機動戦士ガンダム00
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ファーストシーズンは2007年10月6日から2008年3月29日までMBSTBS系列土6」(一部地域遅れネット)にて[注 5]、セカンドシーズンは2008年10月5日から2009年3月29日まで「土6」枠の後継枠であるMBS・TBS系列「日5」(全国地域同時ネット)にて、それぞれ放送された。

ファーストシーズンは前々番組『天保異聞 妖奇士』の後番組として放送する予定だったが、諸事情により2クールで終了したため繋ぎ番組として『地球へ…』を放送した上でスタートした。

なお、ガンダムシリーズのテレビ作品では初のハイビジョン制作である[5]

さらに2010年9月には、シリーズ完結編として映画『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』が公開された。

2017年3月には、放送開始10周年を記念して公式サイトがリニューアル。ガンプラ「PG 1/60 トランザムライザー」の予約解禁、監督・キャストのコメントなどが公開された[6]

2018年4月14日に幕張イベントホールにて行われた「ガンダム00 Festival 10 “Re:vision”」にて新作制作が発表された。舞台化も決定し、2019年2月に上演された[7]
製作エピソード

監督である水島精二はインタビューに際し、企画初期には宇宙生物と戦う案を提出したものの、打ち合わせを重ねるごとに戦争を扱った題材となり、もう一つの初期案であった「戦争の無くならない、地球が一つになれない」ストーリーに変遷したという。また、キャラクターデザインに高河ゆんを起用した点については若年層の視聴や戦争を題材にする故のハードな描写ではリアルな絵では痛いものになる可能性があった点と、複数の人間に高河ゆんを推薦されたことから、他のイラストレーター等とのオーディション形式で決定した説明している[8]。また、水島は別のインタビューにおいて西暦を舞台にするうえでこれから実現するであろう科学技術のトピックを取り込む流れがあったため、世界観設定を作る際に一緒に映像を考えられる人物として科学雑誌やハードSF、最新のトピックに造詣が深い寺岡賢司を起用し、文芸面でのまとめ役として千葉智宏が参加したと語っている。また、放送時から300年後の未来という舞台設定においては、軍事考証の岡部いさくから「300年後なら何が起こっているか分からないから大丈夫ですよ」という意見のもと決定したとしている。演出面においては、MSを描く際にミリタリー、スーパーロボットどちらに寄せるかで大分変ってくるため、『機動戦士ガンダムSEED』はスーパーロボット的なニュアンスだった、それに際し著名なアニメーターと会話した際に(当時の)「今の若い子はああいうアクションが好きだよね」という話題が上がった事から、これがヒントとなりミリタリー的な三大陣営とスーパーロボット的なガンダムの対決という構図になったとしている[9]

脚本を担当した黒田洋介は書籍のQ&Aにおいて、本作にてガンダムを従来の5機編成ではなく4機編成にした点について、過去のガンダム作品を鑑みて5機では目立たない機体が出るため、4機とした旨を語っている[10]。また、黒田は別のインタビューにおいて当初は50話分のショートプロットを提出したものの、2シーズン制となったとしている(シナリオの基本はそれほど変わらないとしている)。このために、当初のプロットでは30?32話前後から4年が経過しダブルオーガンダムが登場する予定が改められ、元々の31話分をファーストシーズンに変更、それだとセカンドシーズンの要素が足りないため、ライルとアニューのエピソードが追加されたと語っている。また、『2nd』ラストの表記がSF小説作品「幼年期の終わり」を意識したものであり、イノベイター登場後のシナリオが人類を大局から見るSF色が濃いとするインタビュアーの問いに対し、黒田は監督である水島からの言及として、SF小説である「ファウンデーション」のにおいもする、自身もジェイムズ・P・ホーガンが好きであるために起きている事象を大局的に見る所はあるかもしれないとしつつも、『00』では俯瞰で大局を描くよりも、その中で一瞬を生きる人間を切り取って書いたと語っている[11]
物語

西暦2307年、人類は枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として宇宙太陽光発電システムと軌道エレベーターを実用化していたが、莫大な建造費が必要なこれらのシステムを所有しその恩恵が得られるのは「ユニオン」、「AEU」、「人類革新連盟」の世界三大国家群のみだった。それらの超大国間には全面的な対決こそないものの熾烈な軍備開発競争による冷戦状態が継続し、また、いずれの国家群にも属さなかった小国は貧困にあえぎ、紛争や内戦を繰り返していた。
ファーストシーズン

西暦2307年、新型モビルスーツ(以下“MS”)の公開軍事演習を行っていたAEUは、突如所属不明のMS2機の襲撃を受ける。額に“GUNDAM”と刻印されたそれらの機体は、圧倒的な機動性と攻撃力でAEUのMSを破壊していった。同じころ、人類革新連盟の宇宙ステーションを襲撃したテロリストを、同様の刻印が施された別の2機が迎撃し、多数の市民の命が救われた。

この騒動にメディアが沸き立つ中、世界に向けて1つの声明が発表される。4機のMS「ガンダム」を所有する私設武装組織「ソレスタルビーイング(以下“CB”)」は、戦争・内乱など世界中のあらゆる武力紛争に同じ武力をもって介入し、戦争根絶を目指す集団であるという。それは「平和のための武力行使」という矛盾を抱える行為であった。

莫大なエネルギーを生み出す「太陽炉」こと「GNドライヴ」を搭載した4機のガンダムを操るのは、刹那、ロックオン、アレルヤ、ティエリアら4人のガンダムマイスター達。武力介入を行ないながらも、その最中に人命救助を行なうなど、矛盾した行動をとる彼らの存在に世界は混乱。存在を否定するかのごとくテロが起きる一方、彼らを正義だと称える声もあり、賛否両論が巻き起こる。また、日本に暮らすごく普通の学生、沙慈も世界の変革へと徐々に巻き込まれていく。

各国家群は己の威信をかけ、ガンダムを手に入れようと様々な作戦を実行。各国家群のエースパイロット達も出撃するが、ガンダムとの性能差の前にことごとく敗北、CBは着実に武力介入を達成していった。そうした中で、世界三大国家群は史上初の合同軍事演習の名目で、大規模なガンダム鹵獲作戦を決行。圧倒的な物量を前についにガンダムも敗北するかと思われたその時、「トリニティ」を名乗る新たなガンダムマイスター達が出現する。彼らによって窮地を救われた刹那達だったが、彼らはこれまでの武力介入を手緩いものとし、より過激な武力介入を始めた。

民間人をも巻き込むトリニティの武力介入に疑問を感じた刹那達は彼らと決別するも、彼らの介入による市民達の憎悪がCBに向けられていた。そんな中、CBの監視者の1人であるアレハンドロの裏切りにより、「擬似太陽炉」こと「GNドライヴ[T]」が各国家群へと渡る。トリニティによる過激な武力介入は、CBの計画を掌握しようとする彼の計略であり、CB討伐を行う国連軍結成を促すための布石だった。用済みとなったトリニティのうち、ヨハンとミハイルは始末され、さらには謎の少年リボンズの協力によって、CB計画の要である量子コンピュータ(量子型演算処理システム)「ヴェーダ」も掌握されてしまう。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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