる四足歩行
アメリカのボストン・ダイナミクス社のSpotビッグドッグなどがよく知られている。

この節の加筆が望まれています。 (2021年10月)

多足歩行ロボット
詳細は「en:Hexapod (robotics)」を参照6脚では、重心を常に安定させられる交互3点接地法(交互三脚歩行)が使用可能である[37]。6脚以上では、常に複数の支持多角形が形成され、常に重心が多角形に収まるので安定した静歩行が行われる。ただし、可動部である脚が多いほどコスト・技術難度・整備性が悪くなるため、6足歩行機械が最も効率的とされている[38]
歩行補助

子供の歩行練習や歩くのが困難になった人向けに歩行器(固定型歩行器、交互型歩行器)や杖、松葉杖などの歩行補助具(英語版)がある[39]。そのほかに、3Dプリンターの発達によって足を失った多くの動物で義肢が用いられるようになった[40]

松葉杖を使った歩行は、免荷3点歩行[41]など状況などに応じて様々な歩行方法がある。
ギャラリー

シュテファン・エッガートの「歩く人」、ミュンヘンのシュバービングにある公共アート。

義肢を付けた牛メドウ

脚注[脚注の使い方]^ 広辞苑第六版
^ a b c d “哺乳類の体重の進化には歩行様式(足の着き方)が関係していた”. 東京大学. 2022年7月19日閲覧。
^ 和田直樹「歩行障害の種類と原因疾患」『リハビリテーション医学』第55巻第9号、日本リハビリテーション医学会、2018年9月、730-734頁、doi:10.2490/jjrmc.55.730、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 18813526、CRID 1390845713014339072。


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