また多摩川を南へ渡れば、もともと武蔵野台地よりも起伏が激しく谷戸が多かった(多摩丘陵)関係で、町田市、川崎市、横浜市などでは一定数の谷戸が谷戸田を含む里山景観地として保全されている。
そのほかいくらか珍しい事例として、「昭和30年代の農村風景を再現」しようという昭和記念公園の「こもれびの里」[21]のような取り組みもある。
とはいえ、これらの多くは範囲が狭小だったり、周囲が山地だったりするため、国木田が書き残した武蔵野とはまた別種の景観を呈しているというべきであろう。 地名に「武蔵野」の名が使われる場合がある。 かつての武蔵国にあたる地域の中で自治体名、住居表示名に「武蔵野」が使われている例は以下のとおり。 「武蔵野」はまた以下の名称にも使われている。
「武蔵野」の名をもつもの
地名
東京都 武蔵野市
東京都 府中市 武蔵台(武蔵台は武蔵野台地の略[22])
東京都 昭島市 武蔵野
東京都 福生市 武蔵野台
東京都 西多摩郡 瑞穂町 むさし野
埼玉県 ふじみ野市 福岡武蔵野 - 旧・上福岡市 武蔵野
埼玉県 ふじみ野市 大井武蔵野 - 旧・入間郡 大井町 武蔵野
埼玉県 深谷市 武蔵野
埼玉県 川越市 むさし野
埼玉県 川越市 むさし野南
四股名
武蔵野和田右エ門 - 宝暦年間(1760年代)の力士。最高位幕下筆頭。
戸田川鷲之助 (4代)
武蔵野久五郎 - 文化(1810年代)の力士。最高位幕下9枚目。
佐渡ヶ嶽沢右エ門 (3代) - 文化・文政年間(1810・20年代)の力士。最高位前頭筆頭。武蔵野初五郎 → 桟シ初五郎(初代) → 桟シ初右エ門 → 佐渡嶽沢右エ門(3代) → 佐渡ヶ嶽沢右エ門と改名。
武蔵野門太 - 天保・弘化年間(1840年代)の力士。最高位前頭4枚目。
武蔵野弥助 - 安政年間(1850年代)の力士。最高位前頭5枚目。武ノ川弥助 → 武蔵野弥助と改名。
武蔵野英之助 - 1880年頃の力士。最高位十両6枚目。
1940年代の力士。最高位幕下5枚目。
1950年代の力士。最高位序二段47枚目。
1960年頃の力士。最高位序二段80枚目。
その他
普通名詞
「武蔵野うどん」 - 東京都多摩地域と埼玉県西部(かつての武蔵国の入間郡と多摩郡)に伝わるうどんのこと。「手打ちうどん」とも呼ばれる。
江戸時代に使われていた図抜けて大きい盃の総称。武蔵野は広大すぎて全てを一望に収めることができない、すなわち「野、見尽くさず」ということから、盃が大きすぎて飲み干すことができない「飲み尽くさず」にかけた語呂合わせであるという。『毛吹草』や『西鶴織留
固有名詞、商標など
『武蔵野』 - 国木田独歩による随筆作品。また、同作を収めた作品集の標題。 → 上記#国木田独歩の描いた武蔵野を参照。
『武蔵野』 - 山田美妙による短編の時代小説。
『武蔵野夫人』 - 大岡昇平による恋愛小説。1950年に発表され大ヒットした。国分寺崖線の周辺を舞台としている。
「武藏野陵」、「武藏野東陵」 - 昭和天皇、香淳皇后の陵。
「武蔵野公園」、「武蔵野の森公園」 - いずれも東京都立の公園。
「武蔵野線」 - 武蔵野地域を半環状につなぐ東日本旅客鉄道の鉄道路線。また、「むさしの号」は武蔵野線を経由する列車の愛称。
「武蔵野文化協会(旧・武蔵野会)」 - 武蔵野の自然と人文の研究を推奨する団体。
「むさし野詩人」 - 1977年にヒットした、野口五郎のシングル曲。
「武蔵野」- エレファントカシマシの楽曲。
「武蔵野樹林」 - 角川文化振興財団が発行する雑誌。株式会社KADOKAWAが埼玉県所沢市東所沢に「ところざわサクラタウン」と「角川武蔵野ミュージアム」の誕生に伴い、武蔵野をテーマに作られた。現在は、2019年春・夏・秋号が出版されている。また、2020年4月20日に2020春号が発売予定。
小惑星(3249) Musashinoは武蔵野にちなんで命名された[24]。
その他企業、法人施設などの名称に「武蔵野」の名を冠することがある。