東日本大震災
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空港内の震度計が震度5強を記録し、長距離を飛行して燃料残量が少ない多数の国際線航空機が向かっていた[注 7]成田国際空港千葉県成田市)や、震度5強を記録した東京国際空港東京都大田区)安全確認のために地震発生直後にすべての離着陸を中止、空港を閉鎖したため、両空港に向かっていた航空機86機が降りられなくなり、中部国際空港愛知県常滑市)や関西国際空港大阪府泉佐野市)、新千歳空港北海道千歳市)や横田基地東京都立川市昭島市福生市武蔵村山市羽村市瑞穂町)へダイバート(代替着陸)した。茨城空港も滑走路には異常がなかったことと、自衛隊共用であるため有事の際には航空自衛隊の援助が受けられるとして2機を受け入れている[注 8]。なお、このうちの14機は燃料不足で「緊急事態宣言」を出した。羽田空港は一部の施設に損傷が確認されたものの当日中に安全が確認され再開されたが、旅客ターミナルや施設の一部に損傷が起きた成田空港の再開は12日朝に持ち越された。しかし、京成電鉄とJR東日本が12日午後まで運休となった上、東京の都心部との間のリムジンバスの運行も12日夜まで運休するなど成田空港への公共交通機関によるアクセスが一時的に断絶した。なお、福島第一原子力発電所事故発生後に国際民間航空機関 (ICAO)、国際航空運送協会 (IATA)、および世界保健機関 (WHO) から、日本への渡航について「健康上のリスクは認められない」とする声明が出された[134]にもかかわらず、ルフトハンザドイツ航空アリタリア-イタリア航空などの一部の外国航空会社が、放射能の影響や余震を恐れて成田空港への発着便を中部国際空港や関西国際空港への発着に切り替えた。
輸送

震災によって道路・線路などの交通網が被害を受けたことから、郵便運送などにも大きな影響が出ている。
石油

震災の影響により、東北・北関東太平洋岸に立地する2製油所JX日鉱日石エネルギー仙台製油所鹿島石油鹿島製油所)および16油槽所のすべてが稼働停止または出荷不可能状態となり、京浜・千葉地区においても7製油所の内4製油所が稼働を停止し、国内原油処理能力(約450万BD)が約3割(約140万BD)減少した。加えて、東北6県でサービスステーション約220箇所が被災により営業困難となり、また、石油製品輸送用タンクローリー約150台被災するなど多大な被害が発生した[135]ことで、被災地は深刻な燃料不足に陥った。

政府は当初石油の生産量の方に気を取られており、石油の物流の問題への対応が遅れた[136]。3月17日になり海江田万里経済産業大臣は「タンクローリーを西日本から300台移す」と発表。同日、JR貨物によりJX日鉱日石エネルギー根岸製油所から日本海側の鉄道路線を利用し盛岡貨物ターミナル駅への石油列車の運行が行われる。3月23日には国鉄DD51形ディーゼル機関車二重連での磐越西線経由による郡山オイルターミナルへの石油輸送も行われた[137]。3月19日には仙台港に入港した海上自衛隊輸送艦おおすみ灯油入りドラム缶70本(14kl)を輸送したほか、3月21日には仙台塩釜港塩釜港区油槽所にオイルタンカーの第一船が入港している。また3月23日までに被災10港で暫定の航路が確保され、海上からの緊急物資の搬入が可能となった[138]
水道

震災直後は、宮城・岩手・福島・茨城の4県を中心に北海道から愛知県まで広範囲にわたり、17道県の少なくとも約140万戸で断水が発生した。各地の水道事業者などで作る日本水道協会は、全国の応急給水車約210台に、東北・関東両地方の被災地への派遣を要請[139]中部近畿中国四国九州の主に西日本側の自治体の給水車が被災地へと派遣された。
物流配送停止により商品が激減したコンビニエンスストア(2011年3月11日、東京都足立区で撮影)

東北地方を中心に100局以上の郵便局に建物全壊や浸水などの大きな被害が出ており、また長野県北部地震によるものや被害規模の小さいものも含め約600局の郵便局に被害が出た[140][141]


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