機動捜査隊
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ただし重大事件であれば事件発生後に捜査本部が設置され、多くの人員を必要とする場合には参加し、また逮捕状執行や捜索差押えなどの検挙活動に際して各警察署等から要請があれば、その応援に従事することもある[1]

機動捜査隊は刑事部直轄の執行隊であるが、一部の警察本部では捜査第一課に所属している[6][7]。一部の警察本部では立て籠もり事件に対処するため、捜査第一課特殊犯捜査係に機動捜査隊の捜査員を加えて、突入班を編成している[8]。また、警視庁では機動捜査隊に立て籠もり事件の初動対応に当たる突入班が編成されている[9]。なお栃木県警察では、機動捜査隊員が管区機動隊を兼務している[10]

北海道警察は、警察本部の刑事部に機動捜査隊を置いているほか、方面本部のうち、旭川函館北見の各方面については方面本部捜査課に機動捜査係を配置している。釧路方面本部は他と同様に捜査課機動捜査係が置かれているほか、帯広・十勝地域を担当する十勝機動警察隊の一個中隊が機動捜査隊の任務を担っている。また、札幌方面の一部警察署(苫小牧室蘭小樽千歳)の刑事課及び刑事第一課内に機動捜査係が置かれている。

福岡県警察は、本部刑事部機動捜査隊が福岡、筑豊、筑後地区を所管し、それぞれ地区隊を配置しているが、北九州地区については北九州市警察部隷下の機動警察隊が機動捜査隊の業務も併せて実施する体制としている[11]。なお、筑後地区については本部刑事部機動捜査隊に暴力団道仁会浪川会の実態把握を専門とする特別遊撃班が配置されている[12]

なお稀な例として茨城県警察は、令和5年度から機動捜査隊を廃止している。
装備

各都道府県警察で詳細は異なるが、通常の装備は以下のような物である。
個人装備愛知県警察の機動捜査隊員

一般的に機動捜査隊員の所持品はウエストポーチ回転式もしくは自動式拳銃ニューナンブM60S&WエアーウェイトP230等)、特殊警棒手錠を収納したうえで腰に装着する。ポケットには脱落防止のヒモで結びつけた警察手帳受令機を入れ、イヤホンをつなぎ、活動中は常に無線指令を傍受する。また、腕章を着用したり、耐刃防護衣防刃手袋も着用する。

通常、日本の私服警察官を常時携帯していないが、機動捜査隊員は初動捜査において凶器を所持している被疑者と遭遇する可能性が高いために、携帯している。自動車に搭乗して職務を行うために、銃はショルダーホルスターまたは拳銃や他の装備品携行専用のウエストポーチに入れているケースが多いが、勤務中に立ち寄った公衆トイレにこのポーチごと銃を置き忘れる例が何度か発生している[13]

機動捜査隊員の服装は私服であり、装備を収納したベストやウエストポーチを着用していることが多い。また殺人事件の現場などでは自分の毛髪を落とさないようにするためベースボールキャップ型帽子を被る場合もある[1]。なお初動捜査が秘匿を必要とする場合は、腕章や帽子を着用しない。加えて、一部の警察本部では背面などにMIUと印字されたレイドジャケットが支給されている。

腕章については警視庁の場合、小豆色地に黄色文字で「機捜」と表記されている(同じ捜査員でも「捜査」腕章着用者は所轄の刑事、「捜〇」(〇は漢数字)なら本部捜査一・二・三課の刑事)。なお、広域機動捜査班は所属部署名が記され「警視庁 ○機捜」(○は3つある各隊の番号、漢数字)と2行で表記されている(1個捜査隊の10個班のうち3個班は県境を超えた隣接区域でも初動捜査を行うことができる広域機動捜査班である)。なお上部に黄色線が入っている場合はその人は主任クラスで警部補、上下に黄色線が入っている場合は警部(隊長補佐、班長=係長クラス)もしくは警視(機捜隊長、管理官兼副隊長)。この腕章の規定は、警視庁刑事部各課と所轄署刑事課で共通となっている。
車両「捜査車両」を参照機動捜査用車(スカイライン)機動捜査用車(アリオン)

機動捜査隊に属する車両は機動捜査用車などで、トヨタ・マークXトヨタ・カムリトヨタ・アリオン日産・スカイライン日産・ティアナスバル・レガシィB4スズキ・キザシなど大排気量のセダンタイプが主に用いられている。
出典^ a b c d e 「【刑事部】機動捜査隊」『そこが知りたい!日本の警察組織のしくみ』古谷謙一朝日新聞出版、2017年。


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