機動戦士Zガンダム
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その一方で、ガンダム自体も『模型情報』や『コミックボンボン』などの雑誌で展開していたものの、劇場版三部作が公開されていた当時よりも売上が落ち込んでいたことから、バンダイ[注 3]により企画された。

企画自体はそれ以前の『ダンバイン』の放映時、クローバーの倒産によるスポンサー撤退直後から始まっており、続編の制作は『重戦機エルガイム』が始まった時にはほぼ決まっていた[5]。既に『ダンバイン』の後番組は『エルガイム』に決定していたが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}バンダイがクローバーの代わりにメインスポンサーを務める条件の一つが、ガンダムのテレビシリーズの復活であった[要出典]。

実際に富野監督がガンダムの続編の構想をスタートさせたのは1984年2月[6]。2月20日付の最初期のメモには「不足しているのは何か?/本当にやりたい事は何か?」というテーマ設定や「5年後のスタッフの発見」といったスタッフワークに関するものがあった[6]。2月から5月までは試行錯誤の時期にあたり、U.C.0111(トリプルワン)という未来を舞台にした「ゼーター・ガンダム」案、U.C.0045という過去を舞台にした「モビルスーツ アルファ・ガンダム」案が書かれている[6]。「ゼーター・ガンダム」案の方には、他人との精神的な同一状態を得る「ギャザー・スタイム」というニュータイプを超えるアイデアが書かれており、「ゼーター・ガンダムはギャザー・スタイムという機能を具有するのではないだろうか?」と書かれていた[6]。6月上旬頃に現在の形に近いストーリーラインがまとまり始め、それ以降、それをベースに推敲が重ねられた[6]。8月20日に「シチュエーション あれから7年後……。」と題した基本的な背景と1クール分のプロットのメモが完成する[6]。1984年11月、正式に企画が発表された[6]

テレビアニメとしてはかなりの準備期間があったにもかかわらず、主役機のΖガンダムはその複雑なデザインや変形機構のため、デザイン決定や商品化が遅れた。複数のデザイナーが参加したこともあって実際のデザイン作業には予想外に時間がかかり、番組への登場は後半開始の3クール目にまでずれ込んでしまった[7]。そのため、Ζガンダム登場までの間の前半2クールの主役機を担うガンダムの必要性が生じ、ガンダムMk-II の登場が決まった[7]。バンダイからの「Mk-IIはMSVの流れを汲んだもの」というオーダーの下、RX-78からフルアーマーガンダムヘビーガンダムへの流れの下流にあり、「可動」にも配慮がなされたデザインがなされた[8][9]

またバンダイからの「主力のΖガンダムが20話過ぎまで登場しないのだから、そのつなぎとしてMSVは出して欲しい」というオファーで、それまでプラモデルのみで展開していたMSVの本編への登場も決まった[10]。そもそもMSVは、サンライズがなかなかガンダムの続編を作ろうとしないためにバンダイが独自に展開していたものだったので、これを機に「自分たちは本気で作っている」ということをアニメ制作者側に認知してもらうという狙いもあった[10]

スタッフは、富野監督の「ガンダムの殻を破りたい」というリクエストと課題の一つに挙げていた若手育成のために、結果的に前作の世界観を担ったキャラクターの安彦良和とメカの大河原邦男には参加してもらいつつもその周囲を若手が固めるという体制となった[6]

サンライズ作品では初めてメカニカル作画監督が設けられ、内田順久が採用されて番組内でクレジットされた[6]
デザイン

キャラクターデザインは、前作のデザイナーであった安彦良和が担当した。1984年9月から作業に入り、監督の富野由悠季から届けられたプロットメモの文章を基にイメージ優先でデザインしたという[6]。しかし、この方法には行き違いが多く、デザイン完成後にその役割に合わせて描き直したものもあった[6]。後年、安彦は前作で富野とは「同志」とも言える関係であったが、本作では様変わりしてしまい嫌な思いしかないと述べており、直接会って打ち合わせができたのはアポなしで富野の仕事部屋に上がり込んだ1度きりだったという[11]。また安彦はデザインのみで作画を手掛けないことも決定事項にあり、実際の作画の柱となったのはニュアンスがある柔らかい絵柄の安彦とは対照的な、立体的でデッサン的に固い絵柄の湖川友謙に影響を受けた北爪宏幸であった[6]

メカニックデザインに関しては、クレジット上で名前があるのは大河原邦男藤田一己で、それに加えてデザインワークスとして永野護が載っている[10]。しかし実際にはこの3人以外にも、小林誠近藤和久明貴美加岡本英郎大畑晃一はばらのぶよし、林裕樹、佐山善則村上克司小田雅弘、スタジオけむ、ビシャルデザインなど、数多くのデザイナーやモデラー漫画家アニメーターが携わっている[10][12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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