東急池上線
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路線図駅ナンバリングで使用される路線カラーはピンク[2]、路線記号はIK。

本項では関連路線として未成線に終わった泉岳寺線(せんがくじせん)についても記述する。
路線データ

路線距離:10.9 km

軌間1,067 mm

駅数:15駅(起終点駅含む)

複線区間:全線

電化区間:全線(直流1,500 V)

閉塞方式:自動閉塞式

保安装置:東急型ATS

最高速度:80 km/h[1]

運行概況

列車種別各駅停車のみであり、東急多摩川線と共通の18m車体、3扉の3両編成で運転される。1998年平成10年)3月16日からはワンマン運転を実施している[* 1]。ワンマン運転の安全確保のため、ホーム柵とホームセンサーを用いており、乗客が乗降するホーム柵の位置にあわせて列車を所定停止位置に停止させるための支援装置としてTASCを採用している[3]

2000年(平成12年)8月6日以降のダイヤでは、五反田駅 - 蒲田駅間の全線通し運転のほか、朝ラッシュ時や夜間、始発終電時間帯を中心に車両基地雪が谷検車区)のある雪が谷大塚駅と五反田駅や蒲田駅間の区間運転がある[4] 。なお、2014年(平成26年)3月14日までは平日の夕方と夜間の帰宅ラッシュ時間帯に五反田駅 - 雪が谷大塚駅間の区間列車が多数運転されていたが、翌15日のダイヤ改正で19時台1本、21時台1本、23時台1本、24時台3本を除いて運転区間が全て蒲田駅行きに延長され、五反田駅発の夕方と夜間の区間列車は激減した。また、東急多摩川線には車両基地がないため、同線への車両出入庫も池上線の営業列車として行われており、蒲田駅でスイッチバックして東急多摩川線へ乗り入れる多摩川駅発着の列車が1日に数本設定されている(多摩川駅行きも五反田駅発着・雪が谷大塚駅発着の2系統を設定)[4][5] 。ただし、時刻表上や駅の発車案内板はこれらの列車も全て蒲田行きとなっており、実際の列車の行き先も一部の車両で「多摩川線直通」と表示される以外は全て蒲田行きの表示となっている。

五反田駅 - 蒲田駅間の所要時間は最短で22分。乗降や待ち時間を含めて30分前後程度である。

毎年10月12日の夜には、池上駅が最寄り駅である池上本門寺で行われるお会式の万灯行列への参拝・見物客輸送のため臨時ダイヤとなり、列車が増発される。

雪が谷大塚駅以外で車両の夜間停泊がある駅は五反田駅と蒲田駅である(五反田駅2本停泊・蒲田駅1本停泊)[5][4]

駅設備は依然として古いものが多く、木造の旅客上屋や上屋と一体化した木製ベンチなどが今も現役で残っている。かつては池上駅に構内踏切が設置されていたが、橋上駅舎化に伴い2020年7月に廃止された。現在はホームごとに簡素な改札口が設けられた駅が多い。このような駅では片側のホームにしかトイレがなく、構内通路もないため反対側のホームからは利用することができない。老朽化対策への動きも見られ、2013年度までに山手通りをまたぐ鉄橋架け替え工事と共に駅施設の一部を更新した大崎広小路駅や、同年度までにバリアフリー化としてJR連絡通路にエレベーター・エスカレーター設置済みの五反田駅では、ホーム屋根掛け替え工事等駅設備改良工事が実施されている。

「いい街 いい電車 プロジェクト」の一環として、多摩地区で生産された木材(多摩産材)を使用した「木になるリニューアル」が、2016年に戸越銀座駅(第1弾)、2019年に旗の台駅(第2弾)で行われた。「気になるリニューアル」によって、戸越銀座駅や旗の台駅の老朽化したホームの屋根は立て替えられ、待合室や駅舎そのものも改修された[6][7]

後述の通り車両面においても長年、東横線などの主要路線で使用されていた18m中型車に改造を施した上で池上線に転属させており、種車製造から50年近く経過している中古の車両が主力として使われている状況となっていた。1993年に1000系が投入されて以降、2007年に7000系が投入されるなどの取り組みによって、車両の近代化が進行してきている。
沿線風景

品川区の商業の中心地である五反田と、大田区の行政・商業の中心地である蒲田とを、各区の郊外にあたる内陸部を経由して結ぶ路線である。五反田駅 - 雪が谷大塚駅間では中原街道と、雪が谷大塚駅 - 蒲田駅間では環八通りとおおむね並行している。各駅に小規模な駅前商店街が形成されている。

西側に目黒線東急多摩川線(旧目蒲線)が通り、約1km前後の間隔を保ちながら終点の蒲田駅で合流する。両線の駅同士で最も近いのは千鳥町駅下丸子駅の約500mで、徒歩でも7 - 8分程度で到達できる。
五反田 - 旗の台

五反田駅から戸越銀座駅までは、概ね商業地を走る。五反田駅は、駅ビル「五反田東急スクエア」4階に直結してホームがある。接続するJR東日本山手線を見下ろす高い位置である。山手線との連絡通路にはエスカレーターエレベーターが設置され、乗り換え客は連絡用改札を、都営地下鉄浅草線利用者や五反田駅で降りる客は「五反田東急スクエア」直結の改札口を利用する。電車は4階ホームから南へ向けて出発し、すぐに目黒川を渡る。高架のまま山手通りを跨ぐと、大崎広小路駅に着く。大崎広小路駅を出た列車は左右に急なカーブを抜け、池上線で最初の踏切である大崎広小路1号踏切道を越えて切通しに入る。国道1号との交差部の手前約数十メートルで鉄道用地が若干広くなるが、これはかつて桐ヶ谷駅があった跡である。直後に頭上を国道1号が越え、左カーブを抜けると戸越銀座駅へ到着する。同駅は都営地下鉄浅草線戸越駅との連絡駅で、駅前には直線で約1.6 km続く戸越銀座商店街が伸びている。戸越銀座を過ぎると商業地は住宅地に変わり、商店等も少なくなる。住宅地は旗の台まで続く。荏原中延駅とその前後は1989年(平成元年)3月に地下化され、地上の旧線路敷は公園などとなっている。旗の台駅では高架となっている大井町線の下を立体交差する。同駅では大井町線へ乗り換えるための連絡通路が長原駅寄りにある。昭和大学昭和大学病院)の最寄り駅でもある。
旗の台 - 雪が谷大塚

池上線における列車運行の境界は雪が谷大塚駅であるが、旗の台駅を境に周囲は緑地と宅地の混在した地域となり、これが千鳥町駅まで続く。

旗の台駅を出た池上線は、長原駅の手前で再度地下に潜る。これは環七通りとの交差のためで、同駅は1972年に地下化された。周辺は武蔵野台地の突端部に近く、急坂の多い複雑な地形であり、1957年に架線電圧が600Vから1500Vに昇圧される要因ともなった。この付近から洗足池駅付近までにかけては、大深度地下を通る中央新幹線(建設中)の第一首都圏トンネルとほぼ並行している。地上に出ると洗足池駅があり、駅前を通る中原街道を渡ると洗足池が広がっている。桜の名所でもあり、花見シーズンは多くの人で賑わう。石川台駅までは切り通し区間となっている。過去には両脇の土手には桜が植えられていたが、現在では安全上の観点からほとんどが伐採されている。石川台駅を出て呑川を渡り、築堤を走ると雪が谷大塚駅である。

石川台駅 - 洗足池駅間の切り通し区間には多くの桜が植樹されていた(1997年)

雪が谷大塚 - 蒲田

雪が谷検車区を右に見ながら左に大きくカーブし、直線を少し走ると御嶽山駅に着く。駅北西側のイオンスタイル御嶽山駅前の裏に御嶽神社が鎮座しているため、この名がある[要出典]。


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