東急世田谷線
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これに伴い、玉川線の大橋車庫[注釈 4]が利用できなくなったため、上町駅のそばに車庫(上町検車区[注釈 5])が新設された。また駅名に「玉電」と冠していた各駅(若林・山下・松原)が「玉電」と付かない現在の駅名になった。なお玉川線の廃止以降、1977年(昭和52年)に新玉川線(現在の田園都市線の一部)が開業するまでは、他の東急線と接続しない孤立路線となっていた。

1992年(平成4年)11月11日、三軒茶屋駅前の市街地再開発に伴って、三軒茶屋駅が元の位置[注釈 6]から下高井戸寄りに移動している。そのため、三軒茶屋駅と西太子堂駅の間は0.3 km[2]と極めて近くなっている。山下駅ホーム。嵩上げ工事した様子が見える。手前はスロープ。

1999年(平成11年)7月11日より300系を導入し、低床車両を採用するとともにホームを嵩上げして乗降時の段差を解消した[44][45]。嵩上げはバリアフリー化が目的で、全車両が300系(後述)に統一される前夜の2001年(平成13年)2月10日終列車後に全駅で一斉に行われた[46][47]。なお、最初に導入した300系は旧型の車両と同じようなステップを持っていた(301F - 306F、詳細は「東急300系電車」を参照)。

2000年4月1日、世田谷線の鉄道ファンで構成される愛好者団体「世田谷線サポーターズクラブ」が発足した[48]

2001年5月からは、線路脇に草花を植える「世田谷線フラワリング」を実施している[49]。これは、車窓からの眺めを楽しくすることが狙いで、年に1 - 2回のペースで進み、最終的には下高井戸駅まで到達することになっている。なお世田谷線は軌道上もスギナなどに覆われている区間もあるが、これは人為的緑化でなく自然に生えた草で、列車運行に支障が出る高さになった場合は保線作業時に刈るものの、無理に完全除草はしないという方針に基づくものである[50]

2011年から、東京都交通局都電荒川線と共同イベントを実施しており、第1弾は同年11月に行われた「黄色い電車でハッピーに!」である。

2013年に全駅の照明がLED照明となった。

2019年3月25日から、運行や駅設備で利用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、CO2排出量実質ゼロでの運行となった。東北電力が提供する電力プランを活用したもので、再生可能エネルギー由来100%の電力で電車を終日走らせる取り組みは日本初である[51]

2023年4月14日から、運行情報表示機の更新を開始した[52]。それに伴い自動放送もReadSpeakerの合成音声[53]に変更され、英語放送も追加された。
駅一覧

全駅
東京都世田谷区内に所在。

駅番号は、2012年2月上旬から順次導入[1]

三軒茶屋駅、上町駅(三軒茶屋方面)、下高井戸駅には駅事務所が併設されているほか、改札機が設置されている。

駅売店(toks)は三軒茶屋駅にのみ設置されている。

駅番号駅名駅間キロ累計キロ接続路線
SG01三軒茶屋駅-0.0東急電鉄: 田園都市線 (DT03)
SG02西太子堂駅0.30.3 
SG03若林駅0.60.9 
SG04松陰神社前駅0.51.4 
SG05世田谷駅0.51.9 
SG06上町駅0.32.2 
SG07宮の坂駅0.52.7 
SG08山下駅0.73.4小田急電鉄 小田原線豪徳寺駅:OH10)
SG09松原駅0.84.2 
SG10下高井戸駅0.85.0京王電鉄 京王線 (KO07)

廃止駅

豪徳寺前駅(上町駅 - (旧)宮ノ坂駅間、
1945年7月15日廃止)

(旧)宮ノ坂駅((現)宮の坂駅 - 山下駅間、1945年7月15日廃止)

六所神社前駅(山下駅 - 松原駅間、1949年9月1日廃止)

七軒町駅(松原駅 - 下高井戸駅間、1949年9月1日廃止)

豪徳寺前駅は(旧)宮ノ坂駅との間に開業した現在の宮の坂駅に統合された。六所神社前駅は七軒町駅との間に移設され、松原駅と改称した。
使用車両引退時のデハ80形

現在世田谷線用の車両として300系が10編成あり、全列車がこれの2両編成で運行されている。

以前は、木の床など昔ながらの路面電車の構造をした車両で運行されていたが、前述の通り、2001年にすべて300系に置き換えられた。その際、台車などの旧車両の一部の部品を300系に流用している。また、江ノ島電鉄に譲渡されていた旧車両が宮の坂駅前に静態保存されている。

300系が導入される前の運賃箱は現金をそのまま入れるだけの小型のもので、釣銭が必要な場合は両端の乗車口にいる運転士や車掌に現金を渡して釣銭を受け取っていたが、300系導入時に路線バスと同じタイプのものに変更されている。

車体の色は玉電カラーの×クリームをはじめ、赤系、青系、黄系などカラフルで、10編成全てで異なっている(「東急300系電車#各編成の写真」参照)。また、車体にラッピング(広告等)を施して走ることも多い。

最初に導入された1編成については、1999年の導入当初から2005年まで、漫画『サザエさん』の登場人物がマナー標語とともに描かれていた(ヘッドマーク部分にサザエさんの顔)。

2000年代前半には、商品広告を全面にラッピングした車両が多数走っていた(例:キリンビバレッジ「生茶」、伊藤園「お?いお茶」、コカコーラ「Qoo」、サクマ「いちごみるく」など)。

その他、沿線イベントの告知や、クリスマス時期などの企画ものラッピングの例が過去にある。

前述の専用ICカード「せたまる」の広告が長らく車両に掲出されていたが、2012年のせたまる販売・使用終了とともに広告掲出も終了した。PASMOラッピング車両もあった。

東急グループ各社の車体広告車も走っており、関連会社の東急セキュリティ(「子供見守りサービス」及び「高齢者見守りサービス」)の広告(1編成分)[54]や、東急パワーサプライの東急でんき供給開始記念の広告(1編成分)[55]もあった。

その他、一般企業が掲出した車体広告車も走っている。例として、2016年には住友不動産(304F、307F)[56]、2019年度にはオオゼキ松原店開店(305F)のラッピング車両が走っていた[57]

2017年に玉川電気鉄道が開業して110周年を迎えたことを記念して、沿線にある豪徳寺招き猫発祥の地と伝わることにちなみ、同年9月25日から「玉電110周年幸福の招き猫」のラッピング電車を2018年9月末まで運行した[58][59]。三軒茶屋駅 - 下高井戸駅間が「世田谷線」として運行を開始して50周年を迎えた2019年には、記念企画の一環として、同年5月12日から再び「幸福の招き猫電車」が運行されている[60]


同左、車内の招き猫型つり革(三軒茶屋駅 2017年9月25日撮影)

脚注[脚注の使い方]
注釈^ a b 軌道信号機が転てつ器のある箇所に建植されているほか、運転間隔を確保するため建植されている箇所がある。


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