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クリ
受粉に成功した雌花(2008年7月5日、長野県)
分類(APG III)
クリ(栗、学名:Castanea crenata)は、ブナ科クリ属の落葉高木。クリのうち、各栽培品種の原種で山野に自生するものは、シバグリ(柴栗)またはヤマグリ(山栗)と呼ばれる、栽培品種はシバグリに比べて果実が大粒である。また、シバグリもごく一部では栽培されている。クリの仲間は日本種、中国種、アメリカ種、イタリア種があるが、植物分類学上の種としてのクリは、日本種(ニホングリ)のことを指す。 和名「クリ」の語源は諸説あり、食料として古くから栽培され、果実が黒褐色になるので「黒実(くろみ)」になり、これが転訛して「クリ」と呼ばれるようになったという説[3]、樹皮や殻が栗色というところから樹名になったという説[4]、クリとはもともと「小石」という意味の古語で、かたい殻を持つ落ちた実を小石に例えてクリと呼んだという説[4][5]などがある。日本では野生種はヤマグリ(山栗)と呼ばれ、果実が小さいことからシバグリ(柴栗)とも言い[3]、これを改良した園芸種がニホングリ(日本栗)である[6]。中国植物名は栗(りつ)[7]。中国のシバグリが、甘栗(天津甘栗)として市販される栗である[3]。 英語名のチェストナッツ(Chestnut)は、いがの中の果実がいくつかに分かれている様子から、部屋の意味の Chest から命名されている[4]。学名のクリ属を表すラテン語のカスタネア(Castanea)は、実の形から樽を意味するカスクに由来する[4]。日本の栗は、学名でカスタネア・クレナータ(Castanea crenata)と呼ばれる種で、クリ属の中でいわゆる日本種の中心をなすものである[4]。 日本と朝鮮半島南部原産。北海道西南部から本州、四国、九州の屋久島まで、および朝鮮半島に分布する[4][8]。暖帯から温帯域に分布し、特に暖帯上部に多産する場合があり、これをクリ帯という。北海道では、石狩低地帯付近まであるが、それより北東部は激減する[4]。 日当たりの良い山地、丘陵などに自生する[3]。ただし、現在では広く栽培されているため、自然分布との境目が判りにくい場合がある。中華人民共和国東部と台湾でも栽培されている。
名称
分布