歴史的に、「極右政治」はファシズム、ナチズム、ファランギズムの経験を表現するために使われてきた。現代的な定義には、ネオ・ファシズム、ネオナチ、第三の位置、オルタナ右翼、人種至上主義、その他の権威主義、超国家主義、排外主義、外国人嫌悪、神権主義、人種差別主義、同性愛嫌悪、トランスフォビア、反動的な見解を特徴とするイデオロギーや組織が含まれる[3]。
極右政治は、土着の民族集団、国家、民族宗教、支配的文化、保守的社会制度に対する劣等や脅威と認識されたことに基づく、集団に対する弾圧、政治暴力、同化の強制、民族浄化、大量虐殺を引き起こしてきた[4][5][6]。 一般的には思想の性向が極端に右翼的であったり、民族主義的である個人や集団を指す場合が多い。通常、自己の帰属する国家・民族が他に対して絶対的に優越するという信条のもとに、他民族の排除、ならびに従属化を肯定する自民族至上主義をその本質とする[7]。 その思想・行動における傾向として、自国・自民族の結束の基礎となる権威の崇拝(権威主義・国粋主義)、自国・自民族が他者に絶対的に優越するという信条(自民族至上主義・民族差別・選民思想・排外主義・外国人嫌悪・極端な愛国心)、社会改革を目的とする暴力的手段の肯定(テロリズム・過激主義・急進主義)、自国・自民族を主体とする武力行使の積極的肯定(軍国主義)、男権主義(男尊女卑・ミソジニー)、その他の社会的少数者の排除(優生思想・反同性愛主義)などが含まれる[8]。 その典型として、ごく一般的には超国家主義(ファシズム・ナチズム・ネオファシズム・ネオナチなど)の思想・運動・体制が含まれるとされる。また、宗教的原理主義(キリスト教原理主義・イスラム原理主義・ヒンドゥー原理主義)は、しばしば共産主義を含む進歩主義勢力と対決姿勢をとることから、政治的には極右に分類される場合が多い[9][10][11][12][13]。 ただし、極右・右派・中道・左派・極左などの分類はあくまで発語者の主観に基づく相対的なものであり、強い民族主義的傾向をもつ個人・集団を批判するレッテルとして用いられる側面がある。しばしば思想内容よりも行動上の過激主義や、共産主義を掲げた全体主義(スターリニズム・マオイズム・主体思想)を指す場合もあるように、極右(極左)の語は、状況によって様々な意味で使用され、相互に矛盾する場合も少なくない[14]。 極右は、宗教右派、国家社会主義、超国家主義、愛国主義、国粋主義、復古主義のうちでも特に過激な政治主張・行動を指してきた。これらを主張する者のなかには民族主義、排外主義、歴史修正主義等を標榜する団体も少なくない。 極右は、共産主義・社会主義ないし革新的な主張を「国民の統制を乱し、(自分達が尊敬し、価値あるものと信じている)国家体制を破壊する」として批判・攻撃し、民主主義社会で保障されている自由権を抑圧するような主張(滅私奉公、在留外国人や移民に対する暴力・侮蔑・罵倒を以ての排斥運動、近隣国の敵視と脅威論の流布、大幅な軍備増強など)を行い、また自国政府が自分達の意を酌まなくなったと感じた場合は暴力による打倒と、より自分達の意に沿う政府の樹立を企む。
概要
歴史