東急世田谷線
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運行形態

列車種別は各駅停車のみで、原則として三軒茶屋駅 - 下高井戸駅間の全区間を運行する。ただし上町駅構内に車庫があることから朝夕に上町駅発着の区間列車が設定されている。また、毎年12月と1月の15日と16日に沿線の上町駅や世田谷駅付近で開催される「世田谷ボロ市」のイベント開催時は臨時ダイヤとなり、通常よりも列車の本数を増やして対応している。
運賃

運賃は全区間均一制で、2023年3月18日改定時点で大人160円・小児80円(ICカードも同額)である[4]。東急電鉄の鉄道各線とは別建ての線内完結の運賃制度であり、東急電鉄の他の路線との運賃通算・乗継割引制度や山下駅で接続する小田急線豪徳寺駅や下高井戸駅で接続する京王線との乗継割引はない。なお、東急が発行する回数券方式の株主優待乗車証では1枚で田園都市線に乗り継げるため、当路線からは乗車時に乗務員にその旨を伝えるか、田園都市線からの場合は降車時に三軒茶屋駅の有人改札で提示してから世田谷線改札の運賃箱に投入する。

一日乗車券として「世田谷線散策きっぷ」を発売している。当日券のみの発売で、大人340円・子供170円(2019年10月1日改定時点)[5]。下高井戸駅・三軒茶屋駅の駅窓口で発売されており、前記の駅以外から乗車する場合は乗車時に係員に申し出て1乗車分の運賃を現金で支払い精算券を受け取り、前記の駅で残額を精算して購入することができる。また、「横濱中華街旅グルメきっぷ」や「東急線・東急バス一日乗り放題パス」、「東急線ワンデーパス」(東急全線1日乗車券、旧称「東急ワンデーオープンチケット」)は当線も乗車可能だが、これらの乗車券(「おトクなきっぷ」)は当線各駅では発売していないため、乗車時に乗務員(下高井戸駅は駅係員)に「おトクなきっぷ」を三軒茶屋駅で購入する旨を申し出て運賃を支払い「乗車券購入票」を受け取り、田園都市線三軒茶屋駅の窓口で「乗車券購入票」を提示することで差額で購入が可能である[6]世田谷線車内にある運賃箱
PASMO・Suicaで運賃を支払う場合は画像中の青い部分に、世田谷線専用せたまるの場合は別に設置されているチェッカーにタッチしていた。

2007年3月18日よりICカード乗車券PASMOを導入し、Suicaとの相互利用も可能である。当路線の車両には「PASMO Suica ご利用いただけます」のステッカーが入口前に貼付されている。導入当初、当路線の定期券が発行できない、車内でのチャージができないなどの制約があったが、2012年3月17日よりそれらが解消された。また同日よりバス利用特典サービスも開始されたが、2021年4月30日をもってバスポイント・特典バスチケットの付与を終了した[7]

同日の世田谷線でのPASMO定期券発売開始に伴い、2002年7月7日から導入された世田谷線専用ICカード「せたまる」の発売が2012年3月16日で終了し、同年9月30日で利用を終了した。せたまるには定期券と回数券の2種類があり、せたまる回数券は、利用する度に運賃に対応するポイントが付加され、貯まったポイントは運賃に還元されるようになっていた。利用する時間帯・日時によってポイントの点数を変動することにより、オフピーク回数券や土休日回数券と同様の機能を1枚のICカードで行わせていた。

紙式回数券は、せたまる導入時期を含めて2023年2月28日まで発売していた。世田谷線以外の東急線の回数券と同様に11枚綴りで利用時間の制限がない「普通回数券」、12枚綴りで平日10時 - 16時と土日祝日および12月30日 - 1月3日の終日に利用できる「時差回数券」、14枚綴りで土日祝日および12月30日 - 1月3日の終日に利用できる「土休日回数券」の3種類があり、発売額はいずれも1,500円で、普通回数券のみ小児用もあり、800円で発売されていた(発売額は2019年10月1日現在)。発売終了後も2033年2月28日まで使用時の運賃と額面との差額を払えば使用可能である[8]
乗降方法

下高井戸駅・三軒茶屋駅以外の駅で乗降する場合(上町駅は下高井戸方面のみ)は、2両編成の運転士がいる1両目の前部または案内係が配置されている2両目の後部のドアより乗車し、連結部を挟んだ中央部2か所のドアより降車する。2021年1月18日夜間からは早朝・夜間帯に2両目の後部ドアからの乗車扱いを取りやめ、この時間の乗車は1両目の前部ドアのみとなる[9]。下高井戸駅の乗車ホームと上町駅の三軒茶屋方面ホームでは1両目前部の扉が開かない。

運賃は前払い。全区間均一運賃のため、乗車券(きっぷ)は発行されない。下高井戸駅・上町駅(三軒茶屋方面のみ)・三軒茶屋駅から乗車する場合は駅にある運賃箱で、その他の駅(無人駅)では車内にある運賃箱で、それぞれ運賃を現金・回数券・カード等で支払う。通常は無人駅でも多客時にホームに係員がいる時はそこで運賃を支払うか、ホームに備え付けの簡易改札機にPASMO・Suica等をタッチする。この場合はどの扉からでも乗車できる。上町駅は2022年4月15日をもって窓口営業を終了したため、障害者割引等特殊な取り扱いを要する場合は、改札口で運賃を支払わずに乗車時に乗務員に申し出た上で支払う形となった[10]

路線バスと同式の運賃箱を使用しており、大人運賃1人分を超える金額が投入されるとつり銭が出て来る。PASMO・Suica等で支払う場合は運賃箱か車内備え付けの読み取り部にカードをタッチする。現金で小児運賃を支払う場合や車内でチャージを行う場合は運賃箱にある所定のボタンを押してから現金を投入する。

なお、PASMO・Suica等で運賃の支払いを行った場合、車内でカードが反応して二重に運賃が徴収されるのを防ぐため、一度カードをかざしてから20分以内に再度カードをかざそうとするとエラーとなり運賃の引き去りができないように設定されている。そのため、20分以内に再度乗車する場合は運転士や案内係にその旨を申し出る必要がある。
利用状況

近年の1日平均乗車人員の推移は下表の通り(単位:人)。

年度1日平均
乗車人員出典
1990年55,258[11]
1991年55,822[12]
1992年53,666[13]
1993年50,777[14]
1994年48,844[15]
1995年47,691[16]
1996年47,682[17]
1997年48,732[18]
1998年49,225[19]
1999年49,005[20]
2000年49,468[21]
2001年50,227[22]
2002年51,688[23]
2003年51,839[24]
2004年52,490[25]
2005年53,916[26]
2006年54,696[27]
2007年55,303[28]
2008年56,589[29]
2009年55,670[30]
2010年55,230[31]
2011年53,509[32]
2012年55,057[33]
2013年56,958[34]
2014年53,829[35]
2015年55,061[36]
2016年56,168[37]
2017年57,541[38]
2018年58,076[39]
2019年58,003[40]
2020年42,102[41]
2021年48,290[42]
2022年52,283[43]

歴史「東急玉川線」も参照

現在の世田谷線の区間は、1925年大正14年)1月18日に三軒茶屋駅 - 世田谷駅間が玉川電気鉄道(玉電)の支線の下高井戸線(しもたかいどせん)として開業したのに始まる。同年5月1日には残りの世田谷駅 - 下高井戸駅間が開業した。1938年昭和13年)3月10日、玉川電気鉄道は東京横浜電鉄(現在の東急の前身)に合併され、玉川線となる。


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