これらの反響を受けてか、ワーナーは2007年6月、同年後半としていたTotal Hi Defの発売を2008年に延期した[25]。
さらに2008年1月にワーナーがHD DVD撤退を発表し、Total Hi Defソフトが継続的に発売される可能性はほぼ無くなった。開発が既に打ち切られたとの報道もなされた[26]。
なお、ワーナーでは片面にBD、HD DVD、DVD、CDのいずれか2規格の記録面を持つことのできる光ディスクの特許も出願した[27]が、製品化されていない。 ハイビジョン映像に対応したテレビの普及と共に第3世代光ディスクの需要も増えることが見込まれた。実際に2007年度の年末商戦では、規格争い中にもかかわらずBDレコーダーが販売シェアで2割、金額ベースで4割ほどを占めたとBCNにより発表された。特に第3世代光ディスク全体に対するBDの販売シェアは9割以上を占め、翌年の規格争い終結へとつながった。詳細は「高解像度光ディスク規格戦争」を参照 第3世代光ディスクにおいてBDがデファクトスタンダードとなったのち、その容量を上回るUSBフラッシュメモリの登場と価格低下からフラッシュメモリと競合し、ハードディスクドライブやSSDの大容量化と光ファイバー網、また5Gの広がりから、ネット配信やクラウドストレージとも競合するようになった[28]。 しかしハードディスクドライブは容量あたりの単価は安い[29]が、その構造上耐久性に問題が多い[30]。ネット配信によるオンデマンド配信も快適に楽しむには高速なネット環境が必要となる。特にストリーミング形式の場合、通信速度が低い場合はコンテンツの再生ができないこともある。 デジタルコンテンツの配信・保存に重要なコピー制御に関しても特にフラッシュメモリについては、特に家電向け据付録画機の分野において普及したコピー制御技術が日本では存在しないか主流となっておらず、そのためコピー制御の掛かっているデジタルコンテンツをフラッシュメモリに格納してやり取りすると言うスタイルは、携帯機器向けに品質を大幅に落としたダウンコンバートを施してコピーすると言う場合以外には、特に家電向け据付録画機の分野において一般的ではない。 一方BDは拡張、後継規格としてBDXLやUHD BDが開発され、UHD BDでは「CMP Export」と呼ばれる外部媒体コピー技術をサポートするが、BDでの放送の録画需要は日本国内にほぼ局在しており[31]、よってBDXL対応録画機器の流通も日本国内にほぼ局在している。 映像のネット配信は4Kの場合15から30 Mbps程度だが、激増するインターネットのトラフィックによるネットワークの混雑が足かせとなる。一方BDでは約54Mbps、UHD BDでは約92から123 Mbpsの安定したストリームをサポートできる。 以上のように記録媒体としてBDはフラッシュメモリ・ハードディスク・ネット配信と比較して利点はあるが、2020年代以降、無料で使用できるGoogle DriveなどのオンラインストレージサービスやSSD、フラッシュメモリーのさらなる低コスト化・大容量化に伴い、光ディスクが必要となる機会は減少し、PCでも光学ドライブを搭載しない機種が増えている[32]。AV分野に関しても、DVDやBlu-rayで映画が供給されるが、Amazon primeやNetflixなどの定額制配信サービスの普及によりその使用機会は減っている。
BDの普及およびフラッシュメモリ・ハードディスク・ネット配信との競争
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただしDVDへのAVCRECなど、ハイビジョンを録画可能な規格が出現した。
^ BD陣営は紙を素材の一部に採用したディスクを開発している。詳細はBlu-ray Discを参照。
出典^ HD DVD事業の終息について
^ 【CES 08】HD DVD vs ブルーレイレスポンス
^ a b LG、初のBlu-ray/HD DVD対応コンボプレーヤーを公開CNET Japan
^ HD DVD陣営よ、引き際を知れ--消費者のために規格戦争の早期終結をCNET Japan
^ a b 規格争いは徒労に? Blu-ray/HD DVD両対応ドライブがついに発売日経XTECH
^ ⇒BDA 会員リスト
^ ⇒HD DVDプロモーショングループ 会員リスト
^ ⇒米ワーナー、ブルーレイ単独支持・DVD規格争い、早期決着も - NIKKEI NET
^ Intel社、HD DVD/Blu-ray両方式のサポートを表明 - EDN japan 2007年9月19日)
^ 次世代DVD製品購入における最重要ポイントは“画質”?みずほ情報総研ら調査。普及状況や価格も考慮 - Impress AV Watch 2007年6月4日