日本語では「治療指針」。エビデンスのシステマティックレビューと複数の治療選択肢の利益と害の評価に基づき、患者ケアを最適化するための推奨を含む文書」(米国医学研究所:Institute of Medicine 2011)や「診療上の重要度の高い医療行為について、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益と害のバランスなどを考量し、最善の患者アウトカムを目指した推奨を提示することで、患者と医療者の意思決定を支援する文書」(Minds 2016)と定義されている[9]。
世界で行われた数多くの臨床試験により、毎年国内外で開催される学会で多くの研究結果が報告されるが、これらの最新情報をもとに専門家が集い討議を重ね、その時点で最善だとするコンセンサスの得られた治療法が「標準治療」となり、この合意事項をまとめたものが「ガイドライン」で医療者向けに公開される[10][2]。日本では、1998年から1999年にかけて厚生労働省・医療技術評価推進検討会が、科学的根拠に基づく医療の普及を目的としてガイドラインの作成に研究助成を行うことが決定され、作成が促がされた。ガイドラインは、医療専門家だけではなく、医師以外の医療者、患者と家族、介護者などにも、診療内容が簡単に理解できるよう、推奨される診療の可視化とコミュニケーション・ツールとしての役割を果たしている[5]。
脚注^ a b “理解しにくい医学研究用語