東日本大震災
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津波により空港に駐機、および地上施設内で整備中の航空機がほぼ全滅することとなった[注 6]。これらの被害機の中には、海上保安庁の第二管区海上保安本部仙台航空基地所属の航空機が多数含まれている。

4月13日から日本航空が国内線の一部で1か月ぶりに運航を再開し[126]、7月25日に約4か月半ぶりに国内線定期便の運航を再開[127]。9月25日には空港ビルも完全復旧し、国際線定期便の運航が再開された[128]。仙台空港の機能回復のため国土交通省では、排水路などの障害物の除去による自然排水の促進のほか、国土交通省が全国に配備している排水ポンプ車25台を集め、3月20日より広範囲の浸水解消を重点的、機動的に実施した[129]

花巻空港(岩手県)は旅客の対応が当面不可能として定期便の運航を停止し、緊急輸送のみを対象に3月11日18時50分から運用を再開した。三沢空港(青森県)も18時50分に運用を再開した。福島空港はタワーのガラスが全壊したものの運用可能であったため、閉鎖された仙台空港の代替として関西札幌北海道)と結ぶ臨時便を運航することになった。山形空港は停電で運用を停止していたが、3月12日4時から運用を再開し、臨時的に24時間運用を開始した[130]。茨城県小美玉市茨城空港はターミナルビルの天井の一部が落下[131]。3月12日には空港を閉鎖し、全ての便が欠航になった[132]。茨城空港は14日から定期便の発着を再開し、花巻空港も17日にターミナルビルの営業を再開した[133]

空港内の震度計が震度5強を記録し、長距離を飛行して燃料残量が少ない多数の国際線航空機が向かっていた[注 7]成田国際空港千葉県成田市)や、震度5強を記録した東京国際空港東京都大田区)安全確認のために地震発生直後にすべての離着陸を中止、空港を閉鎖したため、両空港に向かっていた航空機86機が降りられなくなり、中部国際空港愛知県常滑市)や関西国際空港大阪府泉佐野市)、新千歳空港北海道千歳市)や横田基地東京都立川市昭島市福生市武蔵村山市羽村市瑞穂町)へダイバート(代替着陸)した。茨城空港も滑走路には異常がなかったことと、自衛隊共用であるため有事の際には航空自衛隊の援助が受けられるとして2機を受け入れている[注 8]。なお、このうちの14機は燃料不足で「緊急事態宣言」を出した。羽田空港は一部の施設に損傷が確認されたものの当日中に安全が確認され再開されたが、旅客ターミナルや施設の一部に損傷が起きた成田空港の再開は12日朝に持ち越された。しかし、京成電鉄とJR東日本が12日午後まで運休となった上、東京の都心部との間のリムジンバスの運行も12日夜まで運休するなど成田空港への公共交通機関によるアクセスが一時的に断絶した。なお、福島第一原子力発電所事故発生後に国際民間航空機関 (ICAO)、国際航空運送協会 (IATA)、および世界保健機関 (WHO) から、日本への渡航について「健康上のリスクは認められない」とする声明が出された[134]にもかかわらず、ルフトハンザドイツ航空アリタリア-イタリア航空などの一部の外国航空会社が、放射能の影響や余震を恐れて成田空港への発着便を中部国際空港や関西国際空港への発着に切り替えた。
輸送

震災によって道路・線路などの交通網が被害を受けたことから、郵便運送などにも大きな影響が出ている。
石油

震災の影響により、東北・北関東太平洋岸に立地する2製油所JX日鉱日石エネルギー仙台製油所鹿島石油鹿島製油所)および16油槽所のすべてが稼働停止または出荷不可能状態となり、京浜・千葉地区においても7製油所の内4製油所が稼働を停止し、国内原油処理能力(約450万BD)が約3割(約140万BD)減少した。加えて、東北6県でサービスステーション約220箇所が被災により営業困難となり、また、石油製品輸送用タンクローリー約150台被災するなど多大な被害が発生した[135]ことで、被災地は深刻な燃料不足に陥った。

政府は当初石油の生産量の方に気を取られており、石油の物流の問題への対応が遅れた[136]。3月17日になり海江田万里経済産業大臣は「タンクローリーを西日本から300台移す」と発表。同日、JR貨物によりJX日鉱日石エネルギー根岸製油所から日本海側の鉄道路線を利用し盛岡貨物ターミナル駅への石油列車の運行が行われる。3月23日には国鉄DD51形ディーゼル機関車二重連での磐越西線経由による郡山オイルターミナルへの石油輸送も行われた[137]


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