機甲創世記モスピーダ
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だが、大気圏突入中にインビットの迎撃を受けたうえ、大気はインビットにより特殊加工[5]されており、降下中の機体の多くは撃墜され、あるいは大気圏突入に耐えられず作戦は失敗する。マリーンの乗る降下艇ホリゾントも、特殊加工された大気圏の影響を受け制御不能となり、スティックの目の前でインビットに撃沈される。スティックは混戦の中、機体を損傷して本隊から離れ、南アメリカに不時着したが、艇長が遺した「地球へ不時着したら、インビットの本拠地、北米のレフレックス・ポイントを目指せ」という言葉に従い、哀しみを振り切るように地球を駈ける。

一方、地球生まれで地球育ちのレイは、旅の途中で第2次降下作戦の宇宙船の残骸の中からモスピーダを見つけ出し、インビットとの戦いに巻き込まれる。その際、スティックと出会い、行動を共にすることとなる。さらにスティックとレイはフーケ、ミント、第1次降下作戦の生き残りであるイエロー、ジムと出会い、インビットが行う「軍人狩り」から逃れて戦うことを放棄していた彼らも、スティックらと共にレフレックス・ポイントに向かう。途中、一行は廃墟の村で記憶喪失の少女を発見。言葉も感情も失った彼女を「アイシャ」と名付けて保護する。旅を続ける中、やがてスティックとアイシャは互いに心惹かれてゆく。

幾多の戦いと、出会いと別れを繰り返し、遂に一行はレフレックス・ポイントに達し、第3次降下作戦がはじまった中、インビットの正体を知る。
地球降下作戦

「インビット」支配によって火星や月に逃れた地球人は、インビットの武力に対抗するためにコンドルなどの新兵器を配備し、第1次降下作戦を開始した。しかし、インビットへの分析や情報不足などから部隊の大半を失い、作戦は失敗に終わった。そして、その当時から、インビットは地球人が自分達に対する恐怖と憎悪から生み出す兵器類と、それを操る軍人達に脅威を感じ、占領した地域の自分達に従順な地球人に対して「軍人狩り」を強要するようになっていった。

スティック達が参加した第2次地球降下作戦は、順調に行われていれば、レギオス、ホリゾントなどで大気圏突入し、レフレックス・ポイントに直接侵攻するものだった。目標に達せず不時着した場合、搭乗員はモスピーダや支援車両などでレフレックス・ポイントを目指し、合流することになっていたが、本編では途中の集合地点で壊滅させられたり、軍人狩りにより殺されたりした者も多く、生き残ってたどり着いた者達も、第3次降下作戦開始のタイミングに合わせなければならないほど減退していた。

やがて実行される第3次降下作戦では、HBT放出をコントロールして、インビットに探知されない「ダーク・モスピーダ」、強大なシンクロトロン砲を装備する「ダーク・レギオス」「トレッド」他、旗艦「イズモ」以下のダークタイプ各艦艇も投入され、戦局は人類有利に大きく傾くと思われたが、互いの戦力をすり減らすだけとなって膠着化する。ついに奪還軍総司令は地球ごとインビットを滅ぼすのも止むを得ないと、最終兵器「荷電粒子ミサイル」の発射を決意する。
登場人物
主人公と旅の仲間たち
レイ
[6]
声 - 大山尚雄地球生まれの人類側の主人公。インビットに占領された地球で生まれ育った少年。17歳。両親の生死すらわからない孤児だが、バイク好きが高じて、手製のバイクで走り回っていたところ、偶然見つけた第2次降下部隊の輸送機の残骸からモスピーダを入手する。インビットとの戦いに巻き込まれたところをスティックに助けられ、行動を共にする。飄々とした性格で、インビットに追い立てられてさえ危機感が希薄であり、ある意味図太い神経の持ち主といえる。スティックとは良き喧嘩友達であり、二人が共にいることでそれぞれの暴走が抑えられているようである。スティックから称賛されるほどのライディングテクニックを持ち、モスピーダとライドアーマーの戦闘および、レギオスやトレッドの操縦も短期間で習熟する。アウトドアやサバイバルに関する知識も豊富で、これらによって、インビットがHBTのエネルギー反応を敏感に察知することを最初に感づいたり[7]、それらを活かして、軍人のスティックやイエローらには思い付かないような作戦を立てることもある。お調子者の面があるものの、インビットとの戦いとレフレックス・ポイントへ向かう旅の中で徐々に成長し、当初は恐怖と嫌悪の対象だったインビットの正体や進化の目的を知ることに一行の中で最も関わっていき、最終話ではインビットを一方的に怨み続けるスティックを、地球人が起こす戦いこそインビットとの争いを生む元凶であると諭すまでになる。

作中では彼の過去に関して一切語られることはないが、学研が当時発行していた小冊子によると、「母親がインビットに誘拐され、レフレックス・ポイントにいる」という噂があり、それを信じ、母親を救うべく戦いに加わったという。

作中で、一行のジープと専用モスピーダ以外の全ての主要メカを(レギオスはイオタ以外ではエータ(第14話)とゼータ(第20話)を各々ファイター形態のみで)操縦したのは彼だけである。

ロボテック版では「ランド」(Rand)に氏名が変更されている。

OVA『 LOVE , LIVE , ALIVE』では、ペンライトを携えて、ライブが終わったイエローの基に仲間達と共にやってくる。

スティック・バーナード
声 - 島田敏火星難民の子孫側の主人公。マルスベース第2次地球降下部隊 第21機甲戦闘中隊所属の青年軍人。階級は中尉。20歳。第2次降下作戦においてレギオスで参戦するも、機体を損傷し地球に不時着する。軍人としての使命感とプライドが高く堅い性格で、恋人を奪ったインビットに強い敵意を抱く。地球へ来た当初は軍人気質が抜けず、仲間を失った傷心も相まって地球人に対して高圧的な態度が目立ち、レイとの初対面時でさえも命令口調を取るほどだった。しかし、レイやフーケたちとの旅で次第に心の傷が癒やされていき、彼らに対しては友情や仲間意識を感じるようになる。レギオスの操縦だけでなく、状況判断や指揮能力にも優れていることから仲間たちからの信頼は厚く、レフレックス・ポイントへ向かう一行のリーダーを務める。熱血漢だが、戦闘時には自分一人で敵の大群を食い止めようとするなど、若さゆえのやや冷静さを欠いた行動を取ることもある。訓練を受けた兵士としての矜持が非常に強く、旅の中で出会うインビットに従属する市民や戦いを捨てた兵士には、例え彼らにどんな理由があろうと同情はせず、憤りを露わにする。第10話ではポイントK[8]が壊滅させられていた光景を目の当たりにし、絶望のあまり戦意を失うこともあったが、アイシャとの触れ合いと愛を通じてレイと同じく成長していき、最終話でレイの説得を受け、レフレスが地球を発つ手助けをした後、アイシャに見送られながら火星への帰還の途についた。

本編中ではインビットと戦う理由を最も強く持っている人物で、主人公的に描かれているが、放送当時、学研の発行したムック(アニメディアの別冊)によると、本編の主役は相棒のレイであるとされており、オープニングではレイが人物の中で最初に画面に登場し[9]、ラストでも一番手前に位置するなど、第一主人公としての描かれ方がなされている。

ロボテック版では「スコット・バーナード」(Scott Bernard)に氏名が変更されている。

『 LOVE , LIVE , ALIVE』ではイエローに会いに、再び地球を訪れているが、どうやって来た(宇宙船、もしくはレギオスで)かは不明。

フーケ・エローズ
声 - 土井美加第2話から登場[10]。地球生まれの少女で、元暴走族『ブルーエンジェルズ』のサブリーダーだった16歳。インビット占領下の地球の裂孔地帯の下で造られた街で暮らしていたが、とある事件をきっかけに街を飛び出し、放浪の旅に出た。作中では明らかにされていないが、旅の途中で倒れた地球降下部隊の女性兵士を看取った際、体格の似通っていた彼女からバートレーを形見として受け取ったとされている。後にスティックたちと合流し、インビットとの戦いに身を投じる。勝気な性格で、当初は飄々として能天気なレイの態度に突っかかり、「グズ」呼ばわりすることも多かったが、その仲は徐々に互いを意識するものへ変化していく。メカに強く、バートレーを自在に乗り回し、ライドアーマーでの戦術をレイよりも早く体得していただけでなく、レギオスの操縦能力も直ぐに会得した[11]。第6話で、故郷の母親と妹のリリィ、かつてのチームメイト、密かに好意を寄せていたチームリーダーのロミーと再会し、対立相手との因縁の決着を付けた。その後もレフレックス・ポイントへの旅を続けたが、第15話での内輪もめの際には離脱することも考えた。インビットが地球を去った後は、レイと共に旅に出た。なお、主要メンバーで明確に肉親が描かれたのは彼女のみ。

シリーズ構成の富田祐弘が放送当時アニメ雑誌のインタビュー等で語っているところによると「『超時空要塞マクロス』のリン・ミンメイ松田聖子なら、フーケは中森明菜」という。

ロボテック版では「ルック・バートレイ」(Rook Bartley)に氏名が変更されている。

『 LOVE , LIVE , ALIVE』で、レイや、仲間達と共にイエローの基へやってきた。就寝シーンでは彼女とレイのみ、寝袋で寝ている(他のメンバーは毛布を被っている)。

ミント・ラブル
声 - 室井深雪(現・深雪さなえ)第2話から登場。理想の恋人を求めて旅をするが、いつも失恋してばかりの少女。13歳。旅の途中で出会ったスティック一行と、新たな出会いを求めて旅を続ける。オノマトペを二度繰り返す独特の口調と自身の声の高さが原因で大変騒がしく、お荷物扱いされるケースがほとんどだが、その存在がメンバーの清涼剤になったり、思わぬ形で活躍することもある。一行の中では戦闘に参加するわけでもなく、ただの随行者的な存在だが、一行と共に幾多のインビットとの戦いを生き残っており、レイが不在の時には彼のモスピーダを運転出来たり(第7話、第14話)、並の少女ではないことは確かである。結婚して幸せになることばかり考えがちだが、インビットの攻撃に対処するため仲間達と波長を合わせるのは得意で、第15話で分裂しかけた一行を繋ぎ止める役割も少なからず果たした。一行の中ではジムと最も仲が良い。二人称には目上の者であろうが物体であろうが、よく「ちゃん」を付ける。目を付けた男性がいれば、その所有財産などは必ず聞き出す腹黒い一面も見られ、ジムやジムの戦友の祖父、ジョナサン少佐にも歳の差をものともせず結婚をもくろんだりもした[12]。第14話で立ち寄った先の一族の族長の息子の花嫁となり、一行を離れるが、第15話でスティック一行が内輪もめで分裂しかけた際に舞い戻って来た。その際、離婚理由をジムなどに聞かれるが「言いたくない」と拒否する。第20話で過去が語られ、メンバーで唯一、誕生日を迎えた。物語終盤ではやけくそ気味でジムのジープに乗り込み「愛する者はインビットだ」と言い、自ら運転して、ジムと共にレフレックス・ポイントへ突入する。

次回予告は彼女が務める。本編だけでなく、彼女が務める予告ナレーションでもその反復オノマトペ口調を冒頭に用いるというキャラクター付けがなされている。なお、後述の通り一度離脱した第14話用の第15話予告冒頭のみこの口調ではない。

ロボテック版では「アニー・ラブル」に氏名が変更され、ミントは愛称(Annie "Mint" LaBelle)になっている。

『 LOVE , LIVE , ALIVE』では、かつての仲間達やジムと共にイエローに会いに来たが、一夜を過ごした後、1人早起きして去ろうとするイエローを見送ろうとするのをジムに止められる。

イエロー・ベルモント
声 - 鈴置洋孝 / 松木美音(女装時の声は松木が担当。2人1役。エンディングのスタッフロールでは、女装していない回でも両方が表記されている)第3話から登場。元軍人で、階級は不明。22歳。第1次降下部隊の生き残りで、妙齢の女性を思わせるほどの美青年[13]。軍人として肉体も相当に鍛えられており、走行中のバイクから木の枝に飛び移るという高い身体能力を持つ[14]。その反面、川や泉を見つけると安穏として水浴びを楽しむ癖がある。父親が第1次地球奪還軍の総司令官だったため不本意ながら軍人として参加することとなったが、第1次降下作戦でイエローの部隊は全滅。自身も撃墜され、森に不時着して負傷したままコックピットで身動きが取れなくなっていたところをカーラという女性に救助され、そのままカーラの家に匿われながら療養生活を送る。だがある日、街の人々による軍人狩りに襲撃されそうになり、カーラの咄嗟の判断に従って女装し難を逃れる。これをきっかけに以後も女装したまま素性を隠す生活を送り、女性の声を発する訓練を積みながら全快。その後に歌手としてデビューを果たし、ライブコンサートを開いて多くのファンを得るほどの成功を掴む。だがインビットとの戦いは決して捨ててはおらず[15]、スティックたちと出会い、彼らの戦いを目の当たりにしたことでひた隠しにしていた素性を明かし、同行を申し出る。


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