核家族そのものは人類の普遍的な家族形態とされる[4]。古来の核家族は、周囲に血縁関係のある人々が住み、大家族的な生活を営んでいた[4]。これに対して、現代の核家族、特に都市で新たに世帯を構える核家族は、近隣に血縁者が存在しない孤立した核家族である[4]。この点が古来の核家族と異なり、孤立した子育てなど新たな課題を抱えている[4]。
大家族に比較して、転居や住居の改造など居住に関するフレキシビリティーが高く、親類間のプライバシーが維持しやすいが、多人数で同居する大家族と比べて、親子三世代による家事労働や育児、家内労働の分担がしづらくなる。 日本の場合、核家族率そのものは1920年(大正9年)に54%とすでに過半数を占めており[4]、1960年代に急激に上昇し、1963年(昭和38年)には流行語となった。世帯構造に占める核家族率は、1975年(昭和50年)の約64%を頂点として、以後約6割で推移している[4]。 1989年(平成元年)は、「夫婦のみ」の世帯が約16%、「夫婦と子」が約39.3%、一人親家庭が約5%であった。2000年代前半の世帯別家族構成の内訳は「夫婦のみ」が約20%、「夫婦と子」の形態が約30%、一人親家庭が約8%であった[5]。2016年(平成28年)は、「夫婦のみ」が約23.7%、「夫婦と子」が約29.5%、一人親家庭が約7.3%であった。 1990年から2016年にかけて、世帯構造に占める核家族率は安定した推移であるが、その内訳とされる世帯類型に変化がみられ、「夫婦のみ」と「一人親家庭」世帯が増加する反面で、「夫婦と子」世帯は年々減少傾向にあり、少子化や社会保障が議論されている。 単身世帯(たんしんせたい)とは、一人で1戸を構えて暮らしている人、間借りして一人で暮らしている人、寮・寄宿舎、下宿屋に住んでいる単身者一人一人をいう。「一人暮らし」(ひとりぐらし)ともいう。単身世帯をいとなむ理由は、独身未婚のほか、夫婦の別居・離婚・死別、子の独立などによる。 1975年(昭和50年)以降、単独世帯、特に高齢者の単独世帯が急増しており、これは産業構造の変化(東京一極集中など)や人口の都市化、転勤などの物理的事情により、子ども世代が、長寿化してきた親夫婦と同居が困難になっている現状を示している[6]。別居している老親の長寿化にともなう介護問題、あるいは夫婦の共稼ぎの増加により下校後の子ども(小中学生前後)が家で独りきりになる問題が議論される原因の一つである。2015年(平成27年)、国勢調査では34.6%に増えている。
人口推移
核家族化
単身世帯
単独世帯の増加
関連項目
家族
社会学
家族社会学
無縁社会
節税
一人親家庭
少子化・高齢化
単身赴任
独居老人
DINKs
参考文献[脚注の使い方]^ 祖父江孝男『文化人類学入門・増補改訂版』(中公新書560)、中央公論新社、1990年、p.131。
^ a b c 沢山美果子ほか『「家族」はどこへいく』青弓社、2007年、105頁。
^ ⇒[1]
^ a b c d e f “第5章 社会全体の意識改革: 子ども・子育て本部 - 内閣府
^ 『現代用語の基礎知識』(2007年(平成19年版))、自由国民社。
^ 『少子化と家族』宮坂靖子(奈良女子大学助教授)情報誌「岐阜を考える」1998年秋号岐阜県産業経済研究センター[2]
表
話
編
歴
家族
世帯
核家族
拡大家族
義理家族(英語版)
機能不全家族
近親
配偶者 (夫・妻)
親 (父親・母親)
子供 (息子・娘)
兄弟姉妹
拡大家族
祖父母 (おじいさん・おばあさん)
おば
おじ
いとこ
甥
姪
共通祖先
義理家族(英語版)
義親
義兄弟姉妹
親族
養子縁組
姻族関係(英語版)
血縁
勘当
離婚
擬制的親族(英語版)
結婚
先祖・家筋
双系出自(英語版)
姓
系図
系譜学
家宝(英語版)
遺伝
相続
母系制
父系制
関係
アガペー (親の愛)
エロス(英語版) (夫婦愛)
孝
フィリア/友愛
ストルゲー (家族愛)
崇敬
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