2009年9月10日に当時の大阪府知事であった橋下徹が、大阪ワールドトレードセンタービルディング(現大阪府咲洲庁舎)への府庁移転問題に絡み、桜島駅から南港ポートタウン線(ニュートラム)のトレードセンター前駅までの約4kmの延伸を検討していることが、報道で明らかになった[52]。府庁の全面移転は断念したが[53]、大阪府と大阪市が夢洲に誘致を進めているカジノを含む統合型リゾートの鉄道アクセスとしても桜島線の延伸が計画されている[54]。なお、夢洲は2018年11月23日深夜に決定した2025年の大阪万博の会場でもあるが、JR西日本の来島達夫社長は万博開催のみでの延伸は実施しないとしている[55]。
この計画では、港湾護岸の下を通るためユニバーサルシティ駅の西付近から地下化し、桜島駅も地下化される。工事延長は約6kmで、整備費は約1,700億円である。同じく地下鉄中央線の夢洲への延伸よりも事業費が約3倍になり、工期も長くなることが懸念されているものの、大阪駅周辺へのアクセスも約22分と最短で、関西主要拠点へのアクセスが改善されるとされている[56]。
なお、橋下は都市戦略上はJR桜島線の延伸を目指すべきだと発言している[57]。
それより前は、1994年1月に当時の大阪市長であった西尾正也が2008年大阪オリンピック招致を表明した際に、そのアクセスとして舞洲まで延伸が検討されたことがあった[58][59]。
また大阪府は2012年に桜島駅より咲洲、南港を経て長居駅に至る路線構想の実現を目指すと発表している[60]。
2025年に夢洲を中心に開催される2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に向けては前述の延伸計画とは別に、従来からの大阪環状線・天王寺・京橋方面から大阪駅(既存の環状線高架ホーム)経由で乗り入れる列車に加え、2023年3月に開業した大阪駅地下ホーム(うめきたエリア)を介して、新大阪駅からの臨時直通列車の運行も検討されている。これに際しての新線建設(桜島線の延伸)はせず、西九条駅にホーム柵(ホームドア)を設置するほか、当線の区間運転列車についても1時間最大12本程度の列車を増発する予定である[61][62][63]。 元々西九条駅 - 桜島駅間は独立した路線ではなく、西成鉄道を鉄道国有法により買収した西成線(にしなりせん)の一部を1961年の大阪環状線全通時に分離したものである。沿線工場への貨物輸送や通勤路線という目的から昼間は閑散とした状態が続いていたが、USJ開業後はそのアクセス路線として終日賑わっている。
歴史
西成線西成鉄道(1906年)
1898年(明治31年)