外国人(日本国の国籍を有しない者をいう。)の権利能力には、「法令又は条約に禁止ある場合」があり得る(民法第3条
2項)。その例として、土地に関する権利の享有(外国人土地法1条)、国家賠償(国家賠償法6条)などが採用する相互主義に基づく制限や、知的財産権の享有に関する制限(特許法25条、実用新案法55条3項、意匠法68条3項、商標法77条3項など)がある。法律により権利能力(法人格)が認められ、権利義務の主体となることのできるもの(社団または財団)を法人という。法人の権利能力には、以下のような制限がある。
性質による制限
婚姻関係の当事者となるなど、性質上自然人のみが主体となる行為についての権利能力はない。
法令による制限
権利能力の範囲は、法令によって制限され得る。
目的による制限
従前は、法人の目的の範囲を超える行為についての権利能力はないとされていたが(ウルトラ・ヴィーレスの法理を参照)、最近は行為能力の制限または代表者の代表権の制限にとどまると解する見解が有力である。「目的の範囲」は営利法人の場合については広く緩やかに、非営利法人の場合については文言解釈