核シェルター
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アメリカ合衆国では、核シェルターへの連邦政府補助金は1970年代に正式に廃止された[2]
日本におけるシェルターの現状

日本におけるシェルター普及率は、0.02%(2014年)である[3]。また、公共の場にシェルターを整備する公共事業の計画はないが、内閣官房・総務省では、国民保護のために『武力攻撃テロなどから身を守るために』と題したマニュアルを作成している。その内容は、容易に実践できる民間防衛の要領である。例えば、大量破壊兵器が使用された際、有毒ガスや放射性物質を含む外気を阻むため、できるだけ窓のない一室を選び、目張りなどで密封して簡易的なシェルターに改造する方法(屋内退避)などが示されている。このマニュアルは、内閣官房が運営する国民保護ポータルサイトで閲覧できる[4]

東京などの大都市の地下鉄およびその駅について、「核シェルターとして造られた」という話が都市伝説として流れた例がある。特に国会議事堂前駅のように政治・軍事上の要所に近い駅は、こうしたの題材となりやすいが、証明されたことはない。駅の構内に大人数を収容することは可能だが、換気装置がない限り、放射性降下物や化学兵器からの防護はできない。なお、首相官邸危機管理センター生物兵器や様々な事態を想定した入り口になっているとされる[5]

実際の核シェルターとしては、ハルマゲドンを唱えたオウム真理教長野県内に核シェルターを建設しようとしていた例がある[6]

日本における人口あたりの核シェルター普及率は、NPO法人日本核シェルター協会調べによると0.02%という現状である(全人口に対し、何%の人を収容できるシェルターが存在するかを基準として)これはスイスイスラエル100%、アメリカ82%、イギリス67%などと比べても極端に低い[7]。また、核シェルターを専門とした国内販売業者は、株式会社シェルターコンサルタントや株式会社織部精機製作所など数社に限られている。

最近では、北朝鮮によるミサイル発射[8]2022年ロシアがウクライナに侵攻したことより、国内でも関心が高まっている。いくつかの自治体は、ふるさと納税返礼品として核シェルターを用意していたり[9]ハウスメーカー住宅展示場の様な身近な場所で販売するなどして、普及を進めようとしている[10]。しかしながら、一般家庭における設置費用は1500万円から2000万円程度と高く、普及の足枷となっている[11]

日本では栃木県矢板市茨城県結城市ふるさと納税の返礼品として核シェルター(防災核シェルター)を設定した実績がある[12]


イスラエル・メルハブ・ムガン (Merkhav Mugan)

アメリカ合衆国

シャイアン・マウンテン空軍基地

大統領危機管理センター

ギリシャ島プロジェクト (Project Greek Island)


カナダ・緊急政府本部 (Emergency Government Headquarters、ディーフェンバンカー(英語版))

スイス・ゾンネンベルク・トンネル (Sonnenberg Tunnel)[13]

などが知られている。

イギリス

ウッドノートンホール(英語版) ‐ 第二次世界大戦中に臨時拠点・放送センターとされ、冷戦中も核戦争に備え核シェルターが整えられたとされるBBCの施設[14]



脚注^ 核シェルター(読み)カクシェルター:デジタル大辞泉「核シェルター」の解説(コトバンク)
^ Science: Thinking the unthinkable: Don’t rely on these historic fallout shelters in case of a nuclear attack (CNBC, 2017)
^ “核シェルターの普及状況に関する質問主意書:質問本文:参議院”. www.sangiin.go.jp. 2022年6月29日閲覧。
^ “ ⇒武力攻撃やテロなどから身を守るために”. 内閣官房 (2006年3月31日). 2013年2月23日閲覧。
^ 「官邸や自分に不利なことも正直に話す」 寺田学・元首相補佐官が語る東日本大震災の15日間【1/8】 。HuffPost
^ “活発化する動き オウム真理教 反社会的な本質とその実態”. 警視庁. 2016年10月30日閲覧。
^ “核シェルターはなぜ日本で普及しないのか?石破茂氏が東京大空襲時の教訓を指摘、地下鉄は対応不可?”. よろず?ニュース. 株式会社デイリースポーツ (2022年9月11日). 2022年9月11日閲覧。
^ “自宅に核シェルター、日本特需 注文、2年前ゼロ→今年100件超:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2022年6月29日閲覧。
^ “「核シェルター」ふるさと納税の返礼品に 寄付額2090万円で 茨城・結城市 毒ガス対応フィルター搭載:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年6月29日閲覧。
^ 日本放送協会. “自宅に「核シェルター」はいかが? ウクライナ侵攻で関心呼ぶ 。NHK”. NHK鹿児島放送局. 2022年6月29日閲覧。
^ “核攻撃に耐える家庭用シェルター、ウクライナ侵攻で問い合わせ急増 沖縄からも 。沖縄タイムス+プラス ニュース”. 沖縄タイムス+プラス. 2022年6月29日閲覧。
^ “「核シェルター」ふるさと納税の返礼品に 寄付額2090万円で 茨城・結城市 毒ガス対応フィルター搭載”. 東京新聞 (2022年2月7日). 2022年2月8日閲覧。
^ 巨大防空壕の閉鎖(Swissinfo.ch、2006年)
^ Kelly, Guy (2022年3月2日). “How many nuclear bunkers are there in Britain... and who would get in?” (英語). The Telegraph. 2024年2月5日閲覧。

関連項目

掩体壕

プレッパー

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、核シェルターに関連するカテゴリがあります。

Cresson H. Kearny: Nuclear War Survival Skills (Updated and Expanded in 1987)


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