関東・東北地方の広い範囲で液状化現象が発生し、千葉県千葉市美浜区・浦安市・香取市・我孫子市、東京都江東区・江戸川区、神奈川県横浜市の八景島周辺、茨城県ひたちなか市・潮来市、宮城県大崎市の江合川周辺などで、建築物の傾斜や断水、ガス供給停止、水田への土砂の堆積などの被害が生じた[87][88][89]。東京湾岸の埋立地や千葉県北東部から茨城県鹿行地域南部にかけての利根川沿い(水郷地帯)での被害が目立ち、自治体により液状化の危険度が低いと認定されていた地域でも被害が発生した[87]。
東北地方から関東地方北部の太平洋沿岸では地震に伴う地盤沈下により、海岸や河口付近などで浸水や冠水のおそれが出ている[90]。宮城県石巻市塩富町では、満潮時に町全体が水没している[91]。また津波によって東北・関東の6県で2万3600ヘクタールの農地が流失または冠水しており、塩害も発生したため、がれきの撤去や土中の塩分の除去が進められた[92][93][94]。 津波被害の大きかった宮城県を中心に、330件の火災が発生した[95][96]。そのうち、出火原因の159件(約40%)が津波火災[97]、約30%が電気火災であった[98]。また、停電下の避難中に灯りとして使用していた?燭などからの火災による死者も報告されている[99]。他に、数日から数週間後に堆積していたがれきがバクテリアなどによる発酵で加熱して発火[100]した事例や、海水に浸水した車両の電装部が劣化して発火した事例も報告された[99]。
満潮で冠水する国道398号(2011年3月30日、宮城県石巻市湊町2丁目・吉野町付近)
海水に浸った仙台平野沿岸部の水田(2011年4月6日、宮城県名取市)
東京湾岸で発生した液状化現象(2011年4月1日、千葉県浦安市・新浦安駅前)
火災
津波火災
大津波によって倒壊した建造物や車両ががれきとなって内陸部に押し込まれ、浸水域の端や地形や風の影響で堆積(集積)した箇所では、がれきが内在している暖房用石油燃料(灯油・重油)タンク、ガスボンベ、自動車用燃料タンクから漏出した可燃物質に何らかの火花が原因となって発火した。特に、切れ目なく積み重なったがれきは市街地から山林へと延焼を拡大させた。