東急玉川線
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なお、砧本村駅のプラットホーム上屋とベンチはバス待合所に転用された[24]が、2022年(令和4年)12月7日に老朽化のため撤去された。

中耕地 - 吉沢間。中耕地方向を望む。線路跡は道路転用されたが、道幅は大きく拡幅されることはなかった。街路樹は二子玉川の町の花ハナミズキ

中耕地駅跡地に建つ石碑。

吉沢橋たもと付近に残る社紋の刻印された標柱。

砧本村駅前広場跡(現:東急バス折返所)。

砧本村バス待合所の上屋及びベンチ。砧本村駅で使用されたもの。

溝ノ口線

1927年(昭和2年)7月15日に開業。当初は玉川線と線路が接続し、区間便のほか玉川線との直通運転もされていた。玉川 - 二子間は併用軌道二子橋を参照)だが、二子 - 溝ノ口間は専用軌道で開業した。1943年(昭和18年)に東急大井町線に編入された後、1945年(昭和20年)に軌道線から地方鉄道に転換、1966年(昭和41年)に高架化されて二子橋の併用軌道が解消され、現在は東急田園都市線の一部区間となっている。二子橋西詰から二子新地駅にかけてわずかに遺構(空き地)が確認できる。また、二子新地駅から溝の口駅は高架化されたが、高架橋の下に玉川線・地上時代の大井町線の遺構(橋梁など)が確認できる。溝ノ口終点は現在の溝の口駅の位置と異なり、国鉄南武線に平行する形で設置されており、その跡地は駅前広場となっている。
天現寺橋線・中目黒線

1938年(昭和13年)まで、玉川電気鉄道、東京急行電鉄は、天現寺橋線と中目黒線の2路線を、渋谷以東で運行していた。

天現寺橋線は、渋谷を出ると、山手線の内側、渋谷川に沿って南下し、中通(現在の明治通り)上を走りながら天現寺橋に至る路線であった。中目黒線は、天現寺橋線の渋谷橋から西進し、下通(現在の駒沢通り)上を中目黒に至った。中目黒は、東急東横線中目黒駅とは接続しておらず、現在の山手通りと駒沢通りの交差点(中目黒立体交差)手前にあった。

渋谷を発着する天現寺橋線は、玉川線が渋谷駅地平に発着していた1937年(昭和12年)7月まで、線路敷設の主目的でもあった砂利輸送のため玉川線と線路がつながっていたが、同年玉電ビル建設により玉川線と分離されている。

分断以降の天現寺橋線の渋谷駅は東横線渋谷駅前、東京高速鉄道(現在の東京メトロ銀座線)ガード直下に置かれていた。のち1957年(昭和32年)3月26日ハチ公口にあった都電青山線の渋谷駅前電停がこの隣接地に都電天現寺橋線共々移設してターミナルを形成。都電廃止後は東口都バス乗り場となっていたが、再開発に伴い東横線渋谷駅跡共にビルが建設されている。また山手線のガード跡は長らく東急百貨店東横店西館と東館を結ぶ連絡通路となっていた。

1938年(昭和13年)、両路線は東京市電に運営が委託され、1948年(昭和23年)に東京都に譲渡された。東京都譲渡後は、天現寺橋 - 渋谷橋 - 中目黒間が8系統(築地始発)、天現寺橋 - 渋谷橋 - 渋谷駅前間が34系統(金杉橋始発)として運行された。その後都電撤去計画により、渋谷橋 - 中目黒間は1967年(昭和42年)12月9日、天現寺橋 - 渋谷橋 - 渋谷駅前間は1969年(昭和44年)10月25日にそれぞれ廃止されている。
下高井戸線詳細は「東急世田谷線」を参照

三軒茶屋 - 下高井戸間を結ぶ下高井戸線は1969年の玉川線廃止時に世田谷線(せたがやせん)に改称されて現存する。

1969年までは玉川線(本線)の渋谷方面から直通運転を行っており、下高井戸線は前述した三軒茶屋の三叉路から世田谷通り側の専用軌道に入り、西太子堂から下高井戸へと向かっていった。
運行形態

廃止間際のダイヤは全線での通し運転が基本で、玉川線の渋谷 - 三軒茶屋 - 二子玉川園間と下高井戸線直通の渋谷 - 三軒茶屋 - 下高井戸間の電車が交互に運行されていたが、大橋駅に車庫があった関係で早朝や深夜を中心に大橋発着の区間電車や渋谷への送り込みの回送電車が多数設定されていた。この他、朝夕ラッシュ時には一部の電車が渋谷 - 三軒茶屋、玉電中里、駒沢、用賀間で折り返し運転を行っており、下高井戸線でも渋谷 - 三軒茶屋 - 玉電山下(現・山下)間の区間電車が設定されていた。砧線は線内の通し運転のみで玉川線への直通運転は無く、二子玉川園 - 砧本村間を終日折返し運転していた。
玉電廃止後のバス交通
代替バス

1969年(昭和44年)5月11日に専用軌道のみの三軒茶屋 - 下高井戸間の下高井戸線を除く全路線が廃止され、同日より東京急行電鉄(現・東急バス)が代替バスを運行した。代替バスは、旧玉川線・溝の口線・砧線の区間をおおむねなぞるものと、玉川線の通らなかった新町 - 瀬田間で国道246号(玉川通り)の新道を進むものとが設けられ、旅客案内上、新町 - 瀬田間で桜新町を経由する線を旧道経由と、同区間における現在の国道246号を新道経由と称した。

新設された代替バス路線、及び補完路線の系統番号と行き先は次のとおりである。

渋01 渋谷駅 - 三軒茶屋(ノンストップ運転あり)

渋02 渋谷駅 - 用賀折返所(旧用賀停留所裏手にあたる。急行あり)

渋03 渋谷駅 - 二子玉川園駅(旧道経由)

渋04 渋谷駅 - 溝の口駅(旧道経由)

渋12 渋谷駅 - 二子玉川園駅/高津営業所(新道経由。急行あり)

渋13 渋谷駅 - 砧本村(新道・二子玉川経由)

渋14 渋谷駅 - 向ヶ丘遊園駅(新道・二子玉川経由)

渋21 渋谷駅 - 上町駅

玉06 二子玉川 - 砧本村

黒03 目黒駅 - 砧本村(清水線を二子玉川園 - 砧本村間延長)

目黒区大橋にあった大橋車庫は、玉川線廃止とともに、東京急行電鉄自動車部大橋営業所に転換され、同営業所は代替バスの運行を受け持った。ただし渋04と渋14は高津営業所が所管した。「東急バス大橋営業所#玉電代替からの出発」「東急バス高津営業所#用賀線」を参照。

二子玉川園駅 - 砧本村間のルートは、砧本村方向は廃線跡の南側・玉川高島屋北側の区道を吉沢まで進み、吉沢から廃線跡が転換された道路を進み砧本村にいたるルートで、二子玉川方向は、廃線跡から外れ天神森橋を渡り多摩堤通りを二子橋東詰まで進むルートを取り、8の字型の運行形態となった。「東急バス大橋営業所#新道線・砧線」「東急バス高津営業所#新道線」を参照。

1977年(昭和52年)、渋谷 - 二子玉川園間に新玉川線が開通し、これにより、上記に列挙した系統のうち渋01、渋02、渋03、渋14および渋12の急行運転は廃止され、渋13、黒03ものち廃止された。渋04は渋谷駅 - 二子玉川園駅に短縮(渋04→渋03)された後に廃止されている。渋14は用賀駅 - 向ヶ丘遊園駅に短縮・変更され(渋14→向02)、後に二子玉川園駅 - 向ヶ丘遊園駅に短縮された。玉06は二子玉川発着(駅前に入らない)から、のち二子玉川園駅発着に変更された。
代替バス以外のバス路線

玉川通りには、玉電代替路線以外にも多くのバス路線があり、それらも玉電代替の一翼を担った。
東82
玉川電気鉄道は、駒沢駅から分かれて深沢方面へ向かうバス路線を運行した。この路線は戦後、復旧の際に東京急行電鉄と
東京都交通局都営バス)との共同運行となり、玉川線廃止時は等々力線(東82系統)として、等々力と東京駅八重洲口の間で運行されていた。同路線は、渋谷駅と駒沢の間で玉川線と完全に並行していた。「東急バス瀬田営業所#等々力線」「都営バス渋谷営業所#東82系統」を参照。
東83
東京駅と桜新町の間を片道首都高速道路経由で結ぶ東83系統が東急と都営の共同で運行された。「都営バス渋谷営業所#東83系統」「東急バス駒沢営業所#高速渋谷線」を参照。
渋11
東京急行電鉄は駒沢オリンピック公園へのアクセスとなるグランド線(渋11系統)を運行しており、渋谷と真中の間が玉川線と被っていた。「東急バス淡島営業所#グランド線」を参照。
三軒茶屋より世田谷通り方面
渋谷と三軒茶屋の間には、三軒茶屋から世田谷通りに入る東急バス・小田急バスの路線も多く運行され、1974年(昭和49年)までは都営バス共管路線も存在した。現在は渋23、渋24、渋26などが運行されている。「東急バス弦巻営業所#松陰線」を参照。
駅一覧

〔〕内は路線廃止時以前に廃止された電停、駅[注釈 7]
玉川線

渋谷(しぶや) - 〔道玄坂上〕(どうげんざかうえ) - 上通(かみどおり)- 〔大坂上〕(おおさかうえ) - 大橋(おおはし) - 玉電池尻(たまでんいけじり/旧名:世田谷→池尻) - 三宿(みしゅく/旧名:池尻) - 〔東太子堂〕(ひがしたいしどう/旧名:太子堂) - 三軒茶屋(さんげんぢゃや) - 玉電中里(たまでんなかざと/旧名:中里) - 上馬(かみうま/旧名:上馬引沢) - 真中(まなか) - 駒沢(こまざわ) - 新町(しんまち/東京横浜電鉄合併前:弦巻) - 桜新町(さくらしんまち/旧名:新町) - 用賀(ようが) - 玉電瀬田(たまでんせた/旧名:瀬田前→瀬田) - 〔玉川遊園〕(たまがわゆうえん/旧名:身延山別院前) - 二子玉川園(ふたこたまがわえん/旧名:玉川→よみうり遊園→二子読売園→二子玉川)[注釈 8]


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