横溝正史
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

柏書房によるコレクション

柏書房は2017年 - 2018年に『横溝正史ミステリ短篇コレクション』6巻、2018年 - 2019年に『由利・三津木探偵小説集成』4巻、2021年に『横溝正史少年小説コレクション』7巻を刊行した[79]。角川文庫収録作品の多くが出版されなくなった状況を受けての刊行であるが、初出または初刊の状態を基準として校訂し直すという方針も強調している。

『横溝正史ミステリ短篇コレクション』は、金田一耕助、由利麟太郎、三津木俊助が登場しない短編作品で、捕物帳などの時代小説でもジュブナイル作品でもないものを集めている。すなわち、1984年までの角川文庫に収録された作品のうち、

『自選人形佐七捕物帳』に収録された作品

別番号のシリーズに収録されたジュブナイル作品

金田一または由利&三津木が登場する作品

『びっくり箱殺人事件』『神変稲妻車』『髑髏検校』『女が見ていた』『呪いの塔』

を除いた全作品を、角川文庫と同じ順序(一部に編冊単位の順序が違う部分、ごく一部に編冊内での順序が違う部分がある)に収録し、さらに角川文庫未収録の『湖泥』(金田一耕助登場作品とは別)および『鬼火』の自筆原稿に基づくオリジナル版も収録されている。

『由利・三津木探偵小説集成』は由利麟太郎または三津木俊助が登場する作品を集めている。角川文庫(ジュブナイル作品以外)に収録された由利&三津木登場作品のすべてと、翻案ものという理由で収録されなかった『迷路の三人』[注 52] および未完の『神の矢』[注 53]『模造殺人事件』が収録されており、確認されている全作品(『仮面劇場』を長編化する前の原型作品[注 54]およびジュブナイル作品を除く)と考えて良いと思われる。

『横溝正史少年小説コレクション』はジュブナイル作品を集めている。ジュブナイル作品は読者層が短期間で成人向け作品に移行すると想定されることなどにより、時代背景を変更したり掲載媒体に合わせて短縮したりするなどの改変が加えられて再公表されることがあり、元の形が判りにくくなる場合がある。当初は由利&三津木登場作品だったものが金田一ものに改稿された事例もある。このような状況を踏まえて、初出または初刊を重視する方針に基づいて再整理し系統的なコレクションとしたものである。また、掲載誌の休刊により中断し改めて書き直された作品は両方のバージョンを併録するなど、未完作品や未発表作品も積極的に収録している。なお、一般にジュブナイル作品は掲載誌が散逸しやすい傾向があり、横溝正史作品についても多数の角川文庫未掲載作品が論創社の『横溝正史探偵小説選』に収録されているが、重複は原則として避けている[注 55][80]
未収録作品等の刊行

角川文庫では横溝正史作品を網羅的に刊行したが、中断作品はもとより、長編に改稿された元の短編作品が収録されなかった。このうち金田一耕助登場作品については、元となった短編作品の収録を目的として『金田一耕助の帰還』(出版芸術社1996年 ISBN 978-4-88293-117-1光文社文庫2002年 ISBN 978-4-334-73262-2)および『金田一耕助の新冒険』(出版芸術社1996年 ISBN 978-4-88293-118-8、光文社文庫2002年 ISBN 978-4-334-73276-9)が刊行されている。ただし、中絶作品や金田一耕助が登場しない原型作品、『不死蝶』『火の十字架』の原型作品、『迷路荘の怪人』を最終的に『迷路荘の惨劇』とする前の中間段階の作品は収録されていない[注 56][注 57]

その後も角川文庫に収録されなかった作品の整理が進んでおり、その成果としてカドカワノベルズから1999年に『双生児は囁く』ISBN 978-4-04-788140-2(2005年に文庫化 ISBN 978-4-04-355502-4)、2000年に『喘ぎ泣く死美人』ISBN 978-4-04-788149-5(2006年に文庫化 ISBN 978-4-04-355505-5)が刊行されている。

出版芸術社は2003年 - 2004年に『横溝正史時代小説コレクション』全6巻を伝奇篇3巻と捕物篇3巻という構成で刊行した。伝奇篇は捕物帳ではない時代小説で出版実績の乏しい作品を集めたもので、比較的長い作品が多い。捕物篇のうち2巻は人形佐七捕物帳のうち春陽文庫の「全集」に収録されなかった30作を収録したものである。残る1巻は人形佐七以外の捕物帳を集めたもので、後に人形佐七ものに改稿された作品も含まれる。

さらに出版芸術社は2004年に『横溝正史探偵小説コレクション』3巻を刊行し、2012年に4、5を追加刊行した。2004年刊行の3巻は、角川文庫などへの未収録が多い戦時中や戦後の作品を、おおむね発表時期順に収録したもので、少数の角川文庫所収作品を除いて未収録作品である。金田一ものに改稿された原型作品6作も含まれる。4は後に長編化された原型作品のうち「短編」とは言えない分量がある『迷路荘の怪人』『旋風劇場』を収録している。5は「岡山もの」の短編を集めたもので、『首』の未発表改定増補版を除いて角川文庫所収作品である。

論創社は2008年に『横溝正史探偵小説選』3巻を刊行し、2016年に4、5を追加刊行した。いずれも単行本への収録実績が無い作品を集成したものであり、既に単行本化されている作品の異なるバージョン(『恐ろしきエイプリル・フール』など)も含まれる。1は翻訳翻案作品を含む初期作品が中心であり、2は専らジュブナイル作品、3はジュブナイル作品の追加や時代小説のほか、多数の評論随筆を集めている。追加刊行されたうち4に収録されているのは専ら時代小説で、後に人形佐七ものに改稿された作品も多数含まれる。5にはジュブナイル作品や未完作品、および金田一耕助登場原型作品で未収録だった『不死蝶』が収録されている。
演じた俳優

香川照之 - 『RAMPO』(松竹

小日向文世 - 『犬神家の一族』『八つ墓村』『女王蜂』『悪魔が来りて笛を吹く』『悪魔の手毬唄』(いずれもフジテレビ金田一耕助シリーズ」)

横溝正史(本人) - 『病院坂の首縊りの家』(東宝)、『金田一耕助の冒険』(東映

その他
研究・解説本


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:181 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef