茎についている果実の柄は果柄(pedicel)、複数の果実がついている共通の柄は果梗(peduncle)とよばれる[12](上図3c, d)。果柄・果梗は、ふつう花の花柄・花梗に由来するが、花後に雌しべの基部が伸長して柄になるものでは[25][26]、果柄と花柄は一致しない。
花のついた茎全体または茎に対する花のつき方は、花序(inflorescence)とよばれる[27]。花が果実になった状態では、果序(infructescence)ともよばれる[27]。 果実は、果皮の状態や心皮(雌しべを構成する葉的要素)の数などに基づいてさまざまな型に類別される[12][28][13][23][29][30]。熟した状態で果皮が乾燥しているものは乾果(かんか; dry fruit)とよばれる。乾果は、果皮が裂開する裂開果と裂開しない閉果(非裂開果[30])に分けられる。一方、果皮が柔らかく水分を含むものを液果(えきか; 多肉果、sap fruit)とよばれる[注 1]。また1個の花の1個の雌しべに由来する果実は単果とよばれ、1個の花の複数の雌しべに由来する果実がまとまった構造は集合果とよばれる。単果と集合果はいずれも1個の花に由来するため単花果とよばれ、一方で複数の花の雌しべに由来するまとまった構造は複合果(多花果)とよばれる。果実のうち、雌しべの子房に由来する部分が大部分を占めるものは真果、子房以外の要素が大部分を占める果実は偽果ともよばれる。 乾果のうち、成熟すると裂開して種子を露出するものは裂開果(れっかいか; dehiscent fruit)とよばれる[12][28][13][23][29][30]。裂開する場所はふつう決まっており、心皮の両縁が接する線(内縫線、腹縫線、inner suture, ventral suture)や心皮の中軸にあたる線(外縫線、背縫線、outer suture, dorsal suture)、心皮どうしが接する線などであることが多い[12]。裂開果の場合、果実から出た種子が散布される単位となる。
果実の分類
裂開果
袋果(たいか; ??、follicle)[12][28][13][23][29][5][31][32]
1心皮からなり、ふつう内縫線または外縫線で裂開する(下図4a)。シキミ属(マツブサ科)やモクレン属(モクレン科)、 トリカブト属、オダマキ属(キンポウゲ科)、ベンケイソウ科、カツラ科、シモツケ属(バラ科)、ゴンズイ(ミツバウツギ科)、ガガイモ(キョウチクトウ科)などに見られる[12][17]。