2013年3月、キズナで毎日杯を勝利[66]。武はこの勝利により、3年前の同レースで落馬した時から抱いていた嫌なイメージを払拭し、吹っ切れたという[66]。同馬は次の京都新聞杯も勝利し、日本ダービーの有力候補となった[66]。そして迎えた5月26日の第80回日本ダービーでは、1番人気に応えてキズナをダービー馬に導き、武自身の持つ日本ダービー最多勝記録を「5」に更新した[66]。14万人近いファンの「ユタカコール」につつまれて勝利騎手インタビューでスタンド前に立った武に対し、多くのファンから「お帰り」の声がかけられた[66]。武はその声に「僕は帰ってきました!」と力強く応えた[66]。この言葉は事前に用意していた言葉ではなく、ファンの「お帰り」の声が胸に響いて自ずから出た言葉だったという[66]。武は苦境の中で掴んだこの5度目の日本ダービー勝利について、「キズナで日本ダービーを勝てたことは僕のジョッキー生活において分岐点となっています。それぐらい大きい勝利でした」と後に語っている[66][67]。武はこの年、GI2勝、重賞11勝、年間勝利数97勝と前年から大幅に成績を向上させ、低迷期を脱した[68][69]。2015年、年間106勝を挙げて6年ぶりに年間100勝を達成[11]。2016年と2017年はキタサンブラックとコンビを組んで計GI6勝を挙げ、同馬を2年連続年度代表馬に導くなど大舞台で存在感を示した[70][71]。2018年9月29日、阪神競馬場で行われた芦屋川特別でメイショウカズヒメ
に騎乗して勝利し、JRA通算21235回目の騎乗で前人未踏のJRA通算4000勝を達成した[4]。次なる目標を問われた武は、「明日のレースです。早く4001勝をしたいです」と笑顔で答えた[72]。2019年3月15日、50歳の誕生日を迎え、50代に突入[73]。10月20日、ワールドプレミアで菊花賞を勝利し、50歳7カ月6日での史上最年長菊花賞制覇を達成[74]。