枝豆
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大豆と同様に栄養価が高く、植物性タンパク質脂質ビタミンE食物繊維カルシウム鉄分に富むことに加え、ビタミンB1B2は野菜の中では特に多く、大豆にはないカロテンビタミンCカリウムも豊富に含まれている[4][9]。サヤごと茹でることによって、これらの栄養素の流出を防ぐことができる[4]。新鮮なうちにサヤごと塩茹でにしておけば、枝豆が本来持つ旨さや栄養を維持できる[10]。ビタミンB1を多く含んでいるため、新陳代謝を活発にして夏バテを防ぎ、アルコールの分解を促進して悪酔いを軽減し肝臓を守る働きもする[9]。枝豆に含まれるアミノ酸の一種であるメオチニンもアルコールから肝臓や腎臓を守る働きがある[9]

大豆の未熟果には、他の野菜ではあまり見られないサポニンレシチンイソフラボンなどの大豆特有の成分を持っている[4][9]。サポニンは血液中のコレステロール値を下げ、レシチンは細胞の活性化に役立ち、内臓や神経を若々しく保つのに必要な成分といわれている[4][9]。イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすることが知られている[4][9]
代表的な種類

元々枝豆は、ダイズの未熟果を食べていたが、現在では大豆と枝豆専用種に分けられている[11]。ダイズから枝豆として栽培されているものは、色の違いから白毛豆(別名:青豆)、茶豆、黒豆の3系統に大別される[12]

日本には、各地で在来種が栽培されており、枝豆の品種が400以上あるといわれている[4][2]。特に東北地方では、地方ごとに独自の品種が栽培されており、有名なところでは山形県の「だだちゃ豆」、福島県の「かおり枝豆」、岩手県の「におい豆」、新潟県の「くろさき茶豆」「いうなよ」などが知られる[4][9]。変わったものでは、丹波地方黒豆の枝豆や、10月ごろに収穫される秋田県の「十月豆」などがある[4]。品種によって味わいが多少異なり、だだちゃ豆や茶豆はゆでるととうもろこしに似た香りが強くなる[9]

大袖の舞 - 北海道の十勝や網走などで栽培されている甘みが強い青大豆の品種。枝豆以外でも、製菓用、炒り豆用、煮豆用としての加工性に優れ、豆腐の原料としても適している[11]

おつな姫 - サカタのタネが育成した青豆の早生種。収穫までの日数は80日ほどで、全体にまんべんなく着莢し、3粒莢になる率が高い。茶豆に似た風味で、甘みとうまみに優れる[13]

くろさき茶豆 - 新潟県で多く栽培されている茶豆の品種。豆の薄皮が茶色っぽく、香りと甘味が強い[2]。8月の盆のころが収穫期[13]

黒大豆 - 丹波地方で栽培されている完熟すると豆が黒くなる大豆。未熟果を早どりして枝豆として利用し、味が濃く甘味に富む[9]。熟すると豆が黒くなり、黒豆として利用される[2]。丹波地方で栽培される「丹波黒」という品種は、大豆の中でも最も粒が大きくて、煮ても皮が破けないという特徴があり、枝豆にするともちっとした食感になる[11]

毛豆 - 青森県津軽地方の伝わる在来種の青大豆。茎葉や莢に金茶色の毛があつことから「毛豆」とよばれる。大粒でコクがあり、甘みが強い[11]

肴豆(さかなまめ) - 新潟県長岡市で栽培される青豆品種。1970年ごろに長岡市の農家が関原方面の在来種を導入して定着させたのがはじまりで、1983年に長岡市農協が「ビールの肴にぴったり」とのことから命名した。9月下旬が収穫期で、強い甘みと風味が特徴[13]

サッポロミドリ - 白毛(青豆)系の定番となっている早生種。「札幌伝統野菜」の一つに数えられ、さやには大粒の豆が3粒入る[12]

だだちゃ豆 - 山形県鶴岡市特産の茶豆。香りが強く甘味がある[2]


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