次世代DVD
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両方に消極的な企業

日本の大手映像ソフト発売元は参入に消極的な企業が多い(規格策定団体に加入しているが具体的な発売予定がない等)。
東映系列・東宝系列・角川系列・シナノ企画などがその例である。Blu-rayに規格が統一された後、これらの企業は相次いでBlu-rayの発売予定を発表したが、その一方で松竹・日活・ショウゲートなどHD DVDを発売していた企業の参入はBlu-rayが未発売だった企業に比べて遅れている傾向が強かった。

HD DVDとBDの比較
呼称

BDはBlu-ray Disc Association(Blu-ray Disc Foundersより改称)により策定されており、HD DVDはこれまでDVD規格を策定してきたDVDフォーラムによって策定された。そのためDVDの直接の後継となる規格はHD DVDのみであり、BDは独自に開発が行われている。

日本のマスメディアではそれぞれの規格を支持している代表的な企業の名称を示し、「東芝陣営」「ソニーパナソニック陣営」と併記されることも多い。[要出典]

2007年6月に発表された「次世代DVD」に関するアンケート調査では、ソニーやパナソニック、シャープなどの広告戦略によって「ブルーレイ」は徐々に認知されつつあるが、HD DVDはハードディスク(HD)や従来のDVDと混同されやすく分かりにくかったのではないかと言われていた。このような誤解を持った回答者が多かったため、一部項目ではHD DVDに関する有効なデータが得られなかったという[10]
コスト

記録メディアおよびROMの製造においてHD DVDはDVDの製造機器を一部流用することが可能でありコスト面で有利[11]と言われてきたが、一定の流通量が見込まれるようになった無機型BDメディアの方が結果的に低コストとなった。またBDにおいても有機素材を用いることでDVD等の設備を流用出来る技術が開発された事から、有機素材を用いたBD-R LTHメディアの発売を国内外の各社が発表し、2008年2月下旬から発売した。これによりさらなるBDの低価格化が進んだ。

また松下電器産業が試験製造ラインをハリウッドに建設[12]するなどして映画スタジオ各社にコストの不安を払拭するよう努めたことがBD支持の拡大につながった。
物理構造

HD DVDとBDでは物理的には記録層の深さ(保護層の厚さ)の違いがあり、HD DVDではDVDと同じ0.6mm厚である[13]のに対しBDは0.1mm厚である[14]。この違いが様々な影響をもたらしている。

BDは保護層の薄さにより当初は傷に弱く、最初に製品化された記録型ディスクはDVD-RAMのようなカートリッジに収められていた。しかしTDKが開発したDURABIS技術などにより克服し、この点に懸念を示していたワーナー・ブラザースなどの支持を獲得した。2006年以降はBD・HD DVDともCDやDVDと同様に裸のディスクで取り扱われる。

記録層が浅いBDは記録密度を上げるのが比較的容易なため、片面1層で25 GB、2層で50 GBである[14]のに対しHD DVDは片面1層で15 GB、2層で30 GBである[13]

保護層と記録層を取り違えて「BDは記録層が0.1 mmでディスク厚が1.2 mmなので多層化が可能になり、理論上12層まで可能」「HD DVDは記録層が0.6 mmでディスク厚が1.2 mmなので、理論上2層までしか実現できない」といった誤った情報が流布することもあった[15][16]

BDはより高密度なため最大転送速度も速く、標準転送速度ではBDが53.95Mbps、HD DVDが36.55Mbpsである。1倍速はともに約36MbpsであるがBD-Videoでは1.5倍速(53.95Mbps)が標準転送速度であり、BD-Video再生には通常2倍速以上のドライブが使われる。

片面2層にHD DVDとDVDを記録した「HD DVDツインフォーマットディスク」がHD DVDの発売当初(2006年3月)の段階から製品化されている。一方BDとDVDのツインフォーマットディスクは2009年2月に製品化された。

採用技術

BDとHD DVDは互換性がないが、共通する技術が数多く使用されている。

ともに直径12 cmまたは8 cm、厚さ1.2 mmの円盤状で素材は主にプラスチックからなる[注 2]。読み取りには波長405 nmの青紫色のレーザーを用いている[14]。なおCDでは波長780nmの赤外線レーザー、DVDでは650 nmの赤色レーザーを用いており、より波長の短いレーザーを用いることで高密度の読み取りを可能にしている。そのためBDとHD DVDはDVDと共通する基本構造・用途を持ちながら、デジタルハイビジョン映像の長時間収録が可能な大容量を実現している。

著作権保護技術はどちらもAACS(Advanced Access Content System)を採用する。完全にコピーを禁止しているわけではなく、マネージドコピー(著作権者が許可する範囲内でハードディスクなどにコピーできる)に対応している。ただし、現在もAACSは暫定的なライセンスでありマネージドコピーは使用できない。
ビデオ規格

いずれもビデオ規格では、多重化フォーマットとしてMPEG-2トランスポートストリームが採用され、また、映像コーデックとしてH.264/MPEG-4 AVCVC-1が採用され、主に1920×1080ドットの映像が収録される。音声コーデックには従来のDVDと同じドルビーデジタルDTSリニアPCM(ただしDVDよりも高いビットレートやマルチチャンネルのPCMを収録可能)、さらに新世代のコーデックとしてドルビーデジタルプラス、ドルビーTrueHDDTS-HDが採用されている。

HD DVDではプレーヤーにおいて新世代のサラウンド音声フォーマットであるドルビーデジタルプラスとドルビーTrueHD 2chのデコードが必須であるが、BDのプレーヤーではオプション扱いである。もっとも、これらの音声フォーマットに対応したAVアンプは2007年6月に発売されたばかりで需要が非常に限られる上、PCMマルチチャンネル音声を収録した物や両者のプレーヤーの必須・オプションに無関係にロスレスサラウンドを収録する物、実質的にはBDプレーヤーでもデコード可能な音声フォーマットの範囲が拡大していること等、両者の決定的な違いには至らなかった。なおDTS-HDは両フォーマットともオプション扱いである。

DVD-Videoに比べて広範な機能を搭載できるインタラクティブ技術はBDはJavaを基にしたBlu-ray Disc Java(BD-J)を、HD DVDはマイクロソフトが開発したHDiを採用し、XML、CSS、SMIL、ECMAScriptなどの技術が使われている。当初マイクロソフトが中心となっており、BDでもiHDを採用する提案がなされていたが見送られた。2007年6月時点ではピクチャーインピクチャーやインターネット接続などの機能はBDではオプション、HD DVDでは必須となっており、製品化当初から標準規格化されていたHD DVDが先行している。

収録可能時間はBSデジタルハイビジョン放送の最大24 Mbpsで換算し片面1層HD DVD-R (15 GB) で75分、片面1層BD-R/RE (25 GB) は130分と表示されている。地上デジタルハイビジョン放送(最大17 Mbps)ではより長時間の記録が可能であるもののHD DVD-R (15 GB) で115分と表示され、2時間を切る短さであった。

著作権保護技術に関して、BDではAACSに加えより万全に海賊版対策ができる技術「BD+」を必須として採用している。BD+を搭載した映像ソフトは2007年10月に登場し始めた。
消費者の反応

規格分裂は消費者にとって利益とならないため、規格争いが決着するまで購入を手控えている消費者が多いことが各種調査で指摘されていた[要出典]。
互換性の確保

そのため市場ではHD DVDおよびBDの両方に対応する機器の開発およびパッケージソフトの発売をした。
DVDとの互換性

HD DVD・BDの再生/記録機器はDVDにも対応しているが、メディア側でも従来のDVD機器への互換性を保とうとする動きがある。HD DVDで製品化されているツインフォーマットディスクがその例である。
DVD版の同梱

バンダイビジュアルは「BD+DVD」または「HD DVD+DVD」の2枚組製品を発売することを決めた[17]

またこれらの製品は現在流通している「BD用ケース」または「HD DVD用ケース」ではなく主に市販のDVDに用いられるトールケースを採用しているため、一般的なBD/HD DVDソフトとはケースのサイズが異なり、判りづらいという指摘や、サイズを一般的な「BD(HD DVD)用ケース」に合わせてほしいという意見も多い[要出典]。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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