(1)株主が、会社を最終的にコントロールする権限(取締役を選任し、会社の運営上重要な事項を承認する権限)を有すること、(2)会社の純利益は株主に帰属することを指して、株主が会社を所有するという[22]。この意味で、会社は、組合、匿名組合、信託などと同様、出資者が所有する共同事業形態であるといえる[23][注釈 1]。もちろん、会社の純利益が株主に帰属する反面、会社に損失が出た場合も、株主は(配当を受け取れない、あるいは株価の下落という形で)そのリスクを負担する[24]。
なお、上記のような法学的な説明とはやや異なる意味で、会社の目的は、株主の利益を最大化することにあるという立場(株主主権論)から「会社は株主のものである」という主張がされることがある[25]。これに対しては、「会社はコア従業員(長期的に会社に関わる従業員)のものである」という従業員主権論や、「会社はステークホルダー(株主、従業員、顧客、取引先、地域社会といった利害関係者すべて)のものである」という主張もされている[26]。このような会社は誰のものかという議論は、経営やコーポレート・ガバナンス(企業統治。後述)の重点をどこに置くかについての議論であるといえる[27]。また、ステークホルダー型コーポレート・ガバナンスと関連して、会社は地域の利益や雇用、環境を守る責任があるという企業の社会的責任(CSR) も主張されている[28]。
ただし、例えば株主主権論の立場に立つとしても、従業員等のステークホルダーに正当な対価を支払わなければ株主の利益を生み出すことができないというように、「会社は誰のものか」という議論を、専らある者の利益のために会社を経営すべきであるという主張として理解することには実益があると指摘されている[29]。
各国の株式会社「会社#各国の会社」、「株式会社 (日本)」、「株式会社 (ドイツ)」、「株式会社 (ポーランド)」、「公共株式会社」、および「コーポレーション」も参照
各国・地域の株式会社法域公開型閉鎖型
日本日: 公開会社 (株式会社)(公開会社でない株式会社)
インドネシアIndonesia: Perseroan Terbatas
16世紀から17世紀の大航海時代、ヨーロッパでは、共同資本により、貿易や植民地経営のための大規模な企業が設立されるようになった。